1.中高年に急性の喘息が発生しています
例年1月から3月はインフルエンザが急増し、肺炎の併発などで亡くなる方が増えますが
激しい咳が2週間以上も治らずに、急性喘息に移行する患者が増える時期でもあります。
風邪が治らずにいるつもりの方が多いのですが、しつこい咳は急性喘息を疑う必要があります。
急性喘息の特徴は、夜間に咳がひどくなり、咳き込むと胸が痛み、
コデイン(市販の咳止めや、医師が処方する薬に含まれる)などが効きません。
中高年の場合は放置すれば慢性喘息になる可能性があります。
一般的には吸入ステロイドが有効と言われていますから、医師に相談をして適切な処方を
してもらうことが必要です。
2.シス型の天然オメガ3脂肪酸を試してください
シス型の天然オメガ3脂肪酸サプリメントを使用されている方は、急性喘息にも試してみてください。
シス型の天然オメガ3脂肪酸は心臓血管などの平滑筋の異常収縮を防ぐばかりでなく、
血液粘度の調整、粘膜の炎症防止、アレルギー
原因物質の生成抑制作用があります。
オメガ3は高脂血、心臓血管病、花粉症の予防以外にも有益です。
3.オメガ3にアレルギー原因物質の生成抑制作用
喘息、アトピーなどのアレルギー症状は抗原(アレルゲン)と呼ばれる異物の侵入に対する
生体の拒絶反応(抗体生成)です。
抗 体は細菌、ウィルスなどの侵入抗原(アレルゲン)にあわせて無数(数千万から1億とも言われている)に
作られるたんぱく質ですが、病気を防ぐ重要な働きを 持つ反面、元来無害な花粉や
ハウスダストに過剰反応して、生体を傷つける有害作用物質(ロイコトリエンなど)を
生成する抗体(IgE)もあります。
アレルギーの原因となる有害抗体により生成される有害物質(悪玉プロスタグランディン)は植物性油の
オメガ6系の脂肪酸を原料としていますが、オメガ3にはこの有害物質生成を抑止する作用があります。
抗炎症の医薬品は第一三共製薬のポンタール(pontal)などが
プロスタグランディン発生抑制剤です。
咳、頭痛、生理痛などにも処方されますが
作用のきつい医薬品で、胃腸、腎臓などに副作用がありますので
医師の処方なくして使用するものではありません。
(メーカー注意書き:ポンタールカプセル250mgの作用と効果について:
プロスタグランジンの合成を抑制することにより、炎症に伴う腫れや痛みを抑え、熱を下げます。
消炎・鎮痛・解熱、急性上気道炎の解熱・鎮痛に用いられます。)
4.アレルギー防止には各種脂肪酸の摂食バランスが最重要です
脂肪酸のバランスによる予防や治療の優れたところは、細胞よりアレルギーの原因物質が
放出(遊離)される前の段階で有害物質悪玉プロスタグランディン合成の抑制作用があり、
個人差がある免疫作用に幅広く対応できることです。
市販の植物性食用油に含まれるオメガ6系の脂肪酸は、揚げ物ばかりでなく
パン、ケーキ、クッキーなどにも大量に含まれ、知らずして過剰摂取となっています。
オメガ6系脂肪酸の過剰摂取によりオメガ3の有害物質生成抑止作用が
間に合わなくなると大量の有害物質が放出されることになります。
急性アレルギーの主要原因は料理に含まれる各種脂肪酸のバランス欠如と言われます。
摂食バランス(各種脂肪酸の摂食比率)が重要になる所以です。
5.理想的な各種脂肪酸の摂食比率
一般的な食生活ではオメガ6系脂肪酸の摂食が多すぎますから、これを減らすと共に、
比率の改善にはオメガ3脂肪酸の摂食を増やすことが必要となります。
飽和脂肪酸(バター、ラード、パーム油など)= 1
不飽和単価脂肪酸(オメガ9脂肪酸::オリーブ油、菜種油など)= 1.5
不飽和多価脂肪酸(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)= 1
不飽和多価脂肪酸のなかではオメガ3脂肪酸(サーモンの魚油、いわし・さばなどの青魚、)が1に
対してオメガ6脂肪酸(紅花油、ひまわり油、ごま油、大豆油、月見草油など)が
2から4の比率が推奨されています。
6.飽和脂肪酸(パームオイル)で達成するトランス脂肪酸フリー食品に注意
トランス脂肪酸は心臓血管病、中性脂肪過多など諸悪の根源としてEU中心に
排除が検討されてきましたが、2006年1月1日からは米国においても食品への
表示義務が生じました。2014年には危険食品添加物の扱いになり、禁止予定。
米国などでは、トランス脂肪の削減にパーム油(やし油)を使用する
食品会社、レストランが増加しています。
パーム油は植物性食用油としては数少な い飽和脂肪酸ですからトランス脂肪酸は生じませんが、
バターや食肉などで飽和脂肪酸を十分に摂食している方は飽和脂肪酸の摂食が過剰になり、
脂肪酸バラン スを崩す恐れがあります。
ヤシ油は植物性油としては最もコストが安い食用油ですから、問題になったマーガリンのほか、
数多くの加工食品がトランス脂肪酸フ リーを目指してパーム油の使用を検討しています。
パーム・オイルには発がん物質含有のまま市販されているものがあります。
(参考文献)