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トランス脂肪酸のニュースと解説

トランス型脂肪酸のすべて:食品表示義務に至る歴史と食品企業の対応

トランス酸禁止キャンペーンの緑ハート

 

トランス脂肪酸撲滅研究会
乃木生薬研究所は、1990年代より、トランス脂肪酸の排除に取り組んでいます。

 

トランス型脂肪酸(トランス脂肪)は動脈硬化を招く悪玉コレステロールを増やし
心臓血管に有害との学説が定着しています。
米国では3年近い猶予期間が終了し、2006 年1月1日から食品にトランス型脂肪酸の
含有量表示が義務付けられました。
以来、トランス脂肪の有害論は世界の食品業界に多大な影響を与えています。
食用油、食用油脂の抽出にはトランス脂肪が生成される製法が多用され、製パン、製菓業界では、
成形や保存にトランス脂肪が重要な役割を果たすからです。

 

1.トランス型脂肪酸(Trans fatty acid)とシス型脂肪酸(Cis fatty acid):
水素添加化合(hydrogenation)とは

トランス型脂肪酸は省略してトランス脂肪(trans fat)とも呼ばれています。
トランス型脂肪酸は飽和脂肪酸の構造になりますが、不飽和脂肪酸が変化した状態のみを指します。

脂肪酸は水素を結合した炭素が鎖状に結合していますが、魚油や植物の種などに   
含有される不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acids)のほとんどは、変化しやすい、
不安定な形のシス型脂肪酸として存在しています。

不飽和脂肪酸には炭素が2重結合した部分がありますが、その部分の炭素には、二つの水素原子が片側にリンクしています(図)。

これらは炭素連鎖の中でお互い、反発しながらどこまでも絡まっていきます。                   
これがシス型脂肪酸と呼ばれるもの。                                          
ネーミングの由来はラテン語の「同じ側」という言葉からです。                             
不安定なシス型脂肪酸は劣化、酸化しやすいのが欠点。                               
そのために製油や加工食品には安定した脂肪酸が必要となります。                       

シス型脂肪酸は加熱するか、意図的*に炭素の2重結合部分の水素を反転させると水素添加化合(hydrogenation)がおこります。
水素添加化合は炭素の二重結合部分に水素を化合させて、単結合にすることで、2重結合の二つの水素原子が反対側に移動するという化学的変化。
これがトランス型脂肪酸で、絡まりが解けて鎖は直線的になります。
直線的な脂肪酸分子の鎖は絡まったものよりコンパクトになり、全体的に安定化します。
トランス脂肪酸ネーミングの由来は水素添加化合が行われる時の、水素の移動(トランス)を指しています。
水素添加化合により不飽和脂肪酸のオレイン酸(Oleic acid)やリノール酸(linoleic acid)は二重結合を失い、
飽和脂肪酸のステアリン酸(stearic acid)となります。

 

*工業的水素添加化合(hydrogenation)は 圧縮水素を金属触媒により添加します。
製油の場合は抽出時に化学溶剤のヘキサン(hexane)(C6H14)を使用することも多いようです。
ヘキサンはヨウ素、臭素を溶かす無極性溶剤としても使用される物質。

飽和脂肪酸(炭化水素鎖)

不飽和脂肪酸(炭化水素鎖)

 

 

 

2.トランス型脂肪酸を含有する食品

大部分の加工食品、植物油、マーガリンなどは加熱や水素添加によって製造されます。
したがって、
植物性のショートニング、マーガリン、飴、クッキー、スナック菓子、チョコレート、
アイスクリーム、フレンチフライなど揚げ物、サラダ・ドレッシング、パンなど焼き物が、
主たるトランス脂肪含有食品

動物性ではバター、チーズ、牛肉、羊肉などにも、少量ですがトランス型脂肪酸が、含まれます。
牛など食物を反芻消化する哺乳類は、胃の微生物によってもトランス脂肪が合成されますから、
反芻動物の肉や乳脂肪中にもトランス脂肪酸(共役リノール酸)が存在するわけです。

 

