第六十三話:衛生管理実態が問われる日本の大風呂文化(風習)
1. レジオネラ属菌が危険性を再認識させた日本の大風呂文化西武鉄道が2017 年4月24日に西武秩父駅前にオープンした複合型温泉施設「 祭の湯」。営業開始後わずか2週間くらいでレジオネラ属菌感染者が発生。5 月8 日(月)からは営業休止となりました。どの程度の感染者が発生したのかは公表されず不明ですが、男女露天風呂から基準値を上回るレジオネラ属菌を検出されたそうです。レジオネラ属菌はありふれた菌ですから、抵抗力のある人は感染しても気づかずに排除していますが、老人や子供、持病のある人が肺に吸い込むと肺炎症状となり、癌の誘発、持病の呼吸器疾患悪化、生活習慣病の悪化など、見過ごせない後遺症が懸念される感染症。統計的な致死率は5%程度ですが、他の肺炎類と区別がつかないことが多いようですから油断できません。レジャー先進国の米国では海、湖、滝つぼ、プールでの冷水浴、スパ、ジャグジーなどのホットバスタブ(日本では銭湯、温泉、宿泊施設、ゴルフ場などの大風呂)などで温水浴する幼児や老人に、水が媒介する感染症の詳細を示し、警戒するよう呼びかけています。レジオネラ属菌に限らず肺に侵入する厄介な微生物予防には...