偽装列島を健康に生き抜く知恵(4) 米国がサリドマイド上陸を阻止できたのは FDAのフランシス・ケルシー薬理学博士の英断
インフルエンザ、高血圧、糖尿病など需要の大きい市場には次々と新薬が開発されています。しかしながら難病といえない日常的な病に作用機序実績の無い新薬の投与は慎重であるべきで、徐々に広めていく必要があります。昭和から平成にかけての半世紀にサリドマイド薬害事件、スモン(キノホルム薬害)、薬害エイズ、ソリブジン薬害、薬害ヤコブ病、薬害C型肝炎、イレッサ薬害など信じられないような薬害が多発し、数多くの死者が出たことを忘れてはならないと思います。医薬品ならば安全で信頼できると信じてきた患者が、新薬の危険な副作用情報を知らされずに、どれだけ医薬品に苦しめられてきたか。国内で製造または輸入された医薬品が危険と判明しても、在庫を捌くまではその情報がいかに隠ぺいされてきたかは、年配で大病を患った人ならば誰でもが経験してきたことですが、次第に遠い過去になりつつあります。数々の事件を覚えている医療従事者はほとんどが高齢者となり、現場から離れています。医学が飛躍的に進歩している現在でも安全な医薬品はありません。この半世紀の薬害事件で死者が多発したのは製薬会社、医療機関、監督行政などによる人災が多かったということが...