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危険ハーブ、覚醒剤、麻薬

キラー・ドラッグの2C-B NBOMeとは

覚醒剤で極度に錯乱した若者による重大な交通事故や殺人、傷害事件が多発するようになりましたが、その背景はドラッグ取引価格の急騰により、粗悪で毒性の強い格安代替品の蔓延。各国が年々覚醒剤の取締りを一段と強化し、これまでの覚醒剤供給量が細っているからです。1.エヌ・ボーム(NBOMe)とはエヌ・ボーム(NBOMe)は本来メトキシベンジル(N-methoxybenzyl.)を指しますが、一般的にNBOMeと呼ぶときは様々なタイプのNBOMe入り覚醒剤を指すようです。その中で最も一般的なのがシュルガン博士(Dr Alexander Shulgin.)が発見したフェネチルアミン2C系幻覚剤(2c family of phenethylamine psychedelics).このファミリーの一つ2C-Bはエクスタシー(MDMA)の代替品として1990年代に一般的になったものです。この派生品には25B-NBOMe.、25I-NBOMe 、25C-NBOMeなどがあります。NBOMe自体は禁止されていない国が多いようですがネットなどで公然と売られているデザイナース・ドラッグには禁止されている2C系と構造...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第三十二話:「欲望丸出し中国・欧米企業「拝金主義」は曲がり角」 〝サムライ資本主義〟が世界をリードする

■金融資本主義から公益資本主義へアダム スミスが「国富論」を書いて「神の見えざる手」という表現を用いた背景には、深い人間理解があったと言われております。すなわち、人間には誰しも〝弱く愚かな人間〟と〝強くて賢い人間〟という二律背反する資質があって、前者が突出してしまうと、他の人のことなどよく考えずに短絡的な欲望に走ってしまうが、一方で後者が前面に出てくることでそのバランスをとることができる|というわけです。ある意味、産業革命以降の欧米先導の世界は、モノの豊かさを追い求めることにとらわれすぎて、株主資本主義と市場経済万能主義が合体して「金融資本主義」に行き着いてしまったように思われます。欧米や中華系資本家に代表される、いわゆる「モメンタムプレイヤー」と呼ばれるヘッジファンドやアクティビスト(物言う投資家)、今流行のFXトレーダーなどはいずれも投機的なゼロサムゲームに過ぎず、人為的にバブルを起こし崩壊させると言う暴挙がまかり通ってきたことに、グローバル経済の害毒性、反社会性を痛感します。近時日本も、こうした金融資本主義の迷惑を相当被っているものの、もともと「武士道の心」に立脚してきた明治から...
感染症の海外ニュースと解説

増え続けるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と肺炎球菌感染症

慢性気管支炎、肺気腫などと呼ばれていた肺疾患がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と総称されるようになったのは2000年代ごろから。喫煙が主原因とされていますが、急成長する発展途上国都市部では大気汚染も大きな原因と考えられています。COPDは重症化した場合に治療法がほとんどありません。1.COPD(慢性閉塞性肺疾患)が流行させる新型インフルエンザ今年(2014年シーズン)のインフルエンザ流行は例年より早く始まりました。最近はワクチン接種が普及したのと、タミフルなどノイラミニダーゼ阻害剤による初期段階での封じ込めが功を奏し、インフルエンザが重篤化することが少なくなりましたが、児童の脳炎、健康弱者の肺炎は相変わらず減りませせん。鳥インフルエンザH5N1などの変異による発生が予想される新型インフルエンザは、拡大するとすれば要因として呼吸器関連疾患を持つ人たちの急増が挙げられます。世界の保健当局が懸念するのはこの点です。喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などで免疫力が弱まっている時が最も新型インフルエンザ・ウィルスに抵抗力がない時と考えるべきでしょう。COPDのほとんどが自覚症状の軽い潜在患者であるが...
しらす・さぶろうの日本人がんばれ!観光立国編

