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ブドウ・レスベラトロールのニュースと解説

癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

ブドウ・レスベラトロール豊富な古樹の葉がレスヴィーヌ・ルージュR

2016年11月17日のボージョレーヌーボー解禁日。日本人もワイン慣れしてきたのか、ピーク時に較べれば半減.盛り上がりに欠けましたが、そんな中でもいち早く売り切れたのが古樹からの(ワイン)ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieille Vignes).ボージョレ―・ヴィラージュの赤やマコンの白が売られていました.ストレスの強い年の新ワインはレスベラトロールが豊富といわれますが古樹からの新ワインは特に慢性生理的炎症を防ぐブドウ・レスベラトロールが豊富.かなり認知されてきたようです。古樹の中でも60年以上の老木紅葉から作られたのがレスヴィーヌ・ルージュ®特にブドウ・レスベラトロール、ポリフェノール類が豊富といわれます.フランスでは60年以上の古樹の紅葉は伝統医薬品となっています。ラ・ヴィーヌ・ルージュ(La Vigne rouge)プーシキン美術館(Le musée des beaux-arts Pouchkine )1.ゴッホの「赤い葡萄畑」に因んだレスヴィーヌ・ルージュゴッホ(Vincent van Gogh)が1888年にアルルで描いた作品に赤い葡萄畑(あかいぶどうばたけ: La Vigne...
癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

大隅良典博士 老化と生活習慣病は細胞内異変の自動修復作用不全

2016年ノーベル生理学医学賞は大隅良典博士 パンのイーストを使い細胞のオートファジーを解明 老化と生活習慣病は細胞内異変の自動修復作用不全 大隅良典博士天然のブドウレスベラトロールは細胞内小器官の代謝機能を活発化させ、新陳代謝の促進により糖尿病、高血圧、脳卒中、心血管病など生活習慣病の改善、腎機能、肝臓機能低下抑制に働くことが疫学的に知られています.レスベラトロールの細胞内作用機序詳細は明らかではありませんが、アンチエージング機能は当初話題となったテロメラーゼ制御だけではありません.その根拠となっているのが1950年代に発見された細胞のオートファジー機能。2016年ノーベル生理学医学賞はオートファジー作用遺伝子を1990年代に発見した大隅良典博士に授与されました.下記はノルウェーのカロリンスカ研究所からのプレスリリースを基に解説.The Novel Assembly at Karolinska Institutetオートファジー(autophagy)の図解.図は細胞内小器官のリソゾーム(lysosome)が、形成されたオートファゴソーム(autophagosomes)と結合するまでの...
健康と食品の解説

長寿社会の勝ち組となるには(その9): 赤紫色素は美容と長寿の最強抗酸化ポリフェノール(5) 赤ブドウと桑の実

あまり周知されていないことですが赤黒ブドウの効能は長寿や美容、生活習慣病や認知症予防だけではありません。加齢黄班変性症など網膜疾患の予防、改善に素晴らしい働きをします。赤黒ブドウは豊富なアントシアニンやレスベラトロールのスチルベノイド以外にカロチノイドのルテインも含有しますが、ルテインだけが理由ではありません。ある比較研究では赤黒ブドウそのものを摂食すると、ルテイン単独摂食に較べてはるかに網膜機能が改善されました。チリ産レッドグローブ(RedGlobe:大粒の種アリ)日本の晩冬から初春は南半球の秋。南米ではブドウの収穫期。日本でも通年、南米産のブドウがスーパーで目につくようになりました。高価なオーストラリア産の小粒ぶどう種に較べて南米産は、はるかにお買い得。南米の赤黒ブドウは価格と味覚のバランスが優れたスーパー健康食材。健康に寄与する果実でも王様中の大王。毎日でも食したい果物です。冬から春は日本のブドウ農家の収穫農閑期.保護関税が3月までは安くなり、在庫を持つディスカウントスーパーの店頭では4月でもチリ産赤ブドウの大粒レッドグローブが500gで税込270円前後。会員制のコストコがある地...
糖尿病のニュースと解説

天然ブドウの抗酸化成分が萎縮型黄班変性症を防ぐ

赤や黒ブドウはアントシアニンやレスベラトロールを含有しますが緑色には含まれません。ただし総抗酸化能はORAC(後述)で比較して赤黒が2016.緑色は1789.天然ブドウの抗酸化成分が網膜構造を護る: 萎縮型黄班変性症も酸化ストレスによる損傷赤ブドウを食べることが眼の健康に大いに寄与することを明らかにした論文が3月の学術誌ニュートリション(the journal Nutrition)に掲載されました。論文はマイアミ大学医学部バスコム・パルマ―眼科学研究所のチームによるもの。(*The Bascom Palmer Eye Institute at the University of Miami Miller School of Medicine)主任はハッカム博士(Abigail S. Hackam, Ph.D., ophthalmology)これは既に明らかになっている天然ブドウ成分が網膜にバイオロジー活性を持つことを実験動物の遺伝子変異解析で証明したものです。「Grape-enriched diet protected retina against damaging effects o...
糖尿病のニュースと解説