3.トランス型脂肪酸の有害性

米国食品医薬品安全局(FDA)*がトランス型脂肪酸の食品ラベル表示に踏み切ったのは、
トランス型脂肪酸が、悪玉コレステロールのLDLコレステロール値(low-density lipoproteins)を
上昇させる飽和脂肪酸というばかりで無く、より影響の大きいだろう、
善玉コレステロールのHDLコレステロール値(high-density lipoproteins)を低下させることを認めたから。

HDLコレステロールの総コレステロールにおける割合の低下は、LDLコレステロール値の多少より、
はるかに冠状動脈に悪影響を与える指標マーカーとなります。

トランス型脂肪酸は脳の血管にも悪影響を与え、アルツハイマーやパーキンソン病の原因となる
という研究もあります。
また血中の中性脂肪の大部分を占めるトリグリセロール(triglycerides) が増加することで
インシュリン抵抗性が増し、高血圧、糖尿病、心臓病の原因ともなるといわれます。
*食品医薬品安全局(FDA:the Food and Drug Administration)は
米国厚生省(US Department of Health and Human Services)の部局。

 

4.トランス型脂肪酸の食品ラベル表示義務決定の背景

米国、国立心肺血液研究所(the National Heart Lung and Blood Institute)の調査では、
米国には1250万人の冠状動脈疾患患者がいると言われ、毎年50万人を超える死者が発生しています

食品医薬品安全局(FDA)はトランス脂肪とコレステロールに関する情報を
米国立衛生研究所*(NIH)のコレステロール教育計画特別チーム(the National Cholesterol Education Program)、
全米科学アカデミー(National Academies of Science)の医療研究所(医学院)(Institute of Medicine)、
2000年の米国食事摂取基準*を作成した特別委員会(the Advisory Committee on the Dietary Guidelines for Americans)などに求め、その都度、結果を公表してきました。
*米国立衛生研究所(NIH)(the National Institutes of Health)は
 米国厚生省(US Department of Health and Human Services)傘下の研究所。
*農林省(US Department of Agriculture)(USDA)などにより、5年ごとに作成される。

 

5.トランス型脂肪酸の食品ラベル表示決定までの歴史

米国では1990年11月8日に栄養表示規制法(the Nutrition Labeling and Education Act:NLEA) が成立し、
1993年からコレステロール、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の量が食品ラベルに表示されるようになりました。
すでに有害性が問題になっていたトランス型脂肪酸の含有量表示は、この時には対象外となりました。

1994年ごろに、消費者擁護科学センター(the Center for Science in the Public Interest)の
強い陳情が始まりますが、有害性、有害量の決定的な証拠が提出できないために、
度重なる改訂時にも表示に踏み切ることが出来ませんでした。

現在の製パン、製菓、フライなど、マーガリンや油脂を使用する加工食品業界においては、
トランス型脂肪酸が常用されているために、確たる根拠なしに
早急に禁止するわけにはいかない事情がありました。

1999年になり、多くの研究報告が出揃ったため、FDAはラベル表示に
トランス脂肪の含有量を記載すべき、とする方向になりましたが、
実際に決定されたのは2003年7月9日でした。
FDAは2006年1月1日まで表示義務を猶予していますが、この日より3年間で
少なくとも 600 -1200 件の冠状動脈疾患を防ぎ、250-500人の死者が救えると予想しています。
ラベル表示は一日摂取量0.5グラム以上のオメガ3魚油7サプリメントなどにも適用されます。

 

 

6.共役(きょうやく)リノール酸(Conjugated Linoleic Acid:CLA)

リノール油のオメガ6(omega-6 fatty acid)と呼ばれるリノール酸(linolenic acid)は

多価不飽和脂肪酸ですから、炭素鎖の6番目から始まる2重結合部分が2つあり
2つの二重結合の間には単結合が2つあります。
この2重結合の10番目と12番目(trans-10 cis-12 CLA)*か、
9番目と11番目(cis-9 trans-11 CLA)*に存在する2つの単結合が、
分子構造変化(conjugated、接合、共役)によって1つになったものが共役リノール酸(CLA)。

化学的な呼び方をすれば、共役リノール酸はリノール酸の異性体(アイソマー:isomer)。
分子構造変化(conjugated)をおこして共役リノール酸となったリノール酸は、
有益な面のみがクローズアップされていますが、必ずしも正解ではないようです。

