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世界の健康と食の安全ニュース

偽装列島を健康に生き抜く知恵(4) 米国がサリドマイド上陸を阻止できたのは FDAのフランシス・ケルシー薬理学博士の英断

インフルエンザ、高血圧、糖尿病など需要の大きい市場には次々と新薬が開発されています。しかしながら難病といえない日常的な病に作用機序実績の無い新薬の投与は慎重であるべきで、徐々に広めていく必要があります。昭和から平成にかけての半世紀にサリドマイド薬害事件、スモン(キノホルム薬害)、薬害エイズ、ソリブジン薬害、薬害ヤコブ病、薬害C型肝炎、イレッサ薬害など信じられないような薬害が多発し、数多くの死者が出たことを忘れてはならないと思います。医薬品ならば安全で信頼できると信じてきた患者が、新薬の危険な副作用情報を知らされずに、どれだけ医薬品に苦しめられてきたか。国内で製造または輸入された医薬品が危険と判明しても、在庫を捌くまではその情報がいかに隠ぺいされてきたかは、年配で大病を患った人ならば誰でもが経験してきたことですが、次第に遠い過去になりつつあります。数々の事件を覚えている医療従事者はほとんどが高齢者となり、現場から離れています。医学が飛躍的に進歩している現在でも安全な医薬品はありません。この半世紀の薬害事件で死者が多発したのは製薬会社、医療機関、監督行政などによる人災が多かったということが...
糖尿病のニュースと解説

「鉄剤注射は肝腎を害し寿命を縮める」 

(まえがき)学生スポーツに蔓延する「鉄剤注射」の危険性非アルコール性脂肪性肝炎(ナッシュ:NASH)とは血中酸素供給量は赤血球のヘモグロビンを構成する鉄分を別途供給することにより増やすことが出来ます。血中酸素供給量増は持久力の必要なマラソンなどのタイムを短縮できることが知られていますが、肝臓、腎臓に蓄積していく鉄分の有害性は命に関わるほど危険です。2018年12月中旬になり、学生駅伝のランナーに半強制的に貧血治療用の医薬品である「鉄剤注射」を強いる指導者や医師が、スポーツドクターらに再警告されマスコミ(読売新聞)の話題となりました。学校の生徒募集促進や指導者ら自身の地位向上のためにNHKテレビなどで全国放送される「駅伝」「陸上競技」などは宣伝効果が抜群で利用価値の高いスポーツ。とはいえ、若いアスリートに減量を強い、栄養失調状態に追い打ちをかけるように高単位の「鉄剤注射」を強いることは肝臓、腎臓に大きなダメージを与え、早死にを促進する行為といえます。すでに2016年に日本陸上競技連盟が「健康を害する行為」として警告をしており、朝日新聞がドーピング類似行為として報道した時にはロハスケでもこ...
糖尿病のニュースと解説

腎疾患と老化を促進するAGEと異性化糖

長寿社会の勝ち組となるには(その12):AGE(終末糖化産物)と異性化糖1. 加工食品に溢れる異性化糖の安全性スーパーやコンビニで清涼飲料、強精強壮ドリンク、スポーツドリンク、乳酸飲料、ジュースの成分表示を見てください。甘味料には砂糖がほとんど使用されていません。飲み物ばかりではなく、様々な即席鍋汁や焼き肉のたれなども同様。砂糖を使用しているのは家内工業の手作りメーカーや販売量の少ない中小企業。大手のほとんどは人工甘味料か異性化糖(high-fructose corn syrup:HFCS)を使用。ラベルには「果糖ぶどう糖液糖」などいくつかの表現で示されています。健康被害の疑いが濃くなったアセスルファムK(acesulfame potassium)、アスパルテーム(aspartame)、L-ファニルアラニン化合物、サッカリンNaなど人工甘味料もいまだに使用されていますが、異性化糖が多くなっているのに驚かされるでしょう。酵素反応などで果糖(フルクトース)を異性化させたのが異性化糖ですが、天然果糖や砂糖とは本質が異なる合成果糖。体の錆(さび)といわれ老化の促進が容姿に如実に現れるAGE(終...
糖尿病のニュースと解説

