第五十〇話:「IT業界の近未来と我が国の教育を考える」
アップルやマイクロソフトを初めとして、グーグル、フェイスブック、そしてアマゾンと米国西海岸発のITベンチャー企業が、今や圧倒的に世界をリードしております。その主たる背景として思い付くのは、先ずはアメリカ人の文化風土に根差した建国精神に関わるフロンティア スピリット、即ち失敗を恐れず果敢にチャレンジする起業家魂が上げられます。次いで経済構造上、充実したベンチャーサポート体制、投融資環境の充実とシリコンバレーを核とした産学協調体制、さらには世界の頭脳を集約できる開かれた移民政策などが考えられます。尤もここへ来て、米国のIT産業の代表者たちが連名で、オバマ大統領あてに書簡を提出して、“中国”によるサイバー攻撃と違法性に関して強固な取り締まりを要請したように、オバマ軟弱外交の弊害が、IT業界の根幹を揺るがす事態が惹起され、今後の成り行きが注目されます。来年の米大統領選候補者にとって、この問題に対する方針の濃淡が問われるでしょう。 さて、日進月歩の激しいIT業界にも業績伸長の明暗が垣間見えるようになって来たようです。既述のような大手先導企業群に対し、新興のベンチャーが続々と現れては急成長を遂げる...