リノール酸は主として反芻(はんすう)動物の第一胃(ルーミン:rumen)の中でバラエティーのある
共役リノール酸に変化するといわれ、牛肉の赤身やチェダー・チーズ(cheddar)に多く含まれます。
*共役リノール酸には1012-octadecadienoic acid、911-octadecadienoic acidという化学的な命名があります。

 

7.共役リノール酸の種類と機能

共役リノール酸は既述のようにリノール酸の変化形態によっていくつかありますが、
大別すると2種類あります。
9番目と11番目に変化がおきた共役リノール酸(cis-9 trans-11 CLA)と
10番目と12番目変化がおきた共役リノール酸(trans-10 cis-12 CLA)です。
この二つは未確認ながら機能が異なっていると言う説があります。

911共役リノール酸(cis-9 trans-11 CLA)は、免疫力強化に働き、抗癌作用があるといわれます。
特に乳がん、前立腺がん、メラノーマの皮膚がんに有効と言われますが確認できていません。
911共役リノール酸(cis-9 trans-11 CLA)は牛肉でも、放牧などで自然な餌を食している牛の赤身に
4倍以上多く含まれるそうです。
もう一つの1012共役リノール酸(trans-10 cis-12 CLA)は動脈硬化に有益と言われます。
また炭水化物(糖)を筋肉に変える機能があるとされ、ダイエット・マニアが早速飛びつきました。
マウスの実験では1012共役リノール酸(trans-10 cis-12 CLA)は糖が脂肪生成するのを大幅(58%)に
減少させる機能があったそうです。

これはアナボリック・ステロイドの効果と同じであるために、ボディービルダーは筋肉増強に
共役リノール酸のサプリメントを使用するそうです。

 

 

人間に本当に有効かどうか、大量投与の副作用などは未明です。
赤身の牛肉、豚肉の大量摂食は糖尿病に有害という研究が話題となっています。
(赤身の肉もサプリメントもトランス脂肪酸の害が多いという有力な説もあります)

 

加工肉、食用肉の亜硝酸ナトリウムはトップクラスの発がん物質
加工肉の亜硝酸ナトリウムはトップクラスの発がん物質(WHO:IARC): 加工肉、食用肉の発がん性 2015年は世界保健機構(WHO)の傘下組織である国際がん研究機関(IARC)が 1965年にがん研究と、その広報を始めて50年の区切り。

 

 

8.オランダにおけるトランス型脂肪酸の研究

米国の食品業界誌 (Functional Foods and Nutraceauticals )は2004年12月号で、
オランダにおけるトランス型脂肪酸の研究を紹介しました。
この研究により20年にわたるトランス型脂肪酸の一般的な概念、
及び科学概念が変わったといわれます。

オランダにはネッスルに次いでEU第2の規模を持つ食品業界の巨人、ユニリーバ社があります。
ユニリーバ社はマーガリンの製造に130年を超える歴史を持つ会社。

特集によれば、1990年に始まった研究では、ランダムに選ばれた34人の女性と
25人の男性の診療において、トランス型脂肪酸が、LDLコレステロール値を上昇させる飽和脂肪酸
というばかりで無く、より影響の大きいだろう、HDLコレステロール値を低下させることが
発見されています。

1992年にはオランダで健康な男性を対象に、再度、リノール酸(シス型不飽和脂肪酸)と
その水素添加化合物のエライディック酸(Elaidic acid:トランス型飽和脂肪酸)、
ステアリン酸(Stearic Acid):飽和脂肪酸)のリポ蛋白血清の比較が行われました。

リノール酸の摂食では、トランス型脂肪酸エネルギーは0.1%だったのに対し、
ステアリン酸は0.3%、エライディック酸は7.7%でした。
結果として、トランス型飽和脂肪酸の摂食と、リポ蛋白血清反応の関連は、
トランス酸の摂食がHDLコレステロールを低下させ、LDLコレステロール値を
上げることを示していました。
2004年、最初の研究をリードしたオランダのマースリヒト大学(Maastricht Unv.)の
ロナルド・メンシンク(Ronald Mensink)氏は、試験的な60件の同時分析を通じて、
総HDLコレステロール中の脂肪酸のタイプと有効量を計算しました。
この結果も各国で話題となっているトランス脂肪酸表示義務の要求が正しいことを示していました。

