loader image
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十八話:マスコミが報道する「産業の空洞化」のアンチテーゼ

■商業への回帰本稿ではマスコミ報道のアンチテーゼに挑んでみたいと思います。数十年来、盛んに危機感があおられている「産業の空洞化」についてです。その前に、産業革命以後の世界の経済をざっと振り返ってみますと、まず職人気質、すなわち科学技術主導の工業化が国冨を蓄積し、いわゆる先進諸国にリーダーシップをもたらせました。その延長線上で、軍需産業の進捗が核の脅威を生み、それが東西冷戦の終結へと向かいました。その後は、共産主義経済圏の資本主義・自由経済圏への参画によって、分断され偏在していた交易市場が、一挙に全世界へと拡大。それとともに、宇宙産業の民営化から生まれたIT技術が金融工学と結びついて、世界の人・モノ・カネが、加速度的な勢いで巨大な移動と交流を生み出す結果となっております。今、世界はグローバル経済時代に入っていますが、実はその本質は「商業への回帰」であるように思えます。古代返りというべきか、パラダイムの逆転が起こりつつあるのです。筆者が世界に向けてマーケティングに取組んだ頃、先輩たちから「商人道を学ぶなら、〝チャ・イン・パキ、イラ・イラ・レバ・シリ、ジュウ・トルコ〟(華僑、インド人、パキス...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

火山灰(岩)による健康被害: ガラス質の粉塵にさらされた人が中皮腫に関して12の質問
ガラス質の粉塵にさらされた人が中皮腫に関して12の質問

御嶽山噴火は火山弾による被害が大きく、未曽有の惨事となりましたが、火山灰を吸引した被災者や火山灰影響下にある住民が注意しなければならないのは塵肺(じんぱい)、珪肺(けいはい:シリコーシス)と呼ばれる疾患。アスベストによる石綿肺(アスベストーシス)の親戚です。これらは火山岩の石英など微細なミネラル成分が肺気管の様々な場所に突き刺さることによって引き起こされますが、通常は発症までに信じられないほどの時間がかかります。定期健診で異常の早期発見が出来れば切除によって治療できますが、放置すれば治療法がありません。ケベック州ブラックレイク(black lake:カナダ)のアスベスト鉱山.ケベック州ブラックレイク(black lake:カナダ)のアスベスト鉱山展望台.鉱山を見渡す展望台は外来の入場も可.1.どのような職業に従事した人が胸膜中皮腫(mesothelioma)を注意すべき?火山岩系石材や石炭の切り出し、掘削、加工、施工などに従事した人が主としてケイ素を主体とした石英、長石などガラス質の粉塵で罹病するのが「けい肺(silicosis):塵肺」火山岩の一種が繊維状に堆積したアスベストの掘削、...
糖尿病のニュースと解説

サソリの蛍光物質に強精強壮効果が?

チャイニーズ・ゴールデン・スコーピオン(北京のレストラン)(Chinese golden scorpion:Mesobuthus martensii)サソリは節足動物.8本脚を持ち、カニの親戚.ゴールデン・スコーピオンは中国で養殖され、北京はじめ各地で食べられています。1.アジアのサソリ(蠍、蝎)食文化東南アジアでは中国系を中心にサソリが食材、漢方薬として広く養殖されており都会や郊外の多くの街で手軽に入手できます。街の屋台では強精効果が期待されているヒトデ、タツノオトシゴなどとともに串に刺した焼きサソリ、揚げサソリが売られ、市場ではサソリがヘビやタツノオトシゴ、ヒトデなどとともに蒸留酒に漬けられて売られています。漢方薬の全蝎(ぜんかつ)はキョクトウサソリ科(Buthidae )のアジアサソリ(Asian scorpion:Buthus martensii Karsch)が主。中国の中北部や朝鮮に生息し、毒性は弱いといわれます。キョクトウサソリ科(Buthidae )は種類が多く、毒性は強弱様々なようです。アジアサソリ(Asian scorpion:Buthus martensii Ka...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十七話:日本が「21世紀の世界」を変えていく: 「長寿」「神話的美徳」「最先端技術」有する日本の可能性