赤ワインは糖尿病患者に恩恵を与えるだろう: キンバリー・マーチン博士(ケース・ウェスターン大学)

1. ブドウ・レスベラトロール医薬品開発の新たなトレンドターゲットは糖尿病2008年にレスベラトロールの将来性を評価する大手製薬会社グラクソスミスクラインがレスベラトロール医薬品開発で主導的なベンチャーのサートリス社を800億円で買収。レスベラトロール研究が過熱しましたが、この騒ぎに疑問を呈する学者達からの研究が目に付くようになったのも2008年。ブドウ・レスベラトロールは生体の様々な代謝回路に入り込んで善玉物質の選択と活性化に働く機能の研究で注目されていますが、特に注目さたのは「レスベラトロールは多様な原因(多因性)で発症する2型糖尿病の予防、改善、治療に最適であろう」。ところが天然ブドウ由来のレスベラトロールは高価な物質ですから多様な実験には適しません。ガンや生活習慣病を対象とした医薬品開発を目的とする企業は合成レスベラトロールによって実験と治験を続けていました。合成レスベラトロールによる2型糖尿病の治験はインドなどで続けられましたが効果を得るには大量投与が必要だったようです。このような合成レスベラトロールを大量に投与する流れに、安全性確保の観点から異論を唱える研究論文がマスコミで...
糖尿病のニュースと解説

肥満と糖尿病はブドウ・レスベラトロールが予防する: PPAR、Th2インターロイキン、GLUTとは

1. 肥満と糖尿病のメカニズムに新たな展開飽食の時代に先進国の永遠のテーマは万病の元である肥満防止ですが、飢餓が広がる国にはカロリー制限効果どころか、栄養失調と、不衛生や免疫力低下による感染症の拡大があります。食の問題は常に不公平ですが、健康を蝕む飽食を喜んではいられません。 2. 脂肪細胞の肥大化と脂肪細胞前躯体(preadipocyte)の増殖をレスベラトロールが防ぐ(ウルム大学:ドイツ)少し前の話になりますが2008年6月15日からサンフランシスコで、世界最大、最古の米国内分泌協会(The Endocrine Society)の第90回定例総会が開催されましたが会期中の6月17日にプレゼンテーションされたウルム大学(ドイツ)女性研究者の肥満のメカニズムに一歩近づいた研究が多くの注目を集めました。「肥満との戦いにブドウ・レスベラトロールが役立つだろう」(Red wine's resveratrol may help battle obesity)ブドウ・レスベラトロールにカロリー・リストリクションと同様の効果があるならば「脂肪細胞のサイズを変える機能の有無も探求したい」「脂肪細胞数...
世界の健康と食の安全ニュース

乳がん発現を阻害するブドウ・レスベラトロール

10月は世界乳がん注意月間(Breast Cancer Awareness Month:BCAM).1985年に米国の全米がん協会が製薬会社の協賛で始めた行事.National Breast Cancer Awareness Month (NBCAM)90年代の初めごろよりピンクリボンが民間癌基金などの行事シンボルとなりました.発祥の米国では大統領が早期発見を訴え、ホワイトハウスがピンクに染まります。(official press photo by the White house.)危険因子の酸化酵素CYP1B1とダイオキシンTCDD1.乳がんを防ぐブドウ・レスベラトロール(resveratrol)世界では毎年約138万人の乳がん患者が発生.45万8千人が死亡するといわれます。乳がんは不妊や未婚女性に多いといわれますが原因はいまだに不明。アメリカでは最大原因を都市化と西欧風ライフスタイルによる肥満、糖尿病、動脈硬化を原因とする遺伝子変異と捉えています。早期発見が完治のカギですが、死者の内、約26万9千人は経済面から発見が遅れる低所得層が多い国。これらの国は毎年着実に患者数が増加していま...
健康と食品の解説

バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり

狭い国土にはブドウ栽培適地が少ないために栽培は食用ブドウが優先.国産ワインの原料となるブドウは総生産量の1割もありません。2016年10月に国税庁より発表されたデータでは日本産といえるワインは18.7%.(山梨県甲府盆地のブドウ畑)1. ワインの重金属汚染とミネラル含有量のラベル表示ワインには様々な善悪の金属成分が陽イオンの形で存在します。添加物ではありませんがクロム、マンガンなど有害金属イオンが過剰なワインの場合は、パーキンソン病、活性酸素による心臓の損傷、発癌の原因となる可能性も否定はできません。ワインはヨーロッパの日常生活に欠かせない食品。有害性は永らく伏せられてきましたが2007年にワインの重金属汚染調査が食品と金属汚染の専門家であるイギリスの研究者、ノートン教授とペトロッチ博士により発表され話題となりました。調査は代表的ワイン生産国よりいくつかのテーブルワインを選びそのミネラル含有量を調べたものです。国別に有害金属含有量を報告しましたが、特定農産物の安全性を産地や生産者ではなく国別に比較することは困難な作業。その意図は別なところにあったのでしょう。研究者によればその意図はおろ...
健康と食品の解説

スーパー健康食材の黒ブドウが高すぎる本当の理由: 黒ブドウの内外価格差を最新取材

1. 高級化路線以外の選択肢が少ない日本のフルーツ生産日本のフルーツは世界と比較して美味しいものが多い。メロン、イチゴ、リンゴ、ナシ、桃などは他国に類例が見当たらないほど美味しい産品があります。ところが美味しいのは品種改良された高級品ばかり。ほとんどの生産者が高く売れる高級品を追求しますからフルーツ全体の価格が他国に類例が見当たらないほど高くなっています。国土が狭く、フルーツ栽培の適地が少ないのと、生産集約度が低く、コスト高のために高級品に特化しないと競争力がないからです。ブドウとかんきつ類は健康度が高いだけに温帯地域、亜熱帯地域の多くの国が栽培し、価格競争が激しいフルーツ。集約度の低い日本のフルーツ生産は普及品に限れば競争力がほとんどありません。2. 日本のブドウはなぜ高い日本は1960年代前半まではワイン市場が未熟で、ごく甘いワインが売れる時代でした。ワイン用には米国原種(Vitis labrusca)の甘いコンコード(concord:黒色ブドウ)、ナイアガラ(niagara:コンコードから派生した緑系ブドウ)などを導入していました。近年は食用(table grapes)もワイン用...
健康と食品の解説

ブドウ・レスベラトロールと乳がん治療のエピジェネティクス

4月30日(2015年)の日本経済新聞社会面で報道された熊本大学発生医学研究所による乳癌再発制御に関する研究。ホルモン療法による乳癌治療後、当該エストロゲン受容体周辺に、がん遺伝子を活性化させる分子が多数発生していることを突き止めたということです。研究者らは薬剤耐性が発生する原因となっているその分子の活性化抑制物質を探索。ブドウ・ポリフェノールのレスベラトロールに最も強い制御能力を見出したそうです。1.エピジェネティクス(epigenetics)科学とレスベラトロール熊本大学発生医学研究所は生命科学の先端研究手法の一つエピジェネティクスの探求で知られています。今回の報告は癌や生活習慣病を研究する中尾 光善教授 、 斉藤 典子准教授 らの研究室が主導しました。エピジェネティクスは2010年頃より医療業界で話題となっている概念。DNAたんぱく質が突然変異や親から子へ受け継がれる以外に、食生活、体組織の酸化、大気汚染、紫外線などの環境汚染によって変化、疾病が発現する実態を探求する学問。DNAたんぱく質のアミノ酸配列(組成)を変化させることなく機能が異質となる現象の追求と言い換えることができま...
世界の健康と食の安全ニュース

塩分が寿命短縮を加速させる青少年の肥満体: ジョージア・リージェント大学

4月に米国ジョージア州で開催されるゴルフ界最大の祭典マスターズ・ゴルフ。そのゴルフ場(Augusta National)にごく近い場所オーガスタ(Augusta)に医学研究で名高いジョージア・リージェント大学(Georgia Regents University)があります。リージェント大学医学部はこれまでにも多くの有用な研究を生み出してきましたが、「肥満と塩分と寿命」の相関について小児科(Pediatrics at Medical College )の中国人女性研究者(Haidong Zhu博士)らが学会で新鮮な切り口の報告をして話題となりました。青少年の肥満急増は米国の大きな社会問題。2012年には大統領夫人が解決に乗り出すほど深刻化しています。朱(Haidong Zhu)博士は西安の医科大学を1986年に卒業。北京やロンドン大学(St. George's Hospital Medical School, Univ of London)で分子生物学、生物化学(Molecular Biology 、Biochemistry)をマスター。現在はリージェント大学で助教授を務めている中堅、...
健康と食品の解説

