2016年11月の米国大統領選が終わり、世界規模で様々な話題が広がりましたが
その一つがロシア発のフェイスブックによる偽情報の拡散。
選挙の結果に重要な影響を与えたといわれます。
時代を反映した事件ですが、日本でもスマホ、パソコンに大量の偽造健康情報が
拡散している事件が摘発されました。
DeNAの経営する横浜スタジアム(HPより) DeNAのWELQに端を発した
盗用健康情報や偽造健康情報の発覚は、
サイバーエージェント、 リクルートHD、ヤフー、KDDIが、
同様な健康情報サイトをクローズする拡がりとなり、
大量の偽造、盗用健康情報がネットに溢れていたことを
国民が知るところとなりました。
偽造、盗用健康情報が流布されるとは先進国では類例を見ない、
おかしな事件ですが背景には省庁、大企業、学者、研究者などの権威を盲信する
日本独特の土壌があります。
マスメディアのコンテンツ、有名人の推奨などに何の疑義も持たない純粋な国民性も
企業の不正が蔓延(はびこる)原因でしょう。
1.公平で信頼できる健康情報と危険な健康情報
マスメディアにあふれる一方的な劇場型商法を信じての誤った食生活が永続する
危険度は計り知れません。
最も気を付けるべき宣伝文言(コピー)は
「重要成分の体内生成が加齢により減少しています」
「食事からでは必要量の摂食が不可能ですがxxxは レモン50個分、
鰯xxx匹分、マグロの切り身xxxg、ワイン50杯分の摂食ができます」
「体感度が他とは違います」
「日本人の食生活は欧米とは異なりますからxxxは食べても安全です」
このような記述がある宣伝は長期的な安全性に疑義を持つべきでしょう。
サプリメントによる補助に食生活とかけ離れた大量補充は危険なだけです。
死亡事故の実例は数多くあります。
また体が怠け者になる自己免疫力の低下はサプリメントによることが少なくありません。
長寿社会の勝ち組となるには(その1): 健康オタクが癌になり、認知症を防げないなぜ: サプリメントの危険性は薬用ハーブと過剰な摂食量
安易な合成ビタミンEサプリメントの摂取は出血性脳卒中リスクを高める
健康情報が溢れている中で米国政府情報は公平で、
信頼できることを (長寿社会の勝ち組となるにはその2)でお知らせしています。
長寿社会の勝ち組となるには(その2更改): メタアナリシスされた健康情報こそ勝ち組長寿への道 偽健康情報を発信するステマとは
2.医者により廃人にされた腎不全患者
悪質な商法の顕著な実例は自己治癒力が機能しなくなるのを承知で患者を廃人にした
「歌う医者」事件が有名。腎不全の患者紹介で
「歌う医者(ギター伴奏で歌うのが趣味)」と通称された医師が
病院などと語らって劇場型の不正事件を起こしたケースです。
腎不全初期に必要なアドバイスもせずに、医院、病院の売上目標が1か月40万円になるように
患者の透析回数を不必要に増やし自己治癒力を喪失させていました。
蛋白を減らしエネルギーを失わない食生活で腎不全進行を極力抑える段階にもかかわらず、
結局は重度の透析法でなければ生きていけなくなりました。
人間の体は死ぬまで自己治癒力を持っています。
加齢や疾病でそれが低下した時に補うには適量でなければなりません。
過剰な摂食が続けばせっかく保持していた自己治癒力が機能しなくなります。
体が全くの怠け者になるわけです。
しかしながら適量の決定は人それぞれですから不可能なほど困難。
安全な摂食量は最低でも100年以上の歴史を持つ食材の食生活から推定するしかありません。
また体内生成できない必須アミノ酸、必須脂肪酸なども過剰摂食に関しては 安全性が保証されません。
たとえ、それの含有食材が1,000年の歴史を持ったものでもです。
肉、魚、マメ、野菜、キノコなどに多くの有害実例があります。
最も重要な配慮は有用な食材といえども同じものを食べ過ぎないことです。
3.逃げの定番「日本人の食生活は欧米とは異なります」
加工肉や魚の保存と発色に使用される亜硝酸ナトリウムは
発がん物質として先進国では使用禁止の動きが活発ですが日本では
(ごく一部の業者を除いて)無視されています。
テレビ番組では御用学者が生産会社保護の劇場型解説で「日本人は加工肉摂食が少ない」
心配することはないとの解説。
監督官庁まで便乗しています。 加工肉だけなら確かに欧米人より少量でしょう。
ところが亜硝酸ナトリウムはたらこ、いか、魚卵など水産加工品にも 多用されています。
日本人の累積摂取量は欧米人並かそれ以上でしょう。
加工肉の亜硝酸ナトリウムはトップクラスの発がん物質(WHO:IARC): 加工肉、食用肉の発がん性
4.日本初のCoQ10サプリメントが販売中止された理由
ノギボタニカルが日本最初のCoQ10やヒアルロン酸サプリメントを
売り出したのは17年前。
