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ブドウ・レスベラトロールのニュースと解説

抗老化酵素サーチュインの機能発見に至る道

11. 2003年:サーチュイン活性化物質の発見とワイン・レスベラトロール

テロメラーゼの活性化に寄与するサーチュインの活性化物質
(sirtuin activating compound:STACs)はサーチュインを発見した
ハーバード大学教授の生化学者シンクレア―博士らにより発見され
2003年に論文をサイエンス誌に発表。
この論文でSTACsの一つブドウ・レスベラトロールに特徴的なポリフェノール(スチルベン)が
ヒトのサーチュイン1(Sir1)酵素(Sir2と同種とも言われる)を最大限に活性化し、
出芽酵母菌の寿命を延ばすことが報告されました。
この頃にはテロメア周辺の染色体構造の仕組みを明らかにする研究が盛んとなり
染色体凝縮(短縮)の酵素反応にサーチュインのSir2が重要な関連を持つことが判ってきました。

 

細胞老化と癌(その16): サーチュイン活性化物質スタック(STAC s)の発見
テロメア―とスタックとは エイジング(老化)と癌予防、治療は細胞染色体のテロメアと、酵素テロメラーゼのメカニズムを 追求せずには不可能といわれる時代になりましたが、近年になり研究はさらに進化しています。 テロメラーゼのメカニズムを(一部)解

12. 2006年:カロリー制限(CR:caloric restriction)とワイン・レスベラトロール

シンクレアー教授らがサーチュイン活性化物質の医薬品化の試行錯誤を
続けている一方、断食、減食の作用を代替させる道が食品にないかと考えていたのが
ハーバード大学および国立老化研究所の新進気鋭の
若い学者ケヴィン・ピアーソン(Kevin Joseph Pearson Ph.D)。
彼が主導し結集したハーバード大学、MITを中心とするボストンのグループが発表した
「食べても太らない」実験結果は衝撃的で
ブドウ・レスベラトロールが脚光を浴びた最初ともなりました。
ピアーソンは老化、代謝、栄養、心臓科学の専門家ですが、ハーバード大学の
シンクレアー教授らの研究等を基盤に実験を進めていました。
2006年11月ネイチャー誌に発表された論文は
「ワイン・レスベラトロールは健康状態を改善し高カロリーを摂食している
マウスの寿命を延ばす」
(Resveratrol improves health and increases
survival of mice on a high-calorie diet)
細胞内の抗老化酵素(サーチュイン:sirtuins)は低カロリー食同様に
ワイン・レスベラトロール(resveratrol)によっても活性化することがピアーソン博士の
遺伝子レベル(genome-wide transcriptional profiles)の実験で証明されました。

13. 2008年:レスベラトロールがサーチュイン酵素を活性化し血糖値を下げる

2008年1月8日のウォールストリート・ジャーナル電子版はレスベラトロールによる
糖尿病治療薬実験の進展を伝えました。
記事はモルガン・チェース(J.P. Morgan Chase & Co)が後援する、
投資家を対象とした会議で発表されたレポートです。
レスベラトロールの効能を人間の実験において確認した最初の報告です。

2006年に行われた実験は98名の糖尿病患者を対象におこなわれ、67名には
レスベラトロールの治験薬(SRT501)を投与、31名には偽薬(プラセボ)を投与しました。
第一段階は僅か28日間の投与でしたが、SRT501に顕著な血糖値低下の効能が認められ、
プラセボ投与者には何の変化も見られませんでした。
結果が経口ブドウ糖負荷実験(oral glucose-tolerance test)での血糖値低下に限られ、
血漿ブドウ糖値(plasma glucose levels)を下げなかったことが特筆されています。
実験を主導したのは長寿の研究で知られるハーバード大学医学部のデービット・シンクレアー教授と
教授が創設者の一人となっているベンチャー企業のサートリス社でした。
(この件は1万件を超える報道がありましたが、同じ6月に大手製薬会社のグラクソスミスクラインによる
サートリス社買収が終結しています。
買収金額は開発途上の研究会社としては異例の約800億円でした)
*5年後にグラクソスミスクライン社は合成レスベラトロールの副作用問題が
解決できず、医薬品開発は暗礁に乗り上げています。

