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糖尿病のニュースと解説

パーキンソン病の脳細胞回復にナイアシンが効果的

医療新時代を開くナイアシン(NAD+ NMN)その21. パーキンソン病治療とiPS細胞7月末(2018年)にパーキンソン病(Parkinson's disease)で冒された脳神経細胞をiPS細胞で再生する治療法の治験開始が報道されました。iPS細胞(人工多能性幹細胞)から神経伝達物質(ドーパミン)を産生する神経細胞を作り、パーキンソン病患者に移植する計画を推進しているのは山中伸弥博士グループの高橋淳京都大教授ら。この度世界初の治験計画にゴーサインがでたそうです。パーキンソン病は遺伝要因と環境、食生活など外来要因が複雑に絡み合うといわれる難病。発症、原因のパターンがいろいろあるようですから、脳神経細胞衰弱の本当の根本を発見し、根から絶たねば全面解決はできないでしょう根本原因究明には患者由来のiPS細胞を作り、ドーパミン産生ニューロンに分化させ、病態の再現が理想的。これにより薬剤の効果・毒性評価を含めて大きな進展が期待できるといわれてきました。今回はこの困難な患者由来のiPS細胞作成ではなく、着手しやすい他人細胞でiPS細胞を作り、治験を進めるということだそうです。iPS細胞が再生医療...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

臨床内科医師のつぶやき ヨーグルトと小腸細菌異常増殖(SIBO)

乳酸菌の医学的研究はメーカー主導が多く、正しい情報を伝えていないのが乳酸菌研究に先導的な役割を果たしている研究者達の悩みだそうです。いまだに「胃の関門を通り抜け、生きたまま腸に届く」「当社の飲料には乳酸菌がxxx億個」などの無意味な、それでも消費者受けをする宣伝文句が跋扈(ばっこ)。以下は地方都市市立病院内科部長である臨床内科医師のつぶやき東洋医学にも通じた学識の深さと診療は多くの患者から高い評価を受けています。1. お薦めしたい植物性乳酸菌大塚チルド食品が展開した「野菜の戦士 」という商品に興味を持っていましたがあまり売れなかったようです。日本人になじみ深い漬物の発酵菌の一つであるPediococcus pentosaceusを使った発酵食品で、ベースが乳製品ではなく植物原料、野菜、果物である点が特徴。(Lactobacillus brevisを使ったカゴメのラブレは乳製品を混ぜています)日本人にとって乳製品のメリットをいま一つ、納得していない私としては受け入れやすく、また、“植物性乳酸菌“という宣伝文句も目新しく、一般の方たちの乳酸菌、そしてヨーグルトなどについての誤った“常識”を...
健康と食品の解説

細胞老化と癌(その16): サーチュイン活性化物質スタック(STAC s)の発見

テロメア―とスタックとはエイジング(老化)と癌予防、治療は細胞染色体のテロメアと、酵素テロメラーゼのメカニズムを追求せずには不可能といわれる時代になりましたが、近年になり研究はさらに進化しています。テロメラーゼのメカニズムを(一部)解明し、テロメアの短縮(加齢などによる寿命の短縮)を阻止することにより長寿の達成に道を開いたのはハーバード大学、MIT大学の研究者ら.テロメラーゼをコントロールする物質を発見し、サーチュインと名付けましたが、テロメラーゼを活性化する物質として選ばれ、実験に使用されたのはレスベラトロールでした。数多の物質から最大の効果が得られるとして選ばれたレスベラトロールだけですが、スタック(STACs)と呼ばれるようになったサーチュイン活性化物質は、ブドウ・レスベラトロールを基に実験用の合成化合物が作られました。1. サーチュイン活性化物質スタック(STACs)の発見テロメラーゼの活性化に寄与するサーチュイン活性化物質(sirtuin activating compound:STACs)はバイオモル社のホーウィッツ博士とハーバード大学教授の生化学者シンクレア―博士により発...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

