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ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第七十二話:「早苗月=皐月=五月、端午の節句=こどもの日」

端午の節句には蘊蓄が多く、なぜ五月五日なのか、鎧・兜や五月人形を飾り、粽や柏餅を食べ、菖蒲湯に入るのは何故か、どうして鯉を空に泳がせるのか、等々、江戸時代に始まった風習の不思議について述べてみます。雨がちに端午ちかづく父子かな 石田波郷端午の「端」は初めの意で、「午」は“うま”の日ですが、午は「ご」とも読めるので、五月の最初の五の日を(五が重なり目出度い)祝祭日と決めたのは江戸幕府だったようです。元々「初午」は2月最初の午の日のことで、平安貴族が節句の祝いをした風習だったのが、後に武士階級に広まり、戦う勇敢な男子を想起させる鎧兜を飾り、幟を立て、「尚武」に通じる菖蒲の薬効で邪気を払うようになったそうです。江戸時代へ入り、大した戦いもなくなり平和社会が訪れると、この節供は町民階層へと浸透し、田植えを前にした農民の健康祈願、男児の成長・壮健を願う行事へと転じ、娯楽化・イベント化・商業化して行ったようです。こうした中、古くからは、悪魔を払う霊力があると言われた粽(元々、茅の葉で包んだので“ち巻”と呼ばれた)を食べる風習があり、江戸時代以降には、柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

長寿社会の勝ち組になるには(その20) :キノコでガンは治せない(その1) キノコ薬学のオピニオンリーダー、池川哲郎博士の本音は食用キノコの摂取

1. キノコにガン撲滅の効能があるのかキノコのガン撲滅の効能はいまだに確認できていません。代替医療がブームだった2000年前後は多くの専門診療所が開業しましたがこの時期にはサプリメントの製造や輸入にも多種、多数の企業が参入しました。この頃注目を浴びた素材が抗がん作用があるといわれたキノコ。様々な解説本が書店に並び、「ガンはアガリクスが治す」「メシマコブでガンが消滅」など過激なタイトルで世間を賑わせていました。その後17年。いまだに抗がん作用の機序が明らかにならず、臨床例でも西洋医学に頼らずにガンが完治した実例は報告されていませんが、キノコが優れた健康食品であり、条件を満たせば、がんの予防や延命効果に役立つことの完全否定もされていません。その根拠には国立がんセンター研究所で30年間以上キノコに特化した研究をされた池川哲郎博士の識見と、公平なキノコの薬効評価があるからともいえるでしょう。池川哲郎博士は1957年に東京大学医学部薬学科卒業。(財)微生物化学研究所を経て65年から国立がんセンター研究所化学療法部でキノコの抗がん活性の研究を長く続けられました。この頃に、今につながるキノコ由来の抗...
健康と食品の解説

ブドウ・レスベラトロール、20の何故?Q & A

1. ブドウ・レスベラトロールとは?赤いブドウは数千年の歴史を持つ食材で、疫学的に最も優れた機能を持つ食材の一つということがことが知られていました。赤いブドウの健康的な成分はレスベラトロールやアントシアニンなどのブドウ・ポリフェノールです。ブドウ・ポリフェノールを構成するアントシアニンの研究からレスベラトロールが発見されましたが、新しいことではありません。植物が身を守るファイトアレキシン(phytoalexin)効果を持つブドウ・ポリフェノールのレスベラトロールはスチルベン・グループ(stilbene)と呼ばれ、トランス型と少量のシス型のレスベラトロール類、レスベラトロール配糖体のピセイド類(piceid)、炎症治療などに有効なヴィニフェリン類(viniferin)などが含まれる総称。アントシアニンの強い抗酸化作用は古くから知られていますが、レスベラトロールは分離されていたものの、その効能はアントシアニンとグループ化されていました。アサイー、ブルーベリー、クランベリーなど各種のアントシアニンを持つ果実はたくさんありますが赤ブドウのアントシアニンがなぜ突出した機能を持つのかは解明されてい...
健康と食品の解説