第四十四話:建築思想家ウィリアム・ヴォーリズと湘南人の接点

2014年はウィリアム・メレル・ヴォーリズ没後50年ということからか西日本中心に展示会やセミナー、建築訪問会が開催されています。2010年のヴォーリズ生誕130周年に日経の文化欄をはじめ、いくつかのマスコミに登場して以来ですが、ヴォ―リス思想が評価される時代になったようです。今の観光業界が踏襲すべきは日本古来のオリジナリティーを見出したヴォーリスの思想。簡素な中にキラリと光る「静」の路線こそ日本の観光業が目指すべきアイデンティティーではないか。日本のダイナミックな「動」が魅力だったのは過去。すでに新興諸国には大きく差をつけられている。1.日本に帰化し、キリスト教思想を伝えたW.M.ヴォ―リス.大正時代から昭和にかけて宗教家、事業家、建築家として活躍したウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)(1880-1964)。20代で来日。日本に帰化し、一柳米来留(メレル)を名乗りました。ヴォーリズは様々な欧米文化を日本に紹介した米国人として知る人ぞ知る才人。1,500件を超えるといわれる建築、「メンターム(メンソレータム)」や「虫バイバイ」の近江兄弟社、キリ...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

アスベストによる健康被害: アスベストとラドンの結合が中皮腫発症を促進する?: 急増が予想されるアスベスト訴訟
アスベストとラドンの結合が中皮腫発症を促進する?: 急増が予想されるアスベスト訴訟

2014年10月の大阪の泉南訴訟判決では国が敗訴し、その後の建設関係判決にも影響。国が連敗しました。フォーブスのランキングに入る大手メーカー群や関連業者のほとんどが賠償倒産した米国に較べ、2桁は違うのではないかという微々たる賠償金でしたが、責任追及と訴訟は死者が増えてくるこれからが本番です。中皮腫が予想される方は早期発見、切除が唯一の治療法。また禁煙など日常生活に配慮するだけで、かなり発症を抑えられるという研究もいろいろあります。ご紹介するのはその一つ。アスベスト吸引を経験した方は放射線被曝(ひばく)が予想される場所を避けた方が良いという岡山大学の研究です。ケベック州(カナダ)のアスベスト採石場.米国、欧州が輸入禁止後も日本が輸入していた.「アスベストの健康被害」はこちらにまとめてあります.1. 岡山大学の中村栄三教授がラドンの発がん性を指摘アスベストは肺がん原因の相当部分を占めると推測されています。このアスベストによる発ガンがラドンや鉄分との結合によるのではないかとの研究が発表され話題となっています。ラジウム(ラドン)温泉で有名な鳥取県の三朝(みささ)温泉に拠点を置く、岡山大学地球地...
世界の健康と食の安全ニュース

米国厚生省ラムスデン博士 リノール酸過剰摂取に警告

リノール酸を過剰摂取する米国民:米国厚生省ラムスデン博士が細胞炎症の危険性を警告貧しい国、地域ほど低品質食用油の使用量が多いといわれ、糖尿病、肥満の急増が社会問題化.販売されている食用油の種類と量の多さは日本をはるかに上回ります.(スーパーマーケットの食用油:タイランドの地方都市)1.マンモス化した加工食品製造業が健康被害を拡大する昨年来、リノール酸過剰摂食の危険性を説き話題となった二人の博士は米国厚生省のクリストファー・ラムスデン博士(Christopher Ramsden, MD)と旧石器時代ダイエットとも呼ばれるパレオ・ダイエットを推進するローレン・ゴーダイン博士(Dr. Loren Cordain)。その接点は飽和脂肪酸の良さを見出し、不飽和脂肪酸過剰には害あることの共通認識です。肥満、認知症、糖尿病が急増する現代に最も必要といえる認識でしょう。大量生産、コストダウンのために化学合成によって作られた食材、調味料、添加物があふれている食品加工産業。現代の工業化食品に頼る食生活から、つぎつぎに明らかにされていく健康被害。サプリメントでさえ大量生産品の大部分が化学合成物質となってしま...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第三十一話:「企業による文化支援で地方創生を」