シス型不飽和脂肪酸が飽和脂肪酸に置き換えられた場合に、
HDLコレステロールの割合が低下したのに対し、含有トランス脂肪を
炭水化物とシス型不飽和脂肪酸の混合物に置き換えた場合は、
飽和脂肪酸に置き換えた場合に較べて、HDLコレステロールが約2倍に増えていました。

研究報告には植物性の飽和脂肪酸について特別記載があります。
椰子心髄油のミリスチン酸(Myristic Acid:飽和脂肪酸)、
椰子油のパルミチン酸(Palmitic Acid:飽和脂肪酸)はHDLコレステロール低下作用に影響が少ないのに対し
ラウリン酸(Lauric Acid:飽和脂肪酸)に富んだココナッツ油などがHDLコレステロールを低下させました。

これらに較べてステアリン酸(Stearic Acid:飽和脂肪酸)はやや低下という程度。
結局、冠状動脈疾患のリスクはトランス型脂肪酸と飽和脂肪酸がシス型不飽和脂肪酸に置き換われば、
最も効果的に減少することが出来るということです。
最も大きな減少率が見られるのは水素添加化合(hydrogenation)をしない抽出法で得た食用油でした。

 

スーパーには様々な低リノール酸含有油が並ぶ

 

9. トランス型脂肪酸排除に向かう米国食品業界

ベーカリー業界にとって、水素添加化合の油を使用しないで、
パンなどの成形と肌合いを維持することは大変に困難なこと。
食品加工業界では、これまでのトランス型脂肪酸の論争に関して、健康に良い油の調査や
開発にはあまり縁がありませんでした。
解決の鍵は水素添加化合の技術を発展させた新しい油を造り、焼き上がったパンなどが、
必要な形状と機能を維持しながら、貯蔵時の酸化も防げるようにすることでしょう。
同時に、新しい油は心臓の健康に悪影響のあるトランス型脂肪酸が除去されていなければなりませんが、
経費も考慮しなければなりません。
新しい油のコストは水素添加化合油の倍はかかるといわれます。
これは現状から見れば、簡単ではありません。

オリーブオイルのような単価不飽和脂肪酸(monounsaturated fatty acids:MUFAs)や、
リノール油などの多価不飽和脂肪酸(polyunsaturated:PUFA)は安定的ではありませんから、
結局、水素添加化合が行われ、トランス型脂肪酸が産生されてしまいます。

コストを抑えながらある程度の効果を上げるなら、サンフラワーオイル(ひまわり油:sunflower)も選択肢。
サンフラワーオイルはすっきりした味ですから、これと他の油の混合を使用することで、
ある程度の自然な水素添加化合的安定が得られます。

 

 

10. ソース・フード・テクノロジー社(Source Food Technology)の新技術

トランス脂肪を避ける一つの策として、ノースカロライナのヴェンチャー企業である
ソース・フード・テクノロジー社が、マサチューセッツのブランデイス大学(Brandeis Univ.)の開発技術を
採り入れて取得した特許技術があります。

植物油より安定的な牛脂(tallow)がベースの油に、リノール酸のコーン油(とうもろこし油)(corn oil)を混合し、
コレステロール効果を減少するもの。特許の鍵は混合比です。
この油はトランス型脂肪酸を減少させ、揚げ物が油を吸収することを減少させますから、
ソース社は、この新製品をファーストフード業界や、食品サービス業界で市場開拓をしています。
揚げ物への吸収が少ないということは油の消費量が少ないことに通じますから、
イニシアルコストの高さを減少させます。
今後の課題は風味でしょう。(Functional Foods and Nutraceauticals )
 

11.カリフォルニア・ナチュラル・プロダクト社の新技術
このケースはアイスクリームの脂肪の研究からでした。
100%天然米の固形シロップが、トランス型脂肪酸の機能を持ち、焼き物のショートニングの代用を
務める事が解明されました。
お米の粒子はアイスクリームの脂肪粒子(globules)と同程度の大きさで、
その糊状分子がユニークな炭水化物の構造を持つことがわかりました。
炭水化物が脂肪の代わりをします。
結果的に、この製品は0-100%まで、いくらでも脂肪の量を調整することが出来ます。
(脂肪は人体に必須の成分でもありますから、完全除去は考え物です)
(Functional Foods and Nutraceauticals より)