その後7-8年でブームとなり、なだれ込むように参入した企業が
「加齢で体組織のCoQ10は半分以下に減少します」との
コピーを溢れさせたおかげで、
美容などに必要以上の大量摂取する人が急増。
危険な状態となったために販売中止とせざるをえませんでした。
CoQ10やヒアルロン酸は体のあらゆる部分に存在するありふれた成分。
しかるべきビタミンやアミノ酸とともに適量の摂取をするならば効果も ありますが微量で十分。
体内生成する物質の過剰摂取は「過ぎたるは及ばざるごとし」「百害あって一利なし」です。
エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは: 合成コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)過剰摂取の危険性
CoQ10販売当時の広告
ダイエットや美肌、白肌など美容のサプリメントとED治療は過剰摂取が
事故につながるケースの多い分野。
過剰摂取で様々な副作用が体に現れるようになり、
死者が出ることも 珍しくありません。
重篤な障害の多くは肝臓、腎臓など臓器とホルモンなどの分泌異常。
「体感度が違います」など、安全性を無視した大容量を強調する
コピーがあれば要注意。
数百年を超える永い摂食の歴史を持つ成分はドイツなどが先導して
推奨摂取量を提唱していますが、
対象は食材など狭い範囲に限られています。
多くは安全適正な摂取量が決められませんから、
表現も断定、確定的では ありません。
「体感度が違います」のコピーは過剰摂取の危険性ばかりでなく、
違法な医薬品混入の例が数多いことにも注意しなければなりません。
マスメディアによる情報操作の好例
5.(参考)薬品汚染された養殖魚生産者の錦の御旗は資源保護
上の写真は出荷量が急増している養殖クロマグロの幼魚(関東での呼称はメジマグロ)。
(写真はイメージですので天然です) 日本で消費されるクロマグロの半数以上が
養殖マグロといわれます。
養殖魚は産地により飼育法が異なりますが「抗生物質」「抗菌剤」「飼料」の使用法、
使用量に安全性が欠けることが多々あります。
天然より価格は2-3割安いですが、食べ過ぎないように注意すべきでしょう。
安全性の確認が出来ていない新たな遺伝子操作(遺伝子編集)により、
成魚に至る期間を 半減させ、
体重を倍増させる飼育も始まっています。
経済性追求のみで工場化した事業を推進する企業は要注意といえましょう。
永年摂食することの安全性有無を考えれば養殖魚摂食は頻度を少なくすることがお薦め。
養殖魚の御三家ともいえるのは「ヒラメ」「タイ」「ワラサ(メジロ)」
最近は養殖クロマグロが一角を占めるようになり四家になりました.
各地で漁獲量が急減している鯵(あじ)も、養殖が長崎、鳥取、静岡(内浦)などで
急増してきました。
いずれは鯵が四家に加わり養殖魚トップグループは五家になりそうです。
養殖ヒラメは裏側(腹)に黒緑の文様(写真上右)があります.左は天然ヒラメの腹.
養殖魚の問題点は薬品が多用されることと、安全性を議論することなく「遺伝子編集」まで
採用して大きさを倍増させ、成長を極端に速めている利益至上養殖場があることです。
「遺伝子組み換え」はいまだに安全性議論が続いており、
「遺伝子編集」は安全性の議論が まだありません.
遺伝子組み換え作物が否定される何故(なぜ): 15年続いている安全性疑惑
マダイ(真鯛)は鮮明な淡いピンク色が多いですが、養殖マダイは鈍く黒色がかったピンク.
タイも昔は黒ずんでいるのが養殖でしたが、紫外線を遮断する工夫で天然に 近い色となっています。
見分けがむつかしくなりましたが、養殖は表示が義務付けられていますから、
無表示でしたら販売者に聞きましょう.
愛媛産、長崎産など大養殖場がある場所の養殖ダイが全国に出回っています.
写真のマダイはイメージですので天然です。
写真上はカンパチの幼魚。養殖が盛んな高級魚.写真はイメージですので天然。
フグ、カワハギ、イサキなども養殖が急増しています。
危険な養殖魚の先鞭は中国産養殖ウナギ。
絶えることのない中国産魚類の発ガン物質汚染: 中国産ウナギが信用できないわけ
6.(参考)天然大型魚の水銀とダイオキシンの汚染
養殖魚ばかりでなく欧米では天然マグロ、カジキ、サメなど天然大型魚の水銀汚染や
ダイオキシン汚染が懸念され、大量摂食を避けることが推奨されています。
下の写真は天然の本マグロ。
「金の原始的採掘が原因となるメチル水銀汚染魚介の増加: 妊婦には大型魚の摂食が危険!!!」
ベトナム戦争で顕在化した猛毒ダイオキシンの健康被害 日本の近海魚介類のダイオキシン汚染
ベトナム戦争で顕在化した猛毒ダイオキシンの健康被害 日本の近海魚介類のダイオキシン汚染
初版:2015年12月 改訂版:2017年1月