継続的投薬による腎臓障害の多発

長寿社会の勝ち組となるには(その19):腎臓の認識を変えた赤血球増多因子(エポ)の発見:横綱が全て欠場し大関も複数が欠場している2018年の大相撲九州場所。筋肉質の関取が少なくなり、いわゆる肥満体のオンパレード。閉幕した今年のプロ野球リーグ戦は、MLBへの渡米組もふくめ、怪我での休養が目立ちましたが、相撲界同様に無理やり体重を増やしているような体形。プロ、アマを問わずスポーツ選手が合成アミノ酸の服用で筋力増強、体格改良に安易に取り組む風潮が影響し、痛めた腎臓による怪我の頻発に繋がっているのではと危惧しています。腎不全は筋肉、骨に大きな影響を与え、機能を阻害します。100年くらい前は150センチ、40キロ台が標準だった日本人ですから、欧米のコーカシアンと対等に戦うには肉体的ハンディが非常に大きいのは理解できますが、危険を承知のプロ選手はともかく、アマチュアが活躍できるのは一瞬ともいえる短期間。必要悪のプロ選手の模倣は危険です。合成アミノ酸の過剰摂取は医薬品過剰摂取同様に「腎不全」の大きなリスク・ファクター。悪化させたら回復が難しく、一生後悔することになります。1. 腎臓の認識を変えた赤血...
糖尿病のニュースと解説

一酸化窒素合成(NO)とサイクリックジーエムピー(GMP)の産生

文中のL-が無いシトルリンもすべてL-シトルリンのことです.ブドウ・レスベラトロールとL-シトルリンのコラボレーション1. 一酸化窒素(NO)と血管平滑筋の弛緩(シトルリンとブドウ・レスベラトロールの役割)体内に推定10万㎞もの長さで張り巡らされる血管を若々しく、しなやかにして血流を増大する最大の重要物質は一酸化窒素(NO)です。一酸化窒素は血管平滑筋を弛緩させるシグナル(情報)伝達物質のサイクリック・ジーエムピー(cGMP:環状グアノシン一燐酸)を活性化させることにより動脈硬化を防ぎ、心臓血管病や腎臓疾患、EDの予防、治療に主要な役割を果たします。一酸化窒素(NO)を化学的に合成する劇薬のニトログリセリンが心筋梗塞など血管内皮の一酸化窒素合成酵素を活性化させ、血管が梗塞した時に救急薬となるのは血管弛緩作用があるからです。この一連の作用機序にL-シトルリンとブドウ・レスベラトロールのコラボレーションが関わります。ノギボタニカルでは一酸化窒素(nitro oxygen:NO)の合成に関与するL-シトルリンとブドウ・レスベラトロールの役割解説を自動車のエンジンに例えています。シトルリンは燃...
世界の健康と食の安全ニュース

長寿社会の勝ち組となるには(その28) ビーポーレン!類例が無い、驚くべき多様な活性物質

1. ビーポーレンと花粉とは異なりますミツバチは採取した生花粉をそのまま食するわけではありません。巣(comb)の中に唾液とともに入れ、ハチミツで封入し保管しています。この作業により花粉が発酵し、付帯物質が様々な科学変化をおこします。それがミツバチのパン(bee bread)とも呼ばれるビーポーレンです。2. ビーポーレン(bee pollen)はミツバチが花粉で作る伝統医療食品ビーポーレン(bee pollen)は直訳すれば「ミツバチの花粉」ですがミツバチが草本類から採集した様々な物質が含まれています。「ミツバチと花粉」が正解かもしれません。ビーポーレンは欧州を中心に数千年来の歴史を持つ伝統医療薬品として珍重されてきました。強精、強壮のエネルギー増強が広く知られていますが、他に類例のないほど天然のビタミン類、ミネラル類に、数多くのポリフェノールやアミノ酸、脂肪酸などの有用物質が加えられており、疫学的に幅広い効能が示されています。近世の研究者によれば、ビーポーレンは強精、強壮ばかりでなく、あらゆる体の不具合に服用されてきた超能力生薬の歴史があるそうです。3. ビーポーレン(bee po...
トランス脂肪酸のニュースと解説