14. 2008年:ハーバード大学グループの実験に疑問を持つ学者らの台頭

レスベラトロール研究は過熱していましたが、この騒ぎに
疑問を呈する学者達からの研究が目に付くようになったのも2008年。
オーストラリアの大学よりハーバード大学の教授に転進してきた若いシンクレア―教授らの
医薬品開発やベンチャー企業設立の拙速姿勢に違和感があったとも言われます。

合成レスベラトロールを大量に投与するボストン近郊のグループの実験に対し、
合成レスベラトロールに疑問を呈しているグループは
「レスベラトロールは赤ワインの効能からスタートしている。ガンならともかく、
糖尿病、心臓障害などに大容量の合成品が必要なのだろうか?」
「2型糖尿病の医薬品開発ならば副作用が全く無い医薬品が求められる。
血糖値を下げるだけならば、これまでの医薬品で充分である。
新薬は副作用が無いことが大前提」
「合成レスベラトロールの大量投与は安全性が立証できない」などなどです。
天然レスベラトロールには優れた血糖降下作用がありましたが、反面、高濃度の医薬品として
合成レスベラトロールを投与した場合はグルコトランスポーター1型(GLUT1)が
大量に存在する脳、網膜(retina)、胎盤(placenta)、赤血球などに作用して、
組織が必要とする糖分まで低下させる危険性を示唆しています

15. 2008年:合成レスベラトロールの行き詰まりとウィスコンシン大学グループの実験

副作用による合成レスベラトロールの行き詰まりとともに、ボストングループの実験に
疑義を持った米国厚生省のサポートを基に、かねてより地道な疫学調査を続けていた
ウィスコンシン大学グループが天然のブドウ・レスベラトロールを使用した研究で
大きな成果を挙げたことが報道され、全米で大きな反響を呼びました。

実験のポイントは少量のレスベラトロールで長寿、肥満防止に大きな効果があること。
ウィスコンシン大学グループはサーチュインに関心が高いフロリダ大学と
協調して研究を進めていました。
フロリダ大学、ウィスコンシン大学の共同研究が解明したのは
カロリーを40%制限することで得られる長寿、老化防止の経路と
レスベラトロールがサーチュイン酵素を活性化させる経路とが
同じであったことでした。

「羽鳥慎一のモーニングショー」 長寿にはカロリー・リストリクションとレスベラトロール
2017年1月24日、火曜日朝の第5チャンネル 「羽鳥慎一のモーニングショー」が取り上げたのは カロリー・リストリクション(Caloric Restriction) 粗食で哺乳動物の寿命が約30%は伸びる(おそらく人類も)と、 アカゲザルで

 

(参照)
米ウィスコンシン大学は、生後間もない80匹以上の
アカゲザル(Macaca mulatta:ニホンザルに酷似)を28年間(2017年現在)も
飼育し続け、通常の食餌と30%減の食餌に分けた、グループ比較テストを現在も
続けています。
減食アカゲザルの優性結果を立証し、飢餓によるサーチュイン活性化の
疫学的証明をした最大拠点です。
反対勢力によりボストン・グループの旗色が悪くなった時期も、
ぶれずに独自にカロリー・リストリクションの有用性を信じ続けた姿勢は、
世界の専門機関や研究者から高く評価されています。
サルの飼育による実験は飼育専門家が必要となる困難で大掛かりな実験となりますが、
老化抑制、癌、心臓病など多くの疾病予防に様々な有用データを得ており、
幾つものインパクトのある論文を発表しています。

ブドウ糖は断食により8時間で全て枯渇するため、ブドウ糖の代替として
肝臓で脂肪酸が燃焼するときには脳にエネルギー源を供給するための
ケトン体(Ketone bodies:アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸)が作られます。
ケトン体は骨格筋や心臓や腎臓や脳など多くの臓器に運ばれ、これらの細胞のミトコンドリアで
代謝されブドウ糖に代わるエネルギー源として利用されます。
特に脳にとってはブドウ糖に代わる必須、唯一のエネルギー源です。
健康人の断食はサーチュイン活性化により免疫細胞を活性化、血管老化の抑制、
遺伝子損傷の修復など老化防止に様々なメリットがありますが、腎臓病、心臓病、糖尿病などで
栄養状態が悪い高齢者の断食は危険が伴うといわれます。
この実験はこの記事18項のNHKBSプレミアム 【美と若さの新常識】(2017年6月1日放送)でも
紹介されました。