細胞老化と癌(その15): 線虫が予見した長寿達成と癌制御のメカニズム: インスリン受容体と線虫の突然変異体daf-2とdaf-16

癌と長寿をテーマに連載を続けていますが、難敵の癌を征服することは糖尿病、過剰免疫疾患を含めた様々な難病をも征服し、多くの人が願う健康長寿を達成することに繋がります。メカニズムが共通だからです。癌細胞の代謝による大量の活性酸素発生と好気的解糖(aerobic glycolysis)によって生じるグルコース(ブドウ糖)は、癌細胞の栄養素として癌細胞を増殖させていきます。このメカニズム追求が細胞内インスリンシグナル(この場合はグルコース代謝経路での情報伝達)の下流(伝達段階の先)で制御される遺伝子転写因子といえるタンパク質(FoxO1)の発見につながり、癌の転移、拡散、成長などの研究発展に繋がりましたが、糖尿病のメカニズム探究にも大きく貢献しています。1. なぜ線虫(Caenorhabditis elegans)の研究が必要か?寿命を縮めるテロメア短縮酵素を阻害する酵素のテロメラーゼを活性化させるサーチュイン関連物質の研究が長寿や癌の予防に最も重要ということに異論はほとんどなくなりました。しかしながら、サーチュインや類似物質の作動、活性化、消滅などの機序が全て解明されているわけではなく、まだ...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

なぜ精子のテロメアは長く、癌のそれは短い 現代テロメラーゼ研究の立役者はランゲ博士

1. テロメア(telomeres)研究期待の星はランゲ博士(Titia de Lange)先週ご報告したMIT大学のガレンテ博士らのナイアシンと*サーチュインに関する新たな報告は、オランダ出身のランゲ博士(Titia de Lange)の研究と人気が応援かつ支持する形になっています。*サーチュイン(sirtuins):NAD+依存性ヒストン脱アセチル化酵素(NAD+-dependent deacetylases)(sirtuin:silent mating type information regulation)発見したハーバード大学、MIT大学グループが名付けました.ランゲ博士はガレンテ博士らと同様にテロメア(telomeres)研究のオーソリティー。現在は癌と長寿に関与するテロメア探究の発祥地であるロックフェラー大学教授。ガレンテ博士らと異なるのはテロメア研究の切り口と志です。ランゲ博士のテロメア研究は、創薬を最終目的にする米国東部海岸のガレンテ博士らとは異なり食生活からテロメアの活性化をはかり、癌予防、長寿の達成が目的。そのためか、世界で最も著名で規模の大きい食品会社ネスレの役...
糖尿病のニュースと解説

医療新時代を開くナイアシン(NAD+ NMN)その1: ナイアシン(NAD+ NMN)がサーチュインとコラボレーション: 長寿と癌(がん)研究の新たな潮流
ナイアシン(NAD+ NMN)がサーチュインとコラボレーション: 長寿と癌(がん)研究の新たな潮流

1. アンチエージングに関わるNAD+, NMNはナイアシン(Niacin:NAM)が前駆体NAD+とは生体が摂取した食事の栄養分をエネルギーに転換する機能を持つ補酵素の略語。ニコチンアミド*・アデニン・2ヌクレオチド(Nicotinamide adenine dinucleotide )を指しますが、ほとんどの生物細胞に存在する分子。1906年ごろの古くに発見され、脂質代謝に関わる重要物質として知られていました。NAD+はナイアシン(Niacin)と総称されるニコチンアミド(nicotinamide:NAM)を前駆体として体内生成されます。哺乳類はビタミンB³の*ニコチンアミドを材料として、2段階の酵素反応を経てNAD+を生成する経路(biosynthetic pathway)を持っています。近年に新たなNAD+の機能メカニズム(作用機序)が解明され、NAD+中間代謝物の NMN:ニコチンアミドモノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide)NR:ニコチンアミドリボシド(nicotinamide riboside)を含めて長寿やがん(癌)の抑制に関わることが...
ブドウ・レスベラトロールのニュースと解説