加工肉、食用肉の亜硝酸ナトリウムはトップクラスの発がん物質

加工肉の亜硝酸ナトリウムはトップクラスの発がん物質(WHO:IARC): 加工肉、食用肉の発がん性2015年は世界保健機構(WHO)の傘下組織である国際がん研究機関(IARC)が1965年にがん研究と、その広報を始めて50年の区切り。半世紀の節目記念なのでしょうか、10月中旬にIARCは「加工肉の発がん性を確認しリスク・リストのトップグループに分類した」と報告し、世界の食品業界、流通業界に強いインパクトをあたえています。なぜ日本人には癌死が多い?:淡泊な食事と予防に無関心1. 加工肉、食肉の発がん性に関する国際がん研究機関(IARC)の警告世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)が指摘したのはハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ、コーンビーフなどの加工肉と牛肉、豚肉、羊肉の発がん性。年間約3万5千人が死亡しているといわれます。IARCの結論は腸関連がん(colorectal cancer: bowel cancer) 発がんの危険性を指摘した800本以上といわれる論文、文献、疫学的調査など...
世界の健康と食の安全ニュース

長寿社会の勝ち組になるには(その25): ポテトのクロロゲン酸とポテトスープの健康度:アヒアコとヴィシーソワス

ナス科ナス属のジャガイモ(Solanum tuberosum L)は同じナス科に属するナス、トマト、トウガラシの近い親戚.花や果実は非常に似ています.すべて南米のアンデス高原あたりがルーツといわれます.1. 世界の二大ポテト(ジャガイモ)スープはアヒアコとヴィシーソワスジャガイモは玉ねぎと並んで、世界で大量消費されるチャンピオンクラスのスーパー健康食材.米国農務省では(手前味噌ながら)健康維持に必要な全てといえる成分がジャガイモとミルク(牛乳)を使用した料理メニューで得られ、その相性の良い味と健康度が抜群に優れていることを強調しています。「The US Department of Agriculture has statedthat “a diet of whole milk and potatoeswould supply almost all of the food elements necessaryfor the maintenance of the human body.”」ポテトとミルクを使用した主要料理はマッシュドポテト、ポテトグラタン、クラムチャウダー、ヴィシーソワスな...
感染症の海外ニュースと解説

ブドウレスベラトロールが免疫細胞強化のカテリシジンを活性化

ブドウレスベラトロールが防御する微生物感染症:ブドウレスベラトロールが免疫細胞強化ペプチドのカテリシジンを活性化1.カテリシジン(Cathelicidin;CAMP)を活性化させる化合物の探求研究者らのターゲットは白血球などの免疫細胞内に存在するカテリシジン(Cathelicidin)。バクテリア感染に対して鍵となる役割を果たし、最前線で侵入を防御する能力を持つヒトの抗微生物ペプチド(antimicrobial peptides)で、省略語ではCAMP(Cathelicidin antimicrobial peptides)と呼ばれています。カテリシジン(Cathelicidin)は当初、白血球の好中球(neutrophils)より分離されましたが以後多数の細胞より発見されています。たとえばバクテリア、ウィルス、カビ、ビタミンDホルモン様活性化物質の125-dihydroxyvitaminDなどに活性化された上皮系細胞(エピセリウム細胞:epithelial cells)やマクロファージ(貪食細胞:macrophages)のリソゾーム(lysosomes:細胞内小器官の一つ)などです。...
食在亜細亜:アジアの生鮮食材

