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ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第三十四話:「新年を展望する」

平成27年は、干支でいうと「乙未(きのとひつじ)」となりますが、一般的には十二支の方で〝羊年“をさすので、そのヒツジに関する話題から稿を起こすことにします。「未」という字は、枝がまだまだ伸びきっていない状態の木の形を示したもので、未来、未熟、未明などの言葉から「み」が本来の読みです。一方「羊」の字は、動物のヒツジを正面から見たときの、角と上半身を表した形から来たもので、後ろ足までの全体を表し、成熟したヒツジの美形を表したのが「美」という字だと言われております。そのため、めでたく良い意味を持つ言葉;祥・義・善・翔等に用いられて来ました。その意味でも、旧年のような「羊頭を懸けて狗肉(犬の肉)を売る」悪徳業者が世界から消えてなくなり、「羊に虎の皮を着せた」政治家や似非評論家が世間の表舞台から居なくなって、一説に平和の象徴ともされてきた「羊」本来の完全美の姿を表徴した文字「美」を具現する新年であって欲しいものです。 ところで、昨今世界の注目を浴びているのが東西の一神教に対峙する古代の多神教であり、中でも西洋的な“God”が最初に存在するという言葉の文化を持つギリシャ・ローマの多神教よりも、我が...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第三十三話:「旧年を回顧する」

あっと言う間の衆院解散・総選挙が終わって、どうやらアベノミクスが信任され、 安倍政権にとって4年ないしは5~6年の延命が担保された模様です。野党や多くのマスコミが大義なき解散と騒ぎましたが、実は去る4月の消費税8%の負の衝撃は深刻であり、経済の改善基調がすっかり暗転してしまっていたことと、実質収入の悪化と消費の委縮は危険信号を示していたのです。にも拘らず、財務省や与野党増税派議員は、野放図な御用学者らの無責任論にも踊らされ、1年後の10%所費税を既定路線としていたからこそ、大義なき解散などと言う危機意識ゼロの発言に繋がったといえるでしょう。10月末の異次元緩和の追加策とて、実体経済押し上げ効果はなく、「増税の悪影響を相殺できる」との日銀総裁の楽観的進言も、増税起因のアベノミクスとん挫を防ぎ得なかった分けで、首相が増税の更なる延期を世に問う決断は、まさに当を得たものだったと言えるのです。小筆の情報源にアベノミクスに代替する脱デフレ施策は皆無であり、総選挙で信を問うことはある意味で必然だったと考えます。 今般特筆すべきだったのは、隠然たる財務省を正面に据えて刃向った初の内閣であったことでは...
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第三十二話:「欲望丸出し中国・欧米企業「拝金主義」は曲がり角」 〝サムライ資本主義〟が世界をリードする

■金融資本主義から公益資本主義へアダム スミスが「国富論」を書いて「神の見えざる手」という表現を用いた背景には、深い人間理解があったと言われております。すなわち、人間には誰しも〝弱く愚かな人間〟と〝強くて賢い人間〟という二律背反する資質があって、前者が突出してしまうと、他の人のことなどよく考えずに短絡的な欲望に走ってしまうが、一方で後者が前面に出てくることでそのバランスをとることができる|というわけです。ある意味、産業革命以降の欧米先導の世界は、モノの豊かさを追い求めることにとらわれすぎて、株主資本主義と市場経済万能主義が合体して「金融資本主義」に行き着いてしまったように思われます。欧米や中華系資本家に代表される、いわゆる「モメンタムプレイヤー」と呼ばれるヘッジファンドやアクティビスト(物言う投資家)、今流行のFXトレーダーなどはいずれも投機的なゼロサムゲームに過ぎず、人為的にバブルを起こし崩壊させると言う暴挙がまかり通ってきたことに、グローバル経済の害毒性、反社会性を痛感します。近時日本も、こうした金融資本主義の迷惑を相当被っているものの、もともと「武士道の心」に立脚してきた明治から...
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第三十一話:「企業による文化支援で地方創生を」

