葉山と片瀬江の島を愛した元祖湘南人
財部彪海軍大臣ファミリーの湘南(その1): 葉山と片瀬江の島を愛した元祖湘南人 古くから湘南は難病だった結核の療養地や文筆家の仕事場として著名でしたが 首都に近く、夏涼、冬暖の心地よい湘南海岸は皇族、華族、政財界人の保養地として愛され昭和時代の初めごろ10年間に別荘文化の最盛期を迎えています。 また、横須賀に鎮守府があったことから、大正時代から太平洋戦争開戦前までは海軍軍人や家族の在住も珍しくありませんでしたが一般の政財界人と異なり多くは質素な借家。 その代表的な文化人といえるのが財部彪(たからべ・たけし)海軍大将とその大ファミリーです。 質実剛健をモットーとする海軍軍人であり、政治家でもあった財部彪海軍大将のファミリーは子供が8人。 葉山町と藤沢市片瀬、鵠沼に住まわれていましたが、現在は孫、ひ孫、玄孫(やしゃご)世代です。 軍縮会議が開催された1930年代は侵略による国勢拡大が過去のこととなっており、 列強には紛争を敬遠する気運が高まっていました。 すでに数多くの植民地や占領地域を獲得していた国々の独善ともいえますが、財部全権は その世界の空気を肌で感じており、列強との資源力や科学力...