アジアのヤシ食文化(1): アサイーの近縁クジャクヤシ(孔雀椰子)は強精強壮の生薬

日本人がイメージするアジアのヤシといえばココと通称される食用椰子の大きな実。ところがアジアのヤシ類は小さな実が房状に鈴なりなるのがほとんどで、ココヤシは珍しい部類。その成分は脂肪酸が主でミネラルは鉄分、カルシウムなど。食用の品種はごく限られますが、メジャーはココヤシとアブラヤシ。マイナーですが健康食品、代替医療として注目されるのがクジャクヤシとアサイーヤシ。中世から嗜好品となっているのが幻覚作用を持つといわれるビンロウ。最近の注目度ナンバーワンが細々と澱粉を利用されていたサゴヤシです。ヤシ類は熱帯地方を中心に2,500種以上あるといわれていますが、耐寒性のあるカンノンチク(観音竹:Rhapis excelsa)、シュロチク(棕櫚竹:Rhapis humilis)、トウ(籐:Calameae :rattan)もヤシ科(Arecaceae)。日本の温帯地域でも食用ばかりでなく、身近にたくさんの種類や交雑種を観ることができます。1.クジャクヤシ(Caryota urens L, Arecaceae)クジャクヤシ(Caryota urens L, Arecaceae)(サイヨーク:タイランド)...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

細胞老化と癌(その9): 本庶佑博士も苦慮? 加熱する富裕層ターゲットの新抗がん剤開発競争: 立ち上がったIT産業のビリオネア

富の集中が進み、超ビリオネア8人の所得が世界人口の半分を占める35億人の所得と同じ、といわれる世紀。残念ながら、癌(がん)を対象とする医薬品、医療開発は、富裕層目当ての抗がん新薬開発に狂奔するベンチャーと巨大製薬会社ばかり。癌(がん)など高度な、手間のかかる医療、医薬品は世界の資産家を数億人か、極端に言えば超富裕層の数百万人をターゲットにすればパフォーマンスの良い結果が得られるからでしょう。多くの先端治療研究者はこれらの高額バイオ医薬品が普及すれば世界経済が変わるほどのインパクトがあると指摘しています。日本では今回(2018年)ノーベル賞を授与された本庶佑博士、アリソン博士らのモノクローナル抗体によるがん治療法が実用化で先行しています。1992年から1999年に京都大学の本庶 佑博士(ほんじょ・たすく)らの研究グル―プが*PD-1 (Programmed cell death 1)を発見したことにより、関係者らは抗PD-1 モノクローナル抗体(Monoclonal antibodies:mAb) の開発に着手。がん治療はモノクロナール抗体療法では困難といわれ続けた世評を打破する新薬開発...
糖尿病のニュースと解説

医療新時代を開くナイアシン(NAD+ NMN)その5: 慶応大学医学部先端科学研究所の 若返り最先端医療情報
慶応大学医学部先端科学研究所の 若返り最先端医療情報

1. BS-TBSが報道した「若返り医療最前線」9月2日のBS-TBSで放映された科学ミステリー「若返り医療最前線」はいくつかの例外を除けば先端的かつ公平な姿勢の健康長寿情報番組。イントロダクションで島津製作所の田中耕一博士がアルツハイマー、認知症をわずかな血液で簡単に検知できる最新システムを紹介し、先端医学情報番組を演出。女優の真矢ミキさんが山形県鶴岡市の慶応大学医学部先端科学研究所を訪れコーディネーターとなった富田勝教授が健康長寿の最先端研究を明かす演出でした。また「百寿者総合研究センター」の広瀬信義特別招聘教授の現場取材を紹介。広瀬教授は2018年には7万人にせまる百寿者(センテナリアン:100歳以上)と10,000人が目前となった超百寿者(スーパーセンテナリアン:105歳以上)の実態調査がライフワーク。約800人をターゲットに疫学的分析により長寿の秘密を探る取材をしています。慶応大学医学部先端科学研究所の研究ターゲットは予防医療が主というスタンス。来年末には100才以上の高齢者が10万人超えとなる高齢者社会には天井知らずの医療保険財政支出に歯止めをかける健康長寿社会の早期確立が...
健康と食品の解説