我が国が戦後の経済成長につれ、先ずは農漁業から製造・建設業へと、次いで製造建設分野からサービス産業へと、労働人口が急速に移動した結果、現在では第一次産業就労者は激減して約3百万人、第二次産業人口も減少し続け、今や1千8百万人、そして」第三次産業人口は増加中の4千4百万人となっております。総労働人口6400万人に占める比率は、それぞれ順に5%、27%、68%で、これを約半世紀前(1970年の総労働人口は今よりも約1千万人少なかったのですが、以下は産業別比率で捉えています)と比較しますと、当時は20%、34%、47%でしたから、農漁業人口比の8割もの大幅減と製造業人口比2割減が、あわせてそのまま、サービス産業の人口比急増へと振り替わったことが分かります。この傾向からも地場産業の衰退と少子高齢化が一層加速され地方の過疎化は今後ますます進み、全国1700市町村のうち、近いうちに半数以上もの存続さえ危ぶまれているようです。地方創生が政治の課題となっているのも宜なるかなと思います。但し、これまで発表されてきた中央や地方政府による近視眼的な諸施策だけでは、何か一本欠けているような気がしますし、筋の通...
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第三十〇話:「ソフトパワーはハードパワーに勝る」

“ペンは剣よりも強し”とか“財貨は兵器より重し”は良く耳にする西欧の格言ですが、21世紀の今、改めて吟味すべき教えではないでしょうか。20世紀前半こそ、先進大国間では軍事で覇を競う二つの世界大戦が起こりましたが、その後の半世紀は、核武装競争~東西冷戦を経て、国家間の競争は経済戦争へと昇華されて来ました。この間、わが国は日米安保の傘の下、経済至上主義を謳歌出来たお陰で“Japan As Number 1”と囃される経済大国へと上り詰めたのでした。しかしながら、戦後教育の失策もあり、道義と文化立国の大切さを忘れ、経済成長後の内政の混乱や外交戦略の稚拙さも相俟って、次第に国際評価を落としてしまったようです。つまり、片手落ちの生半可なソフトパワーでは、真の国際的リーダーにはなり得なかったのです。ましてや、中国やロシアという軍事大国や、同じく核を持つ北朝鮮や、史実を曲げてまで執拗な外交戦略を仕掛けて日本を貶めようとする韓国のような隣国に囲まれている我が国が取るべき唯一の道は、経済力、文化力、外交力をフル装備した「総合的ソフトパワー」で世界へ雄飛すべきだと考える次第です。 先ずは、経済力アップ、即...
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第二十九話:乳幼児・子供の事件増を憂い教育を考える

このところ、乳児DV・幼児誘拐殺人遺棄とか、少年少女による友人や肉親の殺人等凶悪犯罪の報道が増えてきたことに危機感を覚える次第です。もっとも、「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛めば大々的に報道される」と言われるように、未成年者誘拐、殺傷事件の発生が、年間四十数万件にも達する北米などでは、余程凶悪卑劣で事件拡大の恐れが大きいケースしか新聞テレビ沙汰にならないのに比べて、遥かに治安がよく、凶悪事件発生率が極めて僅少な日本においては、殊に少年少女にかかわる殺人事件がいったん起こってしまえば、これは、天地を揺るがす大事件として報道されるのは理解出来ますし、ましてや年間90件も超えたとすれば、由々しき大問題として取り上げられるのは当然かもしれません。良く伝え聞く“教育四訓”では「乳児は肌を離すな。幼児は肌を離して、手を離すな。少年は手を離して目を離すな。青年は目を離して心を離すな。」と教えてくれますが、日本では、昔は“子は授かりもの。国の宝。」などと、家庭でも、社会でも、学校でも子供を大切にしてきました。これは、江戸時代末期や明治時代に訪日した欧米の文筆家・旅行家・外交官などが、...
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第二十八話:マスコミが報道する「産業の空洞化」のアンチテーゼ