ショートニングはトランス脂肪酸高率含有の代表的食品

 

 

12.トランス型脂肪酸を排除する、その他の技術

大豆油とともにパームオイル(椰子油:palm oil)は食用油市場の半分以上を占めています。
パームオイルは飽和脂肪酸のためトランス型脂肪酸が含まれませんから
特別な加工をしなくとも製品の形状や肌合いを作ることが出来ます。
パームオイルを使用することは風味損傷や飽和脂肪酸過剰摂食の問題を除けば
選択肢ではありますが、発がん性も疑われています。
パームオイル(やし油)は花王エコナで問題となった
発癌物質前躯体3-MCPD(
 3-monochloropropane-12-diol)
相当量含有(製法で異なる)することがネックとなっていますが、コストが安いために
2013年現在では遺伝子組み換えキャノーラ等と並び食品業界の選択肢となっています。

また、複数のバイオ技術会社は遺伝子組み換え技術で、低リノール酸含有大豆を作ることや、
普通の栽培で得られた加工大豆からトランス型脂肪酸を除去する技術も開発中。
低リノール酸含有油は、揚げ物のときのトランス脂肪発生量が少なくなります。

遺伝子組み換えによる低リノール酸食用油はすでにキャノーラ(カナダ・オイル)などでは
開発済みですが遺伝子組み換えの安全性に疑義を持つ日本やEUでは表面的に
受け入れられていません。

 

13. エステル交換(interesterification)技術(インターエステリフィケーション)

2000年代初期の欧米の食品加工業界ではエステル交換に関心を持っていました。
エステル交換は、油が酵素や酸により固形化し、構造変化することに関連する技術。
具体的に言えば、油の脂肪酸成分が他の有機物群と相互結合して
エステル化する技術のことです。
マーガリン、ショートニングにおいては水素添加化合(hydrogenation)が油を安定させますが、
酵素によるエステル交換(interesterification)によっても
油に希望する機能と安定性を与えることが出来ます。
パルミチン酸(Palmitic Acid)のパームオイル(palm oil)とその固形断片のステアリン酸は
エステル交換固形物を自然に得るための一つの選択となっています。
(その後の研究進展によりパームオイルの安全性と発がん物質除去コストが問題となり、
パームオイルは選択肢とはならないと論議が浮上)

カナダのマーガリンに使用されている、エステル交換脂肪は、
パームオイルまたはカノーラオイルとミリスチン酸(Myristic Acid)を含むパーム心髄オイル(palm kernel oil)を
混合したエステル交換固形物。
脂肪や油の自然的、化学的なエステル交換の促進過程は、酵素やその他技術の他動的な
エステル交換より、色や風味の問題を除けば、はるかに安上がりな応用技術。
工業的なエステル交換は酵素を使います。
酵素は、脂質の消化酵素である天然のリパーゼを使用するケースが多いようです。

 

14.エステル交換(interesterification)食品の表示義務

FDAは最近、ラベル表示の分類について重要な通達を出しました。
エステル交換脂肪で、20%を超えるステアリン酸を含むものは、ラベルに「高ステアリン酸」または
「ステアリン酸高含有」表示とともに、「エステル交換大豆油」などと記載しなければなりません。
新技術、合成食品は常に長期的な安全性が確認できないからです。
生産者は商品ラベルにある添加物内容表示欄の水素添加化合物という表示を、
エステル交換化合物使用という表示に置き換えることも可能だそうです。

 

15.消費者のトランス脂肪酸対策:ビタミンEの摂取と総脂肪摂食量の推定法

2000年代上期の調査では20歳以上のアメリカ人は一日に5.8gのトランス脂肪を飽和脂肪酸として
摂取しているそうです。これは一日推奨摂取量の4-5倍にあたります。

トランス脂肪の摂食限度やトランス脂肪の一日摂取値(Daily Value:DV)は
確定できていません。

決定には永い時間がかかりそうです。
2006年年からの表示は、対象食品のトランス脂肪含有量表示だけ。
飽和脂肪酸は摂食限度が決められていますから、消費者はそのラベル表示から計算し、
総量が一日摂食量のマイナス5%以下、または20%以上にならないようすべきとのこと(FDA)。

