米中G2論は同床異夢、備えるべきは“新東西冷戦”?
南シナ海における中国の膨張・覇権主義と強圧姿勢がベトナム、フィリピンの反発をはじめ、アジア発世界中に緊張を齎しております。 今般のベトナム漁船沈没事件や東シナ海上空での我が国自衛隊機への異常接近にしても、自ら国際的信頼観醸成を否定する悪あがき度を増しています。 この裏に、オバマ大統領によるアジア歴訪による同盟国関係の強化、すなわち「再均衡(または軸足)政策」の再確認がありました。 しかしながら、その前に、昨年パームスプリングでのオバマ・習(米中)首脳会談において、「新型大国関係」構築、所謂G2合意論(中国との力の共存を容認し合う重層的談合)があった訳で、そこには、両立しえない明らかな矛盾があり、米国の二枚舌外交とも言えるものが見え隠れして居るようです。 この辺は、米有力紙フィナンシアルタイムスによる「オバマのアジア政策は紛らわしく曖昧」であって、棍棒を捨てたオバマ弱腰漂流外交が当事者能力と抑止力を喪失し、ロシアのクリミア併合に続く中国の力による現状領域変更の強行を生んでいると断じざるを得ません。 カンボジアなどの親中国派も含み、元来争いごとを回避してきたASEANでさえも、此処に至って...