■大量生産・大量消費→有限・閉塞20世紀までは、世界がある程度無限に拡大してゆくといった考え方を前提として、環境負荷に気を留めることもなく、大量生産、大量消費社会が先進的とされてきました。ところが、21世紀を迎える寸前あたりから、新興国や発展途上国もが、この路線を踏襲した結果、世界にモノがあふれはじめ、環境破壊が問題化し、今や世界には早急に取り組むべき課題が山積し、地球の有限性が実感されるようになっております。米欧日・先進国全体が活力を失い、国民も閉塞感と不安感に押しつぶされそうな雲行きを呈し始めているのです。そこで、次の世代の社会像を提示・実行することで、同じ課題に遭遇する世界各国に対して、新たなる先進性を具象化することこそ、日本が取るべき道であり、またそのチャンスはかなり大きいと考えます。■日本に豊富にある「都市鉱山」資源人工物を大量生産して、先進国から新興国へ、新興国から発展途上国へと無限に普及拡大する発展モデルを脱し、「世界は有限」の想定下でさらなる有効需要を創造してゆくという転換を図るためには、工業化社会が生み出した負の側面をどう克服するかにかかっているといえます。中でも重要...
感染症の海外ニュースと解説

エボラ出血熱の次は致死率90%のマーブルグ出血熱?: 資源開発が招く風土病の感染拡大化

西アフリカでエボラ出血熱が短期間これまで10年間の感染例、死者を上回る死者2,000人を超えるブレイク(2014年9月初)をして騒ぎとなっていますが、同じ西アフリカにはエボラの親戚ともいえるマーブルグ出血熱(Marburg haemorrhagic fever)があります。マーブルグ出血熱はエボラ出血熱と同じフィロウィルス科(Filoviridae)。1967年にウィルスが最初に同定されたのが大学都市のマーブルグ市(ドイツ)。以来、その名がついていますが、アフリカの風土病といえる人獣共通感染症。コウモリ、サルなどから感染すると考えられています。エボラ出血熱と同様に散発的に発生すると考えられていましたが2005年に西アフリカ南部のアンゴラ共和国(República de Angola)ウィジェ州(Uige)でブレイクした事例以来、汚染地のケニア、コンゴ、南アフリカなど関係各国は警戒を強めています。日本では1類感染症に指定されています。アンゴラ共和国は16世紀から19世紀に南米やカリブ海沿岸諸国へ奴隷を300万人以上も供給した国。人口は約2,100万人。近年は内乱と独立戦争が絶えず、国土は...
世界の健康と食の安全ニュース

デング熱から身を護る: 殺虫剤の生態系破壊に日米の思想相違が

精油が蚊の忌避剤(repellent)となるレモンユーカリ(Lemon Eucaly:Corymbia citriodora)(オークランド動物園:NZ)デング熱脳炎騒動は関係者によれば大陸や熱帯の感染症へ日本人が関心を持つようになった良い機会だったそうです。デング熱脳炎は遺伝子型にもよりますが、発症程度は免疫力、抵抗力により様々。医療機関の世話にならない軽症や全く発症しない人がたくさんいます。デング熱脳炎の知識が普及していなかったために、すでに症状不顕在の感染者が全国にウィルスをまき散らしてしまった可能性を否定できません。定着する(していた)可能性が高くなりましたから、蚊の駆除と、刺されない工夫がすべての国民に必要な状態となりました。デング熱はやや症状が重くなる3型が世界各国で急増中といわれますが、蚊が媒介するウェストナイルウィルス対策に注力する米国の防御策は色々な意味で世界をリードしています。感染症に負けない体づくり.免疫力強化には天然のブドウレスベラトロールが最適.(この記事の商品写真は2014年8月にテキサス州ヒューストン在のサルバトーレ松波さんが取材したものです)。1.米国と...
感染症の海外ニュースと解説