ブドウ・レスベラトロールが記憶と脳の柔軟性経路を制御する

1.ブドウ・レスベラトロールが記憶と脳の柔軟性(可塑性)を制御するマサチューセッツ工科大学(MIT)に属するMITピカワー学習・記憶研究所(PILM)より長寿のポリフェノールで知られるレスベラトロールに記憶力を増大させ脳力を強める(頭が良くなる)働きがあることが報告されました。7月11日発行のネイチャー誌に発表されたものですが、主筆はサイ教授(Li-Huei Tsai)。「新たな経路がマイクロリボ核酸134とサーチュイン1(SIRT1)を経由して、記憶と脳の柔軟性(可塑性)を制御する」(A novel pathway regulates memory and plasticity via SIRT1 and miR-134).論文詳細は省きますが、この研究はアルツハイマー(Alzheimer)や脳神経を衰弱させる諸病治療の医薬品開発につながると期待されています。発表したサイ教授らのグループは、レスベラトロールがサーチュイン(sirtuins)を活性化させ長寿を達成する機能ばかりでなく、加齢による神経変性異常(neurodegenerative disorders)を防ぐことを、すでに報...
健康と食品の解説

ブドウ・レスベラトロールはガン阻害物質に変化する

「ブドウ・レスべラトロールは体内で代謝されると化学反応を起こし、硫化レスベラトロールになることによってガン退治により有用になる」という8年間の実験に基づいた研究が発表されました。かってはブドウ・レスべラトロールは体内代謝が早く効果が無くなると否定した研究者もいましたが、それを否定するばかりか、発表された研究によれば効用はこれまで知られていたデータをはるかに上回ることが確認されています。。この研究は英国中部のレスター大学癌研究と分子医薬品the University of Leicester's Department of Cancer Studies and Molecular Medicinの研究者らがサイエンス・トランスレート・メディシン誌(Science Translational Medicine)に掲載したものです。「Red wine chemical remains effective against cancer after the body converts it:赤ワインの化学物質(ブドウ・レスベラトロール)は体内化学反応でガン退治の有効物質に変換」この研究ではブドウ...
健康と食品の解説

ブドウ・レスベラトロールが卵巣老化を防止

遺伝子工学による不妊治療と若返り: 1.卵巣は最も老化の早い器官男女にかかわらずアンチエージングは大きな関心事。特に女性の美容にとって最大の敵が老化.ほとんどの女性にとって抗老化は最大の関心事かもしれません。ところが他の体内器官に較べ老化が早い卵巣(ovarian)に関する細胞の代謝については研究論文があまりありませんでした。女性は30才を過ぎると卵巣の質が低下し始め、卵母細胞(oocytes)の染色体異常がみられるようになるといわれます(米国人)。また40才が近づくとその質は急降下。この卵巣機能低下のプロセスを把握することが老化防止、不妊治療の近道として実験を繰り返しているのがハーバード大学医学部医学部幹細胞研究所教授のジョナサン・ティリー博士(Jonathan L Tilly)と長寿のレスベラトロール機能を発見した遺伝学部のデーヴィッド・シンクレアー博士(David A. Sinclai)ら。二人は今年6月に新たな論文を発表しました。ジョナサン・ティリー博士はマサチューセッツ州総合病院において不妊治療にも取り組んでいます。2.加齢のメカニズムを理解することにより不妊治療が大きく進展...
健康と食品の解説

少量のレスベラトロールでカロリー・リストリクション

カロリー・リストリクション(CR)効果: 少量のレスベラトロールで長寿を達成1. ワイン・レスベラトロールが欧米で話題沸騰ボストンのサートリス社はレスベラトロールの研究で中心的な役割を果たしているハーバード大学医学部と産学協同でレスベラトロールの新薬開発をしているベンチャー企業。ハーバード大学のシンクレアー教授を中心に設立されました。2008年6月に入り大手製薬会社のグラクソ・スミス・クラインによるサートリス社買収が完結しました。買収金額は1株当たり22ドル、開発途上の研究会社としては異例の総額720万ドル(約800億円)と報道されています。この頃(6月4日)に北部のウィスコンシン・マディソン大学と南部のフロリダ大学が「少量のブドウ・レスベラトロールでカロリック・リストリクション効果が得られる?」をテーマにした共同研究を発表しました(オープン・アクセスの科学ジャーナル誌:PLOS one)(Public Library of Science One)。ブドウ・レスベラトロールのダイエット効果、アンチエージング効果などが現実性を持ってきたことは、専門誌を始め、米国では最大手の新聞U.S....