NAD+ NMNがサーチュインとコラボレーション

医療新時代を開くNAD+ NMNその1:NAD+ NMNがサーチュインとコラボレーション: 今井真一郎博士らが長寿と癌(がん)研究に新たな潮流1. アンチエージングに関わるNAD+, NMNはナイアシン(Niacin:NAM)が前駆体NAD+とは生体が摂取した食事の栄養分をエネルギーに転換する機能を持つ補酵素の略語。ニコチンアミド*・アデニン・2ヌクレオチド(Nicotinamide adenine dinucleotide )を指しますが、ほとんどの生物細胞に存在する分子。1906年ごろの古くに発見され、脂質代謝に関わる重要物質として知られていました。NAD+はナイアシン(Niacin)と総称されるニコチンアミド(nicotinamide:NAM)を前駆体としてt体内生成されます。哺乳類はビタミンB³の*ニコチンアミドを材料として、2段階の酵素反応を経てNAD+を生成する経路(biosynthetic pathway)を持っています。近年に新たなNAD+の機能メカニズム(作用機序)が解明され、NAD+中間代謝物のNMN:ニコチンアミドモノヌクレオチド(nicotinamide mon...
トランス脂肪酸のニュースと解説

アクリルアミドは脳神経や生殖機能にも障害

細胞老化と癌(その12):健康寿命を延ばす若返り第6話:ポテトチップス、フレンチフライ、コーヒーなどのアクリルアミドの発がん性は脳神経や生殖機能にも障害アクリルアミド(Acrylamide)の発がん性は先進各国関係者による国際会議の危険性声明を受けて2002年10月31日に厚生労働省食品保健部が最初の警告.研究の進展に伴い、2005年、2010年、2014年と複数回の警告がありましたが、関連企業にしか理解されていなかった(伝わらなかった)ようです.アクリルアミド(Acrylamide)を発生する食材、食品を取り扱う企業、特に揚げたジャガイモを商品にしている企業や飲食業は10年間以上も対策を練ってきましたが、その間一般消費者のほとんどに真相が伝わっていなかったのでしょう.2016年2月の各社テレビ報道を観ると、解説するキャスターたち、街でインタビューを受ける人たちは一様にアクリルアミドの限りなく黒に近い毒性を理解できていなく、対応する知識がなかったのには驚かされました.2018年3月末にはカリフォルニア州上級裁判所から異例の命令が下りました(第2項参照)1.食品中に生成される有害物質のア...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第八十五話:「花見の歴史と名所・向島の今昔

我が国の「花見」の起源とされるのは、奈良時代の貴族による“梅を愛でる”もので、万葉集では「梅」を詠んだ歌が110首、当時から自生していた「桜」を詠んだのは43首に過ぎませんでした。ところが、平安時代になると、梅と桜が一挙に逆転しており、確かに古今和歌集を紐解くと「桜」を詠ったのが70首、「梅」を詠んだのは僅か18首と変じております。平安時代に嵯峨天皇が催した「花宴の節」が切っ掛けとなり9世紀末までには「花見」と言えば、”桜を愛でる“ことで、文字通り「花は桜のみ」を言い、他の花の鑑賞に関しては、梅見・観梅・菊見・藤見のように言う事が定着していったようです。なお「さくら」の語源には、古事記に登場する女神「コノハナサクヤヒメ」に由来するという説と、田の神様の宿る木の古語とする説があります。木の下に襟こそばゆき桜かな 服部嵐雪花に酔へり羽織着て刀指す女 松尾芭蕉その後鎌倉、室町の武士たちも貴族の風習「花見の宴」を受け継ぎ、中でも豊臣秀吉による吉野の桜見物と醍醐の花見などが歴史を飾っています。花見が庶民へと広がったのは18世紀、八代将軍吉宗が隅田川土手に百本の桜を本格的植栽し、並木の花見公園行楽...
世界の健康と食の安全ニュース