16. 2008年:フロリダ大学・ウィスコンシン大学連合の実験方法

実験結果のポイントは「現実に近い分量のレスベラトロールの投与で
肥満防止と長寿に貢献できる」というものです。
グループの実験ターゲットは「レスベラトロール成分によって心臓、筋肉、脳の、
どの遺伝子が老化過程スイッチのオンオフに影響を与えているかを観察する」ことでした。

実験結果は少量の天然ブドウ・レスベラトロールの投与が、カロリー制限と同様に、
寿命に関する遺伝子経路(the same master genetic pathways related to aging)に働き、
肥満と心臓病を防げる、これにより生活の質を高め、長寿が達成できる、という
シンプルなものですが、遺伝子レベルで説明されたことがポイントです。
例を挙げれば、心臓だけで寿命に関与する遺伝子は1029もあるそうですが、
ラットの実験では食事制限により90%の遺伝子の老化を遅らすことが確認されていますが、
少量の天然レスベラトロールの服用では92%の遺伝子が老化しませんでした。

17. 2017年1月24日テレビ朝日:羽鳥慎一のモーニングショー

「羽鳥慎一のモーニングショー」 長寿にはカロリー・リストリクションとレスベラトロール
2017年1月24日、火曜日朝の第5チャンネル 「羽鳥慎一のモーニングショー」が取り上げたのは カロリー・リストリクション(Caloric Restriction) 粗食で哺乳動物の寿命が約30%は伸びる(おそらく人類も)と、 アカゲザルで

18. 2017年6月1 NHKBSプレミアム:「美と若さの新常識」

(放映時のテレビ局のコピー)
断食は体質改善のスイッチ 若返りの強い味方サーチュイン遺伝子
断食はダイエットのためにあらず、体質改善のスイッチがオンになるスゴイ効用があるらしい。
月1回断食をするモルモン教徒に驚きの効果
「断食の健康効果」は数値で測りにくいことから、これまで科学の研究の対象にならなかった。
ところが、2011年に米国心臓病学会で宗教上の理由から毎月断食をする
モルモン教徒の研究が発表された。
米国ユタ州は人口の6割をモルモン教徒が占める。
彼らは毎月最初の日曜日( Latter-Day Saints :LDS)に、24時間、水以外は口にしない断食を行う。
そこで、モルモン教徒と同じ町に暮らす一般住民との病気の
発症率を比べてみると、
モルモン教徒は心臓病の発症率が39%、
糖尿病は52%も低いことがわかった。

19. 2018年 9月2日BS-TBS:健康長寿情報番組「若返り医療最前線」を放映

医療新時代を開くナイアシン(NAD+ NMN)その5: 慶応大学医学部先端科学研究所の 若返り最先端医療情報
1. BS-TBSが報道した「若返り医療最前線」 9月2日のBS-TBSで放映された科学ミステリー「若返り医療最前線」は いくつかの例外を除けば先端的かつ公平な姿勢の健康長寿情報番組。 イントロダクションで島津製作所の田中耕一博士がアルツハ

健康長寿達成のキーワードを紹介
慢性炎症、
AGE、
テロメア、
サーチュイン遺伝子、
プラズマローゲン、
SB623

腎疾患と老化を促進するAGEと異性化糖
長寿社会の勝ち組となるには(その12): AGE(終末糖化産物)と異性化糖 1. 加工食品に溢れる異性化糖の安全性 スーパーやコンビニで清涼飲料、強精強壮ドリンク、スポーツドリンク、 乳酸飲料、ジュースの成分表示を見てください。 甘味料には

(参考)

サーチュイン

歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。 シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と一線を引く点では同じです。

 

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レスべはブドウ・レスベラトロールですがイタドリ由来のものや、医薬品目的に化学合成された合成レスベラトロールとは全く異なる物質。過剰摂取が不要ですから安全性や効能はブドウを食するのと同じです.
天然のブドウが持つブドウポリフェノール・レスベ:タマネギのケルセチン、CoQ10を配合し、天然ブドウ同様の日常的分量で大きな効果が期待でき、長期使用の安全性が確保されています.強い抗酸化作用は白い美肌作りにも最適.乳がん発現を阻害するブドウ・レスベラトロール

 

朝のすこやかな目覚めは病気知らずの健康のもと。「目覚めすっきりアサイーナ」
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