プロテオグリカンは関節軟骨生成、間隙充填の必須成分: 新製品を装う難解用語の氾濫

グルコサミン、コンドロイチンは細胞外マトリックスの主要構成物質の一つ。加齢や傷害で関節、筋肉を痛めた方々には、お馴染みの糖蛋白ですがかってはムコ多糖類と呼ばれ、タンパク質と糖が結合した多糖類として知られていました.エビ、カニなど甲殻類の糖たんぱく質から得られるキチンの様々な派生物質や化学合成で得られたムコ多糖類がサプリメントとして出回っていますが、多糖類は皮膚、骨、軟骨、関節充填液、筋肉、内蔵器など体中の組織でタンパク質と糖類で生成され続けています。したがって体組織の生成に必要な成分は体内で生成するのが基本。人為的な補助には原料素材と、その分量を慎重に処方しなければ、人体の自己生成機能を損ない、退化させる危険性があります。ヒアルロン酸などムコ多糖類を人為的に注射や経口で体内に補填し続ければ、処方のサイクル短縮と処方量が増えるばかり。信頼できる公平な整形専門医の診療が必要な分野です。合成アミノ酸生成技術が進化してムコ多糖類も合成品が売られるようになり、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸などの合成類似物質を様々な異名で呼称し、あたかも「新たな有用物質」を装うことが多くなりました。仕...
湘南文化よもやま話:湘南を愛した人々

湘南を愛しながら湘南人とは距離をおいた住友友成男爵 住友家第16代当主の俣野別邸復元

2017年4月1日、国の重要文化財として大事にされていた第16代住友吉左衛門氏の俣野別邸復元が完成し、近隣の関係者を集めてセレモニーが開催されました。放火?による焼失など苦難続きであっただけに、復元に尽力した関係者の心からの喜びが伝わってきた楽しいセレモニーでした。太陽と海山の自然に恵まれた湘南地方は東京から交通至便。昭和の初めから東京で活躍する全国の政経財界人、文化人など多くの人を魅了してきましたが、京都出身の第16代住友吉左衛門、住友友成氏もその一人でした。しかしながら別邸の立地と住宅規模から察すると、住友氏の場合は湘南を愛してはいても、湘南人との同化は好みではなかったようです。俣野別邸は簡素で質素がコンセプト大財閥当主の別邸としてのスケールを期待する見学者は俣野別邸母屋の狭さ、質素、簡素に驚かされるでしょう。昭和時代初期の湘南に建築されたイギリス風和洋折衷別荘とは大きく異なるからです。政財界人の湘南地方の別荘は会議や大勢の来客を予想して建築されることがほとんどでしたが居住スペースが120坪くらいの俣野別邸の簡素な狭さからは、、ここは純粋に家主と家族だけが利用する住まいということが...
健康と食品の解説

経口摂取のコラーゲンが損傷した体組織再生に寄与する: 再生医療最前線

万能細胞(幹細胞)と呼ばれるES細胞は卵子から作りますが、ノーベル賞を受賞した山中博士のiPS細胞は人の皮膚から摂取した線維芽細胞(Human Dermal Fibroblasts:ヒト皮膚線維芽細胞)を使用した万能細胞。この研究に励まされ(?)京都大学農学部では線維芽細胞によるコラーゲンの体内合成の作用機序研究を進めており、経口摂取したコラーゲン・ペプチドがアミノ酸に分解されて消滅という説を覆し、骨、皮膚、筋肉、神経細胞などの体組織を形成する(だろう)ヒト実験に成功しています。話題の皮膚、関節など結合組織の再生医療最前線!!コラーゲンを知ることで理解が深まります。1. 再生医療最前線:京都大学農学部のコラーゲン・ペプチドの研究食事由来のタンパク質は酵素(ぺプチダーゼ)によりアミノ酸に分解され、何らかの生理活性を期待しても血中濃度は低レベルであり役に立たないとする説が一般的ですが、ヒトの血中には食事由来ペプチド(アミノ酸の小規模集合体)が存在する(存在できる)ということを確認する作業を京都大学農学部の佐藤健二教授らは続けているそうです。その確認作業にはコラーゲン・ペプチドを使用し、コラ...
糖尿病のニュースと解説