■商業への回帰本稿ではマスコミ報道のアンチテーゼに挑んでみたいと思います。数十年来、盛んに危機感があおられている「産業の空洞化」についてです。その前に、産業革命以後の世界の経済をざっと振り返ってみますと、まず職人気質、すなわち科学技術主導の工業化が国冨を蓄積し、いわゆる先進諸国にリーダーシップをもたらせました。その延長線上で、軍需産業の進捗が核の脅威を生み、それが東西冷戦の終結へと向かいました。その後は、共産主義経済圏の資本主義・自由経済圏への参画によって、分断され偏在していた交易市場が、一挙に全世界へと拡大。それとともに、宇宙産業の民営化から生まれたIT技術が金融工学と結びついて、世界の人・モノ・カネが、加速度的な勢いで巨大な移動と交流を生み出す結果となっております。今、世界はグローバル経済時代に入っていますが、実はその本質は「商業への回帰」であるように思えます。古代返りというべきか、パラダイムの逆転が起こりつつあるのです。筆者が世界に向けてマーケティングに取組んだ頃、先輩たちから「商人道を学ぶなら、〝チャ・イン・パキ、イラ・イラ・レバ・シリ、ジュウ・トルコ〟(華僑、インド人、パキス...
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第二十七話:日本が「21世紀の世界」を変えていく: 「長寿」「神話的美徳」「最先端技術」有する日本の可能性

■大量生産・大量消費→有限・閉塞20世紀までは、世界がある程度無限に拡大してゆくといった考え方を前提として、環境負荷に気を留めることもなく、大量生産、大量消費社会が先進的とされてきました。ところが、21世紀を迎える寸前あたりから、新興国や発展途上国もが、この路線を踏襲した結果、世界にモノがあふれはじめ、環境破壊が問題化し、今や世界には早急に取り組むべき課題が山積し、地球の有限性が実感されるようになっております。米欧日・先進国全体が活力を失い、国民も閉塞感と不安感に押しつぶされそうな雲行きを呈し始めているのです。そこで、次の世代の社会像を提示・実行することで、同じ課題に遭遇する世界各国に対して、新たなる先進性を具象化することこそ、日本が取るべき道であり、またそのチャンスはかなり大きいと考えます。■日本に豊富にある「都市鉱山」資源人工物を大量生産して、先進国から新興国へ、新興国から発展途上国へと無限に普及拡大する発展モデルを脱し、「世界は有限」の想定下でさらなる有効需要を創造してゆくという転換を図るためには、工業化社会が生み出した負の側面をどう克服するかにかかっているといえます。中でも重要...
ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)

第二十六話:エボラ出血熱で露呈した西アフリカの資源ラッシュと疫病リスク

西アフリカのガーナ、コートジボワール、リベリア、ギニア、シェラレオネなどの群小国では、今世紀に入って次々と資源が発見されて、中国・インドを先頭に欧米系を含めた資源権益獲得競争が激化して来ました。そうした外国人参入者の急増が起爆剤となったのか、それともインフラ未整備、内戦続発など政情不安がエイズ、エボラ出血熱、黄熱病などの疫病対策の遅れを生んだのか、此処へ来て、致死率が90~50%と特に高い「エボラ出血熱」の感染者の拡大から、四か国で「非常事態宣言」の発令を余儀なくされるに至っております。ところで、アフリカ大陸と南アメリカ大陸は、大西洋を挟んで離れてはおりますが、太古の昔、両大陸はひとつだったそうで、マントル対流による大陸移動で分裂した際の、分かれ目同士であることは、具に地図を見比べると良く分かります。従って両者には資源埋蔵の共通性が認められ、内陸の石油、天然ガス・石炭や高品位鉄鉱石から、金・銅および副産物のコバルト、ニッケルまで、そして沖合の深海開発でも大型油田が多数見つかっており、西アフリカ一帯が、大資源国ブラジルの再来とも、第二のブラジルとも呼ばれるようになって来ました。かつての植...
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第二十五話:中東の支離滅裂を招いたオバマ米国外交