フランスを悩ます蚊が媒介するチクングニア熱: 仏領レユニオン島のパンデミック

WHOの蚊撲滅キャンペーン・シンボル1.フランスが恐れるチクングニア・ウィルスの強毒性変異2006年に鳥インフルエンザが広がり始めた頃、フランスはもう一つの感染症に悩まされていました。それはアフリカ南部のフランス領レユニオン島(La Réunion)に蔓延していたチクングニア熱。蚊が媒介するトガウィルス科です。知名度の高い蚊が媒介するフィラビウィルス科はデング熱、ウェストナイルウィルス、日本脳炎を紹介しましたが、もう一つのトガウィルス科はフィラビウィルス科に分類する学者がいるほど類似性、共通点を持ちます。 チクングニア熱はフランスからは遠隔地アフリカ南部の風土病。致死率が低かったために、話題になることが多くはありませんでした。2006年のブレイクでは致死率が高くなり死亡者が増え始めたのと、パリなどフランス本土に帰国した国民の一部が感染していることがわかり、強毒性変異かと騒ぎが広がりました。世論にせかされたドミニク・ド・ ヴィルパン首相(Mr Dominique de Villepin)は現地を視察。レユニオン島の破滅的なパンデミック(大流行)を救済するために救援軍隊を派遣。総額110億...
感染症の海外ニュースと解説

アメリカを悩ますダニ由来のライム病: 温帯地域はダニ、シラミ、ノミによる感染症が要注意

1.ダニ、シラミ、ノミによる感染症5月から10月の温帯地域は蚊や蚤(ノミ)、虱(シラミ)、ダニが活躍するシーズン。ダニに関しては野外のSFTSV(マダニ・ウィルス)による重症熱性血小板減少症候群が日本でも有名になりましたが、世界の温帯地域にはダニ、シラミ、ノミによる感染症が少なくありません。特にげっ歯類や犬猫、鹿などの小動物と接する人はダニや蚤(ノミ)、虱(シラミ)が媒介する感染症の危険にさらされます。アメリカを悩ますダニ感染症で代表的なのがライム病(Lyme disease:Borrelia burgdorferi)。病原性微生物が緩やかな螺旋をもつスピロヘータ科の微生物ですが、同科には他にも有名な梅毒、ピンタ、回帰熱、ワイル病などがあります。ワイル病(Weil:Leptospira interrogans)はスピロヘータ科レプトスピラ属 (Leptospira)。かって日本の著名な医学研究者野口英世博士が黄熱病の同類と判定したほど性格が似ています。黄熱病は蚊が媒介するデング熱同様のフラビウィルス科の感染症です。2.米国CDCがライム病の増加に警告2007年6月17日に米国厚生省傘下...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十六話:エボラ出血熱で露呈した西アフリカの資源ラッシュと疫病リスク

西アフリカのガーナ、コートジボワール、リベリア、ギニア、シェラレオネなどの群小国では、今世紀に入って次々と資源が発見されて、中国・インドを先頭に欧米系を含めた資源権益獲得競争が激化して来ました。そうした外国人参入者の急増が起爆剤となったのか、それともインフラ未整備、内戦続発など政情不安がエイズ、エボラ出血熱、黄熱病などの疫病対策の遅れを生んだのか、此処へ来て、致死率が90~50%と特に高い「エボラ出血熱」の感染者の拡大から、四か国で「非常事態宣言」の発令を余儀なくされるに至っております。ところで、アフリカ大陸と南アメリカ大陸は、大西洋を挟んで離れてはおりますが、太古の昔、両大陸はひとつだったそうで、マントル対流による大陸移動で分裂した際の、分かれ目同士であることは、具に地図を見比べると良く分かります。従って両者には資源埋蔵の共通性が認められ、内陸の石油、天然ガス・石炭や高品位鉄鉱石から、金・銅および副産物のコバルト、ニッケルまで、そして沖合の深海開発でも大型油田が多数見つかっており、西アフリカ一帯が、大資源国ブラジルの再来とも、第二のブラジルとも呼ばれるようになって来ました。かつての植...
ジョージ大町の湘南鎌倉ライフ