ブドウ・レスベラトロールが寄与するコラーゲンの体内生成: NF-kB(カッパB核因子)の功罪

アミノ酸に分解されて消滅と思われたコラーゲンの経口摂取に新たな発見?!赤ちゃんの美肌に戻ることも夢ではなくなる?レスベとコラーゲンがコラボするという最先端医療化学情報40才前後になったら特に紫外線は大敵.経口摂取のコラーゲンが障害を受けた体組織再生に寄与する再生医療最前線 :コラーゲンの話1.ブドウ・レスベラトロールが皮膚老化の修復に寄与するNF-kB(Nuclear Factor kappa B:カッパB核因子)は免疫細胞、脂肪細胞より産生し、癌(がん)、皮膚老化、生活習慣病に関与する遺伝子転写因子として、この分野の研究者には広く知られた物質。この悪玉要素の多い物質の制御に関して、「NF-kB(カッパB核因子)の活性をブドウ・レスベラトロールが抑制する」という研究が米国で発表されています。ブドウ・レスベラトロールは癌(がん)、心臓血管病、糖尿病ばかりでなく、美肌の維持、再生にも働く、多機能ポリフェノールとして期待されている抗酸化物質。コラーゲンの体内生成にも深くかかわります。研究詳細は異分野の方には難解なために省略しますが、本研究はニューメキシコ州アルバカーキのニューメキシコ大学医学...
糖尿病のニュースと解説

合成アミノ酸過剰摂取の危険性

長寿社会の勝ち組となるには(その19): 合成アミノ酸過剰摂取の危険性: 高血圧、心臓病、感染症悪化、インスリン代謝阻害日本人には牛肉が長寿の食材.90才を超える日本人の好物は一様に牛肉といわれます.牛肉は良質な天然アミノ酸の宝庫ですが、米国人のような過剰摂取は有害ともなります.長期的な健康生活を害する食生活の近代三悪にはアミノ酸バランス、脂肪酸バランス、ホルモンバランスの崩壊が挙げられます。「天然魚油のDHA/EPA(オメガ3)とは:脂肪酸代謝物エイコサノイドとプロスタノイド」第6項に「飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランス(脂肪酸バランス)」が解説されています. 1. イチロー選手が筋肉トレーニングを廃止した理由アメリカのメジャーベースボールで永年活躍を続けるイチロー選手。2016年のシーズン後半からは一部筋肉を増強するトレーニングをやめたそうです。一部を増強することで全体のバランスが崩れるために期待されたパワーを得るどころか悪影響が目立ってきたからとのこと。これはアミノ酸もバランスが重要なことに通じます。イチロー選手は合成アミノ酸サプリメントの有害性が警告されたころに中止しているよう...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

スペインで発生したEU史上最大の有毒油症症候群

長寿社会の勝ち組となるには(その18): ヨーロッパ近代史上最大といわれた有毒油症症候群(Toxic Oil Syndrome:TOS) サプリメントの有効成分は特定成分のみを抽出したり、合成するのではなく、出来るだけ当該食材と同様の自然な成分構成を持つことが必要です。自然でない化学合成物質が、天然素材に含有する物質と化学反応を起こし、毒性を持つことが示唆される事件は珍しくありません。摂食量により、有効性と毒性が表裏一体のケースも少なくありません。食材の有用成分は単一よりも複合で効力を発揮することが多いだけでなく、他成分がその毒性を中和します。英国では清涼飲料水に添加された安息香酸(保存料)とアスコルビン酸(合成ビタミンC:酸味料、酸化防止剤)が化学反応で骨髄性白血病の原因となるベンゼンをボトル内で生成し、大騒ぎとなったことがあります。「豊洲新市場のベンゼン汚染:連想させた老化促進AGEと異性化糖」1.アミノ酸の合成には未知な危険因子が多様に存在する長寿社会の勝ち組となるには(その17)で米谷民雄(まいたに たみお)博士の回顧記録(2009年:食品衛生学雑誌)の一部をご紹介しましたが、...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第七十〇話:「世界秩序変動余波とトランプ旋風・再論」