難聴を防ぐブドウ・レスべの特異的な抗炎症作用と抗酸化作用

長寿社会の勝ち組になるには(その27):難聴は生活習慣病、癌、認知症とならび加齢によるリスクが高い疾病ですが発症する年齢はさまざま。70才、80才を過ぎたら誰もが発症するわけでなく、半数以上は予防に気配りをして質の高い生活を堪能、満喫されている方々です。後天的な難聴、失聴は食生活に配慮し、難聴リスクを避けることにより、誰にでも予防策をとることができます。特に騒音性難聴は職業由来でなければ防げるものです。一旦重度の難聴になれば、日常生活の質(quality of life)が大幅に低下し健常者と較べれば何倍も何十倍も交通事故や天災の危険にさらされます。文中にご紹介しているミカエル・サイドマン博士によれば、騒音性難聴の大きなリスクファクタ-は長期的に騒音に曝されること。騒音は睡眠やコミュニケーション(会話など)の妨げにもなり、高血圧、高血糖、高脂血を誘導し心臓病リスクも高くなるそうです。1. 高齢化社会で難聴は世界的な社会問題WHOによれば世界で人口の約5%の推定4億6千6百万人が重度の難聴(hearing loss)または失聴(deafness)だそうですが、30数年後の2050年には9...
健康と食品の解説

内閣府が特定食品企業の「お先棒担ぎ?」 明治製菓の「脳の若さが蘇る」チョコレート騒動

1. 内閣府が管轄下プロジェクトの研究を発表1年後に撤回2018年3月9日の日経朝刊は内閣府の主要政策の一つ「*ImPACT」が昨年1月に明治製菓と共同発表した内容を撤回したと伝えました。撤回された内容は「カカオが多いブラック・チョコレートで脳が若返るだろう」実験手法などに問題がある未熟な内容のまま発表してしまったことを認めたもの。*ImPACT(Impulsing paradigm change through disruptive technologies program)ImPACTは総額550億円を計上している内閣府の「革新的研究開発推進プログラム」現在16のプログラムが進行中で、それぞれにプログラム・マネージャーを置き全面的な権限を与えていることが特徴的。発表が撤回されたテーマはNTTデータ経営研究所の山川義徳氏がプログラム・マネージャーを務める「認知症などの脳研究」の一環。明治製菓との共同研究の成果で「高カカオチョコレートの摂取前後で、*GM-BHQ(大脳皮質の量)が有意に増加した」と発表したもの。*GM-BHQのGMはGray Matterの略語で脳の神経細胞細胞体が存在...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第八十四話:「大潮の頃、汐干狩と渦潮見」

水もぬるんで季節も良くなってくると、人々が川辺や海辺へ戻ってきます。雛祭りも昔は水とは関係が深く、川や海に人形を流して穢れを捨てる儀式だったそうで、これと時を同じくして行うのが「汐干狩」でした。晩春のころ、潮の干満が最も大きい「大潮」となり、(秋の大潮では引き潮が深夜になるのに対し春は)早朝から潮が引き始め正午には干上がって、遠浅の海底が陸地と化すので、アサリ、ハマグリ、カニなどの貝類や甲殻類、海藻などを採って、実益を兼ねたレジャーを楽しんだようです。往時は、早起きして隣近所の人たちが集い、船を貸し切って沖まで繰り出し、そのまま潮の引くのを待ち、船から降り立ってカキやハマグリを拾い、砂中のヒラメやカニを掘り当て、少し海水を残した浅瀬では小魚を得て、船へ戻り宴会を楽しんだのだそうです。やがて潮が満ちて来て、海水が平底の船が浮き上がれば、元の船着き場へ戻るという算段なわけで、のんびりした楽しい一日の行楽行事でした。尤も、昭和の経済成長時代を経て、海浜工業地帯の開発や埋め立てによる商業施設や宅地造成が加速されて、遠浅の海浜がどんどん喪失されてしまって、近年は家族連れや会社の行事で潮干狩りを楽...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