金時山登山で今年も体力OK!:神奈川県足柄下郡箱根町

晴れた日に明神ヶ岳から富士山を背景にした金時山を見る神奈川県箱根外輪山のひとつ金時山は標高1212mで最近のシニア、女性の山登りブームの中で手ごろな対象として人気がある。わたしも10年以上前から毎年真夏の8月に登っている。湘南から近く半日で登ってこれる手軽さ、それでいてかなり険しい個所もあってタフな山であるが登り切って見る頂上からの富士山や芦ノ湖の景色は素晴らしい。私にとっては毎年の健康診断の一環の猛暑体力テストでもある。そんな金時山登山にいつからか家内や義理の姉など同調して毎夏恒例のにぎやかなアウティングになった。金時山頂から見た仙石原と芦ノ湖金時山登山はいろいろなルートがあるが我々のルートは仙石原の金時神社からスタートする。ここが標高約600mであるから登りは600m.。といっても馬鹿にできない勾配。金時神社にお参りして安全を祈ってから記念撮影を終わればさあ本番の登山開始。ヒノキ林の中を金時宿り石までが第1クール。視界が開けて仙石原が一望できる明神ヶ岳への分岐点までが第2クール。そして急こう配の頂上アタック第3クールと続く。標準時間約1時間だがわれわれは・・・まあいいだろう。まだか...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十五話:中東の支離滅裂を招いたオバマ米国外交

米国が警察官を辞めた世界は、ウクライナであれ、南シナ海であれ、世界の秩序があちこちで崩壊しておりますが、なかでも中東における国際テロは、アルカイーダから派生したISIS(イラク・シリアのイスラム国)というイスラム教スンニ派の過激武装勢力によるイラク北西部制圧とバグダッド進撃で、ついに米政府要員、大使館、領事館が脅かされるに至りました。しびれを切らした米議会は、これまで軍事行動を頑なに拒絶してきたオバマを焚き付け、ついに限定的とはいえ空爆実施に踏み切らせることとなりました。イスラエルによるガザ空爆も目下停戦中でハマスとの折衝下にあると言えども、先行きの和平は期待できそうもありません。これも、パレスチナ問題から手を引いたオバマ外交に痺れを切らしたイスラエルの自衛戦に端を発しており、戦乱の中東ドミノ倒しは、ますます広がりそうな雲行きです。ISISによる国境を越えた支配地域の拡大策と勢力膨張は、シリア、イランに跨るだけに留まらず、これまで比較的に安定していたヨルダン、レバノンなど、キリスト教徒も多く住む諸国にも押し寄せ、“肥沃な三日月地帯”と言われる古代メソポタミア地域一帯の液状化を加速させて...
感染症の海外ニュースと解説

エボラ出血熱感染者をタバコのニコチンが救う?: 西アフリカのブレイクに未承認血清を試験使用

若者に蔓延する脱法ドラッグ、危険ドラッグ吸飲による犯罪急増で植物アルカロイドの功罪が話題となっていますが、今度はナス科タバコ(Nicotiana tabacum)のニコチン・アルカロイドが善玉として脚光を浴びています。ニコチンといえば習慣性があり中毒を連想する悪玉アルカロイドの代表ですが西アフリカでブレイクしているエボラ出血熱(Ebola virus)の抗体療法に試験使用され大きな成果を収めたようです。血清を使用したのはエボラに現地感染。急遽帰国後にアトランタで治療中の米国人男女の医者と助手。エボラ出血熱は1976年に発見されてからの35年間で確認されている死者が1,600人くらい。感染症としてはごくマイナーでした。それが、今回のエボラ出血熱ブレイクは1年足らずの短期間で感染者1,800人弱。死者はすでに1,000人を超え、致死率が6割強。(*2014年9月末は感染者が7,000人を超え、死亡者は4,000人弱.毎月ごとに倍増していますから6か月以内に100万人を超えると予想されています)これまでは接触感染、飛沫感染が主のようで、感染地域もアフリカに限定されていますが現場で活動していた...
世界を魅了する食材