日本では表示が義務付けられていませんから、米国の同等食品の表示量から
類推するしかありません。
一般的には肉食族の欧米人に較べ日本人の飽和脂肪酸摂取率ははるかに少量です。
現在ではコレステロールも人体にどのくらいの量が必要かは定かではありません。
コレステロールが悪玉の低密度リポ蛋白(LDL)の増加に相関があることは
科学的に証明されていますが、
コレステロールはビタミンD、細胞膜、胆汁、ステロイドホルモンなどを産生しますから、
不足することも有害。
またトランス型脂肪酸の元となる脂肪は、必須不飽和脂肪酸である
オレイン酸、リノレン酸、リノール酸を運搬する効果もありますから有益な側面もあります。

不安定なシス型脂肪酸は劣化、酸化しやすいのが欠点です。
過酸化脂質は老化や疾病の元となる活性酸素の最大の生成原因。
トランス型脂肪酸の過酸化脂質の害を防ぐ最大の方法は魚類など食品からの
天然ビタミンE摂取が有効(合成VEサプリメントは危険性があります)。
緑黄色野菜、胡麻・アーモンド・ピーナツなどの種実類、豆類などに多く含まれるビタミンEは、
抗酸化作用を持つとともに、シス型不飽和脂肪酸の酸化を防ぎます。

飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に関わらず、脂質を摂取するときには
ビタミンE含有食品を同時に摂取することが重要な献立です。

総脂肪摂食量の推定法
高血圧の方、中性脂肪量の多い方、心臓血管に問題のある方々は、
トランス脂肪酸ばかりでなく脂質全体に関心を持たなければなりません。
既述のように米国では食品の総脂肪含有量がラベルに表示されており、
2006年1月1日からトランス脂肪酸の量もラベルで読み取ることが出来るようになります。
脂肪量の表示に関する規定の無い日本では米国の同等食品より類推するしかありませんが、
ラベル表示にもいろいろあり、脂肪量が全く無いような表示もあります。

意図的に解りにくくなっているものもありますから注意して解読する必要があります。

 

16.ラベル表示解読の注意点

ラベルには一回に摂食する推奨量(serving size)を基準に脂肪(fat)、たんぱく質(protein)、
炭水化物(carbohydrate)、ビタミン、ミネラル*などが表示されています。
パーケージ総量(servings per package:per container)は推奨量(serving size)が
何回分摂食できるかの総計が書いてあります。
通常は脂肪など個別の総量の計算はしてありません。
したがって一日推奨量(serving size)の範囲内での飽和脂肪酸(saturated fat)、
不飽和脂肪酸(unsaturated fat)、コレステロール、総脂肪含有量が500mg以内の場合には0と表示されます。
その食品だけを食べているわけではありませんから、1日の食事に関する総脂肪量を計算するときには、
この点に気をつけなければなりません。
3)のオートミールのラベルにはハートのマークがありますが、これは飽和脂肪酸と
コレステロールの除去を推奨する全米心臓協会(American Heart Association:AHA)の認定マーク。
このマークが脂肪フリーなわけではないことを銘記すべきです。 
                           
推薦一日摂取量(daily value:D/V)

これはアメリカ人を対象にした一日推奨摂取量(daily value:D/V)です。
親切な表示は一日2000カロリーの場合と、2300カロリーなど表示して計算がしてありますが、
一般的には2000カロリーが基準。
下のほうに小さく、パッケージ総量、100gなど定量当たり等の重さが書いてありますから、
日本人はその量で、自分の適正摂取量を判断すべきです。
特にトランス酸が表示されるようになった後は、トランス酸には一日推奨摂取量(daily value:D/V)が
決められてありませんから、摂取量はあくまで自己判断になります。
*米国では高血圧予防などのために、ミネラルでも塩分量だけは必ず表示されます。
Sodiumがナトリウムのことで、塩分。
*potassiumはカリウム。
*米国のシリアル食品にはビタミン、ミネラルなど、特に葉酸を強化した食品が多くあります。
*2)のケーキパウダーミックスラベルのnutrition factsがnutrition informationとなっているのは
オーストラリア(2002年に表示法が施行)の文言。
factsが事実や真実を表す強い言葉ですので、情報(information)という程度に
抑えた表現となっています。

(サンプルは2005年取材時)
初版:2005年1月

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