アラブの春が軟着陸できず、中東の政治・宗教紛争の拡散が止まるところを得ず、その火の粉が難民の大量流出とテロリストの潜入を生み、ユーロ不況真(ま)っ只中の欧州諸国に暗雲を投げかけ、今や米露も巻き込む世界的秩序に大変動を齎すに至っております。一方で、外交ミスを重ね、中国経済の退潮余波を受け、金融・経済危機を抱えてしまった韓国の大統領弾劾騒動が勃発、その政治空白を機として、北朝鮮は南北統一を図るのが目的なのか、それとも外交軽視から中国の支援を失い、経済的にも行きづまった金正恩独裁政権が、米国との対話を求めてか、ミサイル発射を繰り返し、政敵とも恐れた実兄を暗殺するなど、半島の脅威と恐怖政治が止まず、我が国近隣にまで、世界秩序破壊の予兆が押し寄せています。この世界秩序崩壊状態を称して「グローバル化の終焉(しゅうえん)」とか「反グローバル思想の台頭」などと言い募る(いいつのる)輩(やから)が多いようですが、それは自然現象と政治外交・通商文化交流戦略の違いを看過(かんか)した単なる用語の誤解にすぎません。通信交通の発達が自動的に生み出す「グローバル化(世界の画一化)」に対し、戦略的な対策は「インター...
世界の健康と食の安全ニュース

長寿社会の勝ち組となるには(その17): トリプトファンによる好酸球増多筋痛症候群(EMS)事件 合成必須アミノ酸の安全性
トリプトファンによる好酸球増多筋痛症候群(EMS)事件 合成必須アミノ酸の安全性

好酸球増加筋肉痛症候群(EosinophiliaMyalgia Syndrome:EMS)1990年代に発生した必須アミノ酸のL-トリプトファン・サプリメントによる好酸球増多筋痛症候群(EMS)発症は、日本企業が2,000億円を超えるとも言われる賠償金を支払った大事件でした。合成アミノ酸による食品やサプリメントが10年来のブームともなっている現在、その事件を思い起こし、学ぶことは健康長寿の勝ち組になるには必須の知恵。この事件は必要悪として合成アミノ酸を大量摂取するプロスポーツ選手や芸能人の真似をする危険性を示唆しています。このコラムでは、この健康障害事件発生当時に厚生省(厚生労働省)で事件を担当され、現在日本食品衛生学会会長を務められる米谷民雄(まいたに たみお)博士の回顧記録(2009年:食品衛生学雑誌)をベースに、事件をダイジェストで紹介しています。米谷博士は京都大学薬学部で食品衛生学、食品化学、分析化学などを学び、厚生労働省では残留農薬などによる食品の汚染についての調査や、食品に含まれる金属について化学形の分析をテーマにされていました。「必須アミノ酸製品等による健康影響に関する調...
食在亜細亜:アジアの生鮮食材

タイの魚市場その5:アジアの食用蟹文化(2): ソムタムプーとベンケイガ二(Sesarmops intermedium)

タイ国民の大好物.青パパイヤのサラダ(ソムタムタイ:Som Tam Thai)(バンコク)1.タイ国民(アジア人)に欠かせないソムタムプー(Som Tam Pu:Somtam Poo)ソムタムプーはソムタム・タイに発酵カニを入れたタイ食文化の代表的庶民料理。未熟な青パパイヤのサラダ(ソムタムタイ:Som Tam Thai)に、生の塩漬け淡水産カニ(タイ語でプー:puまたはpoo)をすり潰して入れ、トマト、ハーブ類、トウガラシ、好みの味噌だれ、スパイスなどを加えたサラダ。ソムタムプラーラ(Somtam Pla-ra )と呼ばれる料理もありますが、ソムタムタイに発酵させた生魚を入れたものです。日本人が生のカニを入れることはお奨めできません.(写真上)唐辛子、ニンニクで漬け込んだベンケイガ二(Sesarmops intermedium:Sesarmidae)(バンコク:タイ)ソムタムプー(Som Tam Pu)に使 用するカニは伝統的にベンケイガニ科(Sesarmidae)のセサーミッド・クラブ(sesarmid crabs:Armases Angustipes:淡水系)を塩漬け発酵させて使...
食在亜細亜:アジアの生鮮食材