スパニッシュバスクのウナギ稚魚料理: 伝統食文化を守る魚のすり身

フランスの至宝ビアリッツ・リゾート(Biarritz)フランスが自他ともに世界一と認める「食と観光」を日本にレポートしているマリー・セシルさん。2014年の夏休み一回目の家族旅行は大西洋に面したバスク地方(Basque)のビアリッツ(Biarritz)とサンセバスチャン(Sebastian:Donostia)スペイン語、フランス語、英語、バスク語が入り乱れ、不慣れな観光客には戸惑いが多い地方ですが、観光立国を目指す国のあるべき姿をレポートしてくれました。バスクのバールで経験したメニュー説明の入念な気配り。個々の宗教、健康に必要な情報です。数多いメニューですから事情の分からない観光客を誤解させない、結果的に騙す(だます)ようなことがないよう配慮されていました。これは国際的な観光客を迎える業者の最低限のマナー。食の偽装、詐称が当たり前のような日本人、中国人はなぜスペインが来客5,000万人を超える観光大国なのかを見習うべきでしょう。サンセバスチャン・ビーチ(Sebastian:Donostia).一見穏やかなビーチには名物の砂嵐が襲来します。1.サンセバスチャン(Sebastian:Don...
世界の健康と食の安全ニュース

絶えることのない中国産魚類の発ガン物質汚染: 中国産ウナギが信用できないわけ

1. 日米で中国産うなぎ汚染問題が再燃湘南で推奨できる鰻かば焼きの店はごく小規模なファミリー経営だけ.割きたての活きと焼きが勝負ですから規模が大きくては調理できません。鰻かば焼きの名店は「大磯国よし」、「鎌倉つるや」、「鵠沼うな平」2007年の土用一の丑は7月30日でした。(2004年は7月29日)うなぎ屋さんのかきいれどきですが、日米で中国産うなぎから発がん性がある違法抗菌剤が検出され、騒ぎとなった日でもあります。中国産の蒲焼、白焼きは現在でも日本の加工用うなぎ市場の大部分を占め、スーパー、魚屋等で販売されるばかりでなく、一般のウナギ屋さん、外食チェーン、お惣菜屋さんのうなぎ弁当、ゴルフ場などのうなぎメニューには無くてはならない素材。やむなく土用を前に輸入されたうなぎには差し止め品が多発しましたが、米国行政府の摘発まで日本の監督官庁は消費者を無視した企業サイドのスタンス。安全確保に頬かむりをしていたことが改めて浮き彫りになりました。2000年ごろより繰り返し話題となってきた中国産食品、食材の薬品汚染ですが、2007年の養殖魚の汚染問題は中国系移民が急増するカナダ、米国が火をつけたこと...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十四話:「中国とは謝絶せよ 」

百有余年前、福沢諭吉は「清と朝鮮は“アジア東方の悪友”であるからして、“謝絶”するものなり」と明治日本へ警鐘を鳴らしましたが、この提言は極めて意味深長で、且つ現実味を帯びて、現今の我々にも深く考えさせる滋味を含んで居ります。今般、またも大手流通企業が、中国食品欺瞞に見舞われましたが、低価格だけを追って、“安物買いの銭失い”の愚を繰り返すのは、いい加減にして欲しいものです。既に世界の常識となっていることですが、中国人でも政官財各界人をはじめ、高所得者層は、「日本産食品を主に、少なくとも高級欧米産品しか口にしない。仮に欧米ブランドでも中国産品は一切買わない。」と言われて久しいのにも拘わらず、業者であれ、消費者であれ、「中国製食品」に関して根本的警戒心欠損としか思えません。千数百年来、中国には「羊頭狗肉」という言葉があるように、今も肉加工品にネズミ、キツネ、イタチなどを混ぜるのは頻繁だし、ベビーフードや粉ミルクに化学物質を混入させ、自国は勿論、米国の赤ちゃんにまで多くの病死をもたらしたことなどに鑑みても、中国リスクは甘い規制や審査の網の目など、やすやすと潜り抜けているのです。危険性は、食のみ...