医療新時代を開くナイアシン(NAD+ NMN)その4: ナイアシンとサーチュインがコラボする体内時計正常化
ナイアシンとサーチュインがコラボする体内時計正常化

1. 規則正しい生活リズムが作る明晰な頭脳と健康な体今では一部かもしれませんが、半世紀前はどこの学校や家庭でも「規則正しい生活リズムを持ちましょう」と教えていたそうです。これは毎日、(出来得る限り)同じ時間に食事、就寝、起床、運動、勉強などを実行することを薦めたもの。「規則正しい生活リズム」が病気に強い健康な体、明晰(めいせき)な頭脳を作ることは、古くから疫学的、体験的に知られていた体内時計の効能です。体内時計周期(サーカディアン・リズム)の不調は不眠、鬱(うつ)などの神経疾患、肥満、生活習慣病、癌の発症まで引き起こすと診られていましたがその仕組解明は困難な作業でした。2. 体内時計(biological clock)を分子レベルで解明約15年前にこの難関を突破したのが現ロックフェラー大学のヤング博士(Michael W. Young)ら。ヤング博士らは体内時計を機能させる遺伝子(Period:per)のクローニングに初めて成功し、分子レベルの作用機序解明、下記論文を発表しました(動物実験)。「Molecular genetics of a biological clock in Dr...
トランス脂肪酸のニュースと解説

医療新時代を開くナイアシン(NAD+ NMN)その3: 男性型脱毛症(AGA)は ナイアシンでプロスタグランディンD2の制御 ?
男性型脱毛症(AGA)は ナイアシンでプロスタグランディンD2の制御 ?

1. 薄毛、男性型脱毛症(AGA)などにナイアシンとプロスタグランディンD2拮抗薬数年前から、薄毛、男性型脱毛症(androgenetic alopecia:AGA)などの毛髪トラブルにナイアシン(ビタミンB³)や、ある種((PGD2)のプロスタグランディン受容体拮抗薬が効果的との評判が広まり、副作用に疑心暗鬼ながらも利用する人たちが絶えないようです。ナイアシン(VB³)は人体の生化学的経路のほとんどに関与しているといわれ、様々な健康効果を得るための酵素反応に関わる補酵素の王様です。スーパーな働きをするだろうことは疑う余地がありませんが、それだけに過剰摂取の副作用もスーパー。ナイアシン(VB³)の優れた補酵素の働きはエネルギー代謝を行うミトコンドリアで顕著です。それ故、医療分野でのナイアシンは主として脂肪酸代謝機能改善に使用されていますが、欧米では5年ほど前から、肥満予防、解消にサプリメントで過剰摂取する人が急増。重篤な副作用が問題となっています。ナイアシン(VB³)解説は下記に「ナイアシン(NAD+ NMN)がサーチュインとコラボレーション:長寿と癌(がん)研究の新たな潮流 」 2....
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

医療新時代を開くNAD+ NMNその2 「脳神経変性疾患(パーキンソン病など)の損傷した脳細胞回復に NAD+ NMNが効果的」
「脳神経変性疾患(パーキンソン病など)の損傷した脳細胞回復に NAD+ NMNが効果的」

1. パーキンソン病治療とiPS細胞7月末(2018年)にパーキンソン病(Parkinson's disease)で冒された脳神経細胞をiPS細胞で再生する治療法の治験開始が報道されました。iPS細胞(人工多能性幹細胞)から神経伝達物質(ドーパミン)を産生する神経細胞を作り、パーキンソン病患者に移植する計画を推進しているのは山中伸弥博士グループの高橋淳京都大教授ら。この度世界初の治験計画にゴーサインがでたそうです。パーキンソン病は遺伝要因と環境、食生活など外来要因が複雑に絡み合うといわれる難病。発症、原因のパターンがいろいろあるようですから、脳神経細胞衰弱の本当の根本を発見し、根から絶たねば全面解決はできないでしょう根本原因究明には患者由来のiPS細胞を作り、ドーパミン産生ニューロンに分化させ、病態の再現が理想的。これにより薬剤の効果・毒性評価を含めて大きな進展が期待できるといわれてきました。今回はこの困難な患者由来のiPS細胞作成ではなく、着手しやすい他人細胞でiPS細胞を作り、治験を進めるということだそうです。iPS細胞が再生医療に役立つには、最低でも数十年の長い月日が(現段階では...