米国が警察官を辞めた世界は、ウクライナであれ、南シナ海であれ、世界の秩序があちこちで崩壊しておりますが、なかでも中東における国際テロは、アルカイーダから派生したISIS(イラク・シリアのイスラム国)というイスラム教スンニ派の過激武装勢力によるイラク北西部制圧とバグダッド進撃で、ついに米政府要員、大使館、領事館が脅かされるに至りました。しびれを切らした米議会は、これまで軍事行動を頑なに拒絶してきたオバマを焚き付け、ついに限定的とはいえ空爆実施に踏み切らせることとなりました。イスラエルによるガザ空爆も目下停戦中でハマスとの折衝下にあると言えども、先行きの和平は期待できそうもありません。これも、パレスチナ問題から手を引いたオバマ外交に痺れを切らしたイスラエルの自衛戦に端を発しており、戦乱の中東ドミノ倒しは、ますます広がりそうな雲行きです。ISISによる国境を越えた支配地域の拡大策と勢力膨張は、シリア、イランに跨るだけに留まらず、これまで比較的に安定していたヨルダン、レバノンなど、キリスト教徒も多く住む諸国にも押し寄せ、“肥沃な三日月地帯”と言われる古代メソポタミア地域一帯の液状化を加速させて...
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第二十四話:「中国とは謝絶せよ 」

百有余年前、福沢諭吉は「清と朝鮮は“アジア東方の悪友”であるからして、“謝絶”するものなり」と明治日本へ警鐘を鳴らしましたが、この提言は極めて意味深長で、且つ現実味を帯びて、現今の我々にも深く考えさせる滋味を含んで居ります。今般、またも大手流通企業が、中国食品欺瞞に見舞われましたが、低価格だけを追って、“安物買いの銭失い”の愚を繰り返すのは、いい加減にして欲しいものです。既に世界の常識となっていることですが、中国人でも政官財各界人をはじめ、高所得者層は、「日本産食品を主に、少なくとも高級欧米産品しか口にしない。仮に欧米ブランドでも中国産品は一切買わない。」と言われて久しいのにも拘わらず、業者であれ、消費者であれ、「中国製食品」に関して根本的警戒心欠損としか思えません。千数百年来、中国には「羊頭狗肉」という言葉があるように、今も肉加工品にネズミ、キツネ、イタチなどを混ぜるのは頻繁だし、ベビーフードや粉ミルクに化学物質を混入させ、自国は勿論、米国の赤ちゃんにまで多くの病死をもたらしたことなどに鑑みても、中国リスクは甘い規制や審査の網の目など、やすやすと潜り抜けているのです。危険性は、食のみ...
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第二十三話:「ウクライナ危機は複雑怪奇・プーチンはどう出るか」

ウクライナ東部上空で撃墜されたマレーシア航空機の残骸写真を専門家が分析したところ、ミサイル攻撃が明白であるとして、米紙などの見方によると、親ロシア派武装集団が民間機を“ウクライナ軍用機であると見誤った”攻撃であったとの報道がされています。そのミサイルの高性能ぶりから、ロシア製の地対空ブクだとして、多くの西側マスコミがロシアの関与ありと即断しプーチンの介在を匂わせ、「プーチンの過ちがロシアを窮地に」とか「策に溺れたプーチン」といった論評が目立つようです。しかし、今のところロシアは国際的な調査を妨害したり、ウクライナ東部へ派兵したりといった策略を巡らせてはおりませんし、事故当事者であるマレーシアとウクライナを差し置いて、欧米の一方的なロシア糾弾のヒートアップだけが取りあげられているように見受けられます。確かに犠牲者の多くがオランダ人・英・独人やオーストラリア人だったことと、ウクライナをめぐるEUとロシアの綱引きが背景にあることは理解できますが、是非論を急ぐほど、この問題は単純ではなく、ウクライナの財務危機、経済不況、多民族事情が絡む内政・外交・安保問題の輻輳と混乱、内戦テロなど、複雑怪奇な...
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第二十二話:「中韓の反日共闘激化には冷静な包囲網対策を」