細胞老化と癌(その10): 腫瘍抑制遺伝子(tumor suppressor genes): お薦めしたいP-53自己抗体定性検査

細胞が癌化すると、必然的にその活性を抑える抗体が発生し、免疫作用が働きます。胸腺免疫細胞(T細胞)、骨髄免疫細胞(B細胞)などとともに、もう一つ活躍するのが癌抑制遺伝子。ただこの抑制遺伝子は免疫細胞と同様に正負の作用を持ちますから、さらなる研究が必要です。ここで解説するP-53癌抑制遺伝子は抑制遺伝子と呼ばれる前は、癌化遺伝子(オンコジーン:oncogene)と呼ばれていた時期もありました。細胞の癌化ではP-53癌抑制遺伝子が急増していることが確認されていますが、当初は援軍なのか敵なのかが不明だったからです。癌抑制遺伝子は色々な種類が発見されていますが、特に癌の発現、進行とともに増加するP-53癌抑制遺伝子は広範囲な癌種に対し主として抑制に活躍します。したがって体内のP-53存在量を確認すれば癌を早期発見し、癌の進行程度が予測できますから、中高年の方々はP-53自己抗体定性検査をできるだけ早く実施されることをお薦めします。1. 癌の予防と長寿達成にはDNA結合制御タンパク質(ヒストン)のアセチル化DNAのたんぱく質構造であるクロマチン(chromatin)が、ストレス、環境悪化や発がん...
オメガ3脂肪酸のニュースと解説

シス型オメガ3脂肪酸がカルシウム非依存性の血管異常収縮を防ぐ: 高脂血症が関与する突然死。カベリオンとは

米国では毎年50万人を超える高脂血症患者が心血管病で死亡しており、リスクを除去する研究が盛ん。米国医学会会報(The Journal of the American Medical Association 2002)には「オメガ3が心血管病のリスクを大幅に軽減する」という、80000人を超える追跡調査報告などもあり青魚、鮭、サプリメントの摂食を推奨していますが、その作用メカニズム詳細は解明されていませんでした。高血圧、動脈硬化などに関係のない、突然の心筋梗塞、狭心症、脳卒中があります。すでに2003年ごろには、突然死にはカルシウム非依存性の血管異常収縮があり、それが高脂血で増加する細胞膜脂質の一つスフィンゴシルフォスフォリルコリン(sphingosylphosphorylcholine:SPC)の作用に起因するだろうという研究があり、注目を集めていました。この研究ではスフィンゴシルフォスフォリルコリンの活性を抑制する物質として青魚の魚油脂肪酸として著名なEPA(エイコサペンタエ酸:eicosapentaenoic acid)が同定されています。1.カルシウム非依存性異常収縮による突然死...
感染症の海外ニュースと解説

インフルエンザウィルス変異の常識は変化します :リアソータントウィルスとは

1.リアソータントウィルス(reassortant viruses)とはリアソータントウィルスと呼ばれるのは、哺乳類の体内に複数の型のウィルスが入り、合体して混血になることを指します。インフルエンザウィルス球形表面のスパイク(突起)群にある、二つの赤血球凝集素ヘマグルチニン(hemagglutinin:HA) とノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA)の双方か、どちらかが変異を起こして、サブタイプ(例H5からH9、N1からN2)が変わっているケース。*ウィルスタイプ表示例:A型スペイン風邪  A(H1N1)、A型香港風邪 A(H3N1)鳥インフルエンザウィルスの場合は(永らく)人間に感染しないとされていました。いつの頃からかヒトに直接感染するだろうと疑われ始めましたが、それは鳥感染ウィルスと人間感染ウィルスの双方のウィルスに感染する豚がウィルスをリアソータントさせる元凶となっているのではないか、といわれるようになりました。パンデミック(大流行)が恐れられるのは、このようにサブタイプが変異する場合で、原因不明な場合は、シフトと呼んで警戒しています。ドリフト(細かな株の変異)と...