我が国が戦後の経済成長につれ、先ずは農漁業から製造・建設業へと、次いで製造建設分野からサービス産業へと、労働人口が急速に移動した結果、現在では第一次産業就労者は激減して約3百万人、第二次産業人口も減少し続け、今や1千8百万人、そして」第三次産業人口は増加中の4千4百万人となっております。総労働人口6400万人に占める比率は、それぞれ順に5%、27%、68%で、これを約半世紀前(1970年の総労働人口は今よりも約1千万人少なかったのですが、以下は産業別比率で捉えています)と比較しますと、当時は20%、34%、47%でしたから、農漁業人口比の8割もの大幅減と製造業人口比2割減が、あわせてそのまま、サービス産業の人口比急増へと振り替わったことが分かります。この傾向からも地場産業の衰退と少子高齢化が一層加速され地方の過疎化は今後ますます進み、全国1700市町村のうち、近いうちに半数以上もの存続さえ危ぶまれているようです。地方創生が政治の課題となっているのも宜なるかなと思います。但し、これまで発表されてきた中央や地方政府による近視眼的な諸施策だけでは、何か一本欠けているような気がしますし、筋の通...
世界の健康と食の安全ニュース

セパシア菌の功罪と無農薬農業:微生物による害虫退治の安全性に疑問

1.多剤耐性院内感染菌と安全性が確保できていない無農薬農業抵抗力の無い病人や高齢者に院内感染で亡くなる方が多いのは良くしられる事実です。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、アシネトバクター菌やタミフル耐性のAソ連型のインフルエンザウィルスなど院内感染菌として抵抗力が低下した患者を狙う悪玉微生物は多種あります。一般の方が理解しにくいのはこのような多剤耐性院内感染菌には無農薬農業の害虫退治に使われる微生物があること。セパシア菌がその一つです。水質改善、蚊のボーフラ退治、美容などにも微生物が使用されるような時代となりましたが安全性についての確たる検証が済んでいるわけではありません。日本でセパシア菌(Pseudomonas cepacia)がマスコミで話題となったのは2004年。水産大手のマルハ(株)が通信販売する「スクウィナ・アミノシャンプー」にセパシア菌が混入していた事件で消費者に知られるようになりました。それまでセパシア菌は無農薬農業や院内感染で話題になる程度。マルハの事件では詳細な解説は発表されませんでしたから、どのタイプ(strain)のセパシア菌が、どのくらいの菌量で検出され...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第三十〇話:「ソフトパワーはハードパワーに勝る」

“ペンは剣よりも強し”とか“財貨は兵器より重し”は良く耳にする西欧の格言ですが、21世紀の今、改めて吟味すべき教えではないでしょうか。20世紀前半こそ、先進大国間では軍事で覇を競う二つの世界大戦が起こりましたが、その後の半世紀は、核武装競争~東西冷戦を経て、国家間の競争は経済戦争へと昇華されて来ました。この間、わが国は日米安保の傘の下、経済至上主義を謳歌出来たお陰で“Japan As Number 1”と囃される経済大国へと上り詰めたのでした。しかしながら、戦後教育の失策もあり、道義と文化立国の大切さを忘れ、経済成長後の内政の混乱や外交戦略の稚拙さも相俟って、次第に国際評価を落としてしまったようです。つまり、片手落ちの生半可なソフトパワーでは、真の国際的リーダーにはなり得なかったのです。ましてや、中国やロシアという軍事大国や、同じく核を持つ北朝鮮や、史実を曲げてまで執拗な外交戦略を仕掛けて日本を貶めようとする韓国のような隣国に囲まれている我が国が取るべき唯一の道は、経済力、文化力、外交力をフル装備した「総合的ソフトパワー」で世界へ雄飛すべきだと考える次第です。 先ずは、経済力アップ、即...
感染症の海外ニュースと解説