タイの魚市場その4: アジアの食用蟹文化(1):ノコギリガザミとタイワン・ガザミ

1.熱帯、亜熱帯アジア(亜細亜)生鮮市場の蟹(カニ)世界に蟹(カニ)は数千種類も生息しますが、商業的価値がある品種は少なくどこの国でも主要市場に出回る食用蟹の品種は限られています。タイでも蟹(タイ語でプー)はエビ同様に多種類が生息しますが、商業的な食用蟹の品種はごくわずか。2-4種類くらいです。また蟹食文化はタイ、マレーシア、ヴェトナム南部のような熱帯地域と温帯地域の日本や欧米とは根本的に異なります。温帯地方は北方産の大型蟹、温帯産の中小型蟹双方が獲れるためにバラエティーが豊富。熱帯地方は中小型蟹が数種類。温帯地方は蟹の身とみそ(中腸腺)、卵(外子)、卵巣(内子)を楽しみますが、熱帯地方は発酵させた卵巣とカニみそ(中腸腺)を中心に、身は殻ごと潰して食します。 2.熱帯蟹のチャンピオンはノコギリガザミ(Scylla serrata)(写真上)アカテノコギリガザミ(Scylla olivacea)と区別して呼ぶ人もいます。(写真上)左右ともには背面(甲羅)に網目があることからアミメノコギリガザミ(Scylla serrata)と呼ぶ人もいるようですが味も姿も上段のアカテ(赤手)との区別が必...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第六十九話:「PTAが世界の潮流を変えられるのか」 : プーチン(P)・トランプ(T)・安倍(A)

型破りな米国大統領の登場と就任後の矢継ぎ早の大統領令頻発で、米国の大手リベラル系メディア(九割以上がヒラリー支持だった)が発信源となり、これを受けた海外の多くのマスコミ報道が、中でもリベラル支配のカナダのメディアなどは、反トランプ騒動を日夜垂れ流しております。確かに“公約実現のアッピール”を急ぎ、支持者に応えようとしたものの、あまりにも過激な物言いと、政治外交的な煮詰めが欠けているとみられる、唐突な「イスラム7か国入国制限」のような発令には疑問を抱かざるを得ません。アメリカの大統領には、ホンの一部だけの行政権が委託されておるようですが、「国防上、核のボタンを押すこと」以外に無謀な独裁専制は許されない筈で、最高裁や議会がブレーキをかけられる仕組みになっています。いずれにせよ、政治経験皆無の実業人が初めて大統領に選ばれてしまい、当人が猛獣のように吠えまくり、MSM(メインストリーム・メディア=主流メデイア)に噛みつくという米国の現実とその苦悩を解決するには、ペンス副大統領他の側近・閣僚と上下院議員の中から、“猛獣使い”が早く出てくることが期待されます。 80年代、レーガンが大統領になった時...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第六十八話:「節分・豆撒きと雛祭り・桃の節句、そして花見の桜」

節分は立春(旧暦の正月元日)の前日(つまり大晦日)のことで、「鬼は外、福は内」と豆を撒くのは、冬から春への季節の変わり目に“寒気・邪気・疫病・災難の象徴である角の生えた鬼”は外へ追い払い、“春の来福”を招き入れる、という宮廷の行事でしたが、室町時代以降は民間に定着しました。豆はアジア大陸では聖なる穀物とされてきたものでした。節分や灰をならしてしづごころ  小保田万太郎 三月三日の雛祭りは、女の子の居る家庭では雛人形を飾り、白酒・菱餅・ハマグリの吸い物・ちらし寿司・菜の花のおひたし等を頂く行事で、江戸代以降一般に定着したようです。この日は上巳の節句で、桃林に住むという女神の誕生日にあたるので「桃の節句」と呼び、桃の花を浮かせた酒を飲むと百病を除くという事と併せ、女児の祭りとなったのです。雛祭る都はづれや桃の月  蕪村明日知らぬ雛の栄耀やけふの桃  支考 ところで、サトウハチロー作詞で著名な昭和唱歌に「うれしいひなまつり」がありますが、この歌詞には二つの間違いがあります。まず二番に「お内裏様とお雛様、二人並んですまし顔・・・」とありますが、元々天皇と皇后を表徴する雛人形二体=男雛と女雛をま...