株価が急騰したエボラ出血熱ワクチン開発企業: キー(鍵)はNIHのサリバン博士

10月23日のニューヨークタイムスはギニアより帰国したクレイグ・スペンサー医師がエボラ出血熱に感染しベルビュー中央病院(Bellevue Hospital Center) に隔離中と伝えました。大都会ニューヨークは大騒ぎ。「国境なき医師団」に加盟しての活動は評価できますが、21日間といわれる潜伏の可能性がある期間は人の集まるところ、地下鉄など公共交通機関は避けるのが常識。若い(33歳)からでしょうが医師としての見識を疑われます。こんなこともあり、エボラ・ワクチン開発ベンチャーの株価が急騰。1.エボラ出血熱(ebola hemorrhagic fever)流行の始まりエボラ出血熱の最初の流行(epidemic)は1976年頃に推定人口3,800万人のスーダン(Sudan)と推定人口約6,700万人のザイール(Zaire:現コンゴ共和国:Democratic Republic of Congo)で記録されています。エボラの名前はスーダンのエボラ河由来。その後1995年の流行時にはスーダンで300人以上が死亡しましたが、以来途絶えていたそうです。エボラ出血熱は1976年に流行してから今回の大...
世界を魅了する食材

南米チリの食文化:朝締め仔羊が最高のごちそう

タルカの紋章(ブラゾン)湘南料理人のサルバトーレ松波さんから今月(2015年1月)初めにサンチャゴ(南米チリ:República de Chile)に出張した時のレポートが届きました。サルバトーレ松波さんは転勤で在ヒューストン(米国テキサス州).仕事は北米中心に中米、南米が守備範囲.「一段落した週末に気の合う若手社員が、彼の実家に招待してくれました。実家はサンチャゴから250キロほど離れたタルカ(Talca:タルカ県:マウレ州)で牧場を経営.緑豊かな田園の中で飛び切りのおもてなしを受けました。」「歓迎の宴で驚いたのは主菜が朝締仔羊の丸焼き。相模湾沿岸で入手できる活魚で「魚の活造り」には親しんでいましたが、「羊の朝獲れバーべキュー」は初体験。ハウスの周りにも放牧されて、朝方にはのどかに草を食べていた羊が午後には丸焼きになるのですから驚き。欧米人には生簀(いけす)からの「魚の活造り」が残酷に映るようですが、哺乳類ならば抵抗が無いのでしょう。。食文化の大きな違いにショックをうけましたが、やはり獲りたてはいやな臭いもなく美味、美味。堪能しました。狩猟民族の欧米人や大陸の遊牧民などにとって羊、ヤ...
世界の健康と食の安全ニュース

環境の激変による癌抑制遺伝子の活性化: 映画「天国の青い蝶」が紹介した実

自己免疫力(治癒力)強化には免疫細胞の分泌促進、体組織の活性化が必須。一般的に知られているのは、適度な運動、活性酸素除去、造血、血流改善など。これらには適正な生活習慣、食材の厳選が重要要素ですが、意外に知られていないのが中枢神経の刺激。強毒ウィルスや悪性腫瘍などに有効な医薬品はいまだに数少なく、強い副作用を伴うものがほとんど。副作用なくこれら病魔を予防し、闘える最強の手段は中枢神経の働きによる免疫機能の活性化といっても過言ではないでしょう。メネラウスモルフォ(Morpho menelaus)の室内装飾用工芸品(部分)1.映画で紹介された環境激変による脳腫瘍の消滅世界各地に伝わる伝統的な代替医療では、中枢神経などを高揚させ、ホルモン分泌を盛んにすることにより、免疫細胞を活性化させますが神経疲労が重なると免疫力が低下し、癌や感染症に罹りやすいことが経験的に知られているからです。がん予防研究の最先端では癌細胞に栄養補給するシステムを、ピンポイントで破壊する研究とともに、中枢神経機能の研究が主流の一つとなっていますが疫学的な証明ともなる事例を紹介したノンフィクション映画が10年前に日本でも上映...
糖尿病のニュースと解説

アジアの食用蟹文化(3): 上海ガニはなぜ高い:宣伝上手が作り上げた高級食材

1.希少種でない上海ガニの不思議な高価格マニアが楽しみにしている上海ガニ(チュウゴクモクズガニ:Eriocheir sinensis :Chinese mitten crab)のシーズンとなり、すでに食した方も多いのではないでしょうか。淡水、汽水、海水など広い範囲に生息する、上海ガニは秋の訪れを感じる粋な食材と、価格にこだわらず愛する中国人富裕層。その文化に親しむアジア諸国の中国系富裕層も少なくありません。こってりした濃厚なカニみそは時期にもよりますがオスもメスも非常に香りが良く、食感は高級な赤ウニ粒のよう。しかしながら上海ガニは良い評価をする人ばかりではありません。小型で可食部分がほとんどカニミソ(蟹味噌)にかかわらずブランド・カニともなれば中国沿岸部大都市の高級レストランでは超高価.日本では庶民に縁遠いアカウニやバフンウニを食べるのに比べても、さらに高価格。市場ではそこそこの大きさの毛ガニ一杯と同じくらいの価格。風流人と言えども躊躇する人が多いのもまた事実。価格と味のパフォーマンスをどう判断するかはマニアと一般では異なるでしょうがどこにでも生息するモクズガニ(ツガニ、ズガニ)ですか...
感染症の海外ニュースと解説

エボラ出血熱の2次感染者発生に米国民はパニック状態

1.エボラ出血熱の2次感染者発生に米国民がパニック状態エボラ出血熱の2次感染が現実となった米国ではその対応を巡ってヒステリックというかパニックというか冷静さを欠いた議論が始まっています。「防疫対策に不備があるのでは?」「これまで何人かの感染者を治療した2か所の病院では2次感染が無かった」「なぜ経験の浅いダラスの長老派病院にエボラ感染者を収容したのか」「全米でも対応できる病院は4ヶ所しかないはず」「なぜ2次感染した看護師を一般航空機に乗せたのか」「病院関係者は一般人と接触すべきでない」などなど。世界保健機構(WHO)を代表して感染症対策を常にリードしてきた米国政府機関のCDC (Centers for Disease Control)。その対応が非難、批判される状態では、全面的に世界保健機構に頼っている日本など諸外国はより不安が募ります。非難の主対象はリベリアから帰国した感染患者の診断ミスをした上に2次感染看護師を二人も出したダラスの病院と、対応の相談に乗っていたCDC。1次感染者や2次感染者を禁足しないで多くの人に接触させていますから接触した人ばかりでなく近隣もパニック状態。連日メディ...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十九話:乳幼児・子供の事件増を憂い教育を考える

このところ、乳児DV・幼児誘拐殺人遺棄とか、少年少女による友人や肉親の殺人等凶悪犯罪の報道が増えてきたことに危機感を覚える次第です。もっとも、「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛めば大々的に報道される」と言われるように、未成年者誘拐、殺傷事件の発生が、年間四十数万件にも達する北米などでは、余程凶悪卑劣で事件拡大の恐れが大きいケースしか新聞テレビ沙汰にならないのに比べて、遥かに治安がよく、凶悪事件発生率が極めて僅少な日本においては、殊に少年少女にかかわる殺人事件がいったん起こってしまえば、これは、天地を揺るがす大事件として報道されるのは理解出来ますし、ましてや年間90件も超えたとすれば、由々しき大問題として取り上げられるのは当然かもしれません。良く伝え聞く“教育四訓”では「乳児は肌を離すな。幼児は肌を離して、手を離すな。少年は手を離して目を離すな。青年は目を離して心を離すな。」と教えてくれますが、日本では、昔は“子は授かりもの。国の宝。」などと、家庭でも、社会でも、学校でも子供を大切にしてきました。これは、江戸時代末期や明治時代に訪日した欧米の文筆家・旅行家・外交官などが、...