中韓の接近や対日歴史戦共闘には、両国の内政悪化事情と同床異夢的な思惑の食い違いが背景にあり、必ずしも広範な世界の賛同を得てはいないようなので、いずれ空中分解するのではないかと思われます。中国は、強引な領海進出でベトナム、フィリピンを敵に回すとともに、経済や外交のゴリ押しから、我が国は勿論、豪州・アフリカやインドを含む周辺南アジア諸国の警戒感を強めさせ、ますます孤立化が目立ってきました。一方韓国は、低迷する有力企業の資本と市場を中国に握られており、北朝鮮の核の抑止も兼ねた中国への接近だというのが、外部報道の定説です。その根本的要因はアメリカにあり、あくまで軍事面でも外交面でも弱腰のオバマ迷走政治が、中国の勝手気儘を許し、韓国からすれば、北の軍事的脅威を抑止してくれる筈の米国への不信感を拭いきれず、中国との二股掛けの安保に走ったのではないかと見られています。いずれにせよ日本にとっても、これまでのように米国への一方的な安保依存と平和ボケ外交・防衛無策を踏襲するのは危険極まりない国際情勢となっていることにもっと覚醒すべきではないかと思います。 もう一つの背景はアベノミクスによる日本経済の活性化...
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第二十一話:記憶遺産登録に見る中韓の歴史観にどう向き合うか

中国と韓国による“偏向した歴史認識による反日宣伝活動”がいよいよ過激度を増して来たようです。今般、中国政府発表によって、南京事件と慰安婦関連資料をユネスコの世界記憶遺産として登録するよう申請したことが明らかになりました。これは日本による戦争被害を全世界へ向けて一方的に訴求し、歴史の真相を知り得ない人道・人権主義者たちを抱き込もうとする極めて卑劣な試みと断じるほかありません。ここで留意すべきは、これまでのように、日本政府が中国に対し、単に遺憾を表明し申請取り下げを求めて抗議するだけでは事が済まないと言うことを日本の政官民が肝に銘じ、世界へ向けて日本の各界から、出来るだけ客観性のある史実を公表し、中國による提出資料の偏向や捏造ぶりを世界へ向けて、声高にアッピールし続けることが不可避だと考えます。 我が国として既に経験して来たように、韓国による従軍慰安婦問題諸活動に対して当初から日本の政府や外務省の対応が不十分・不適切であった為、米国の地方議会や国会どころか、ジュネーブの国連人権理事会へも訴求され委員会へのクワラスミ報告書まで提出されてしまったのでした。国際世論形成や政治外交上の宣伝情報戦で...
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第二十話:「食糧危機を考える」

地球人口の爆発を待つまでもなく、ある意味では既に食糧危機が始まったともいえるし、少なくとも人類として食糧問題を真剣に考え、食糧危機を未然に防ぐ手を逸早く打っておく必要があると考えます。ご存知のように、BRICS諸国経済の成長鈍化と資源開発の激化は、世界の日用雑貨品やコモディティ産品の供給過剰、先安観を齎しております。鉄鉱石や銅は、産元で一時の三分の二迄値を下げ、原油先物価格も現価の八掛けまで安くなっております。そんな中で、唯一食糧だけが先高感を漂い始めているのです。この裏に、世界人口の四割も占める人口大国、中国とインドがあることは自明の理でしょう。なかでも、一昔前までは三大穀物を中心に有力な食糧輸出国だった中国が、ここへ来て国内需要を賄えなくなったのか、大量の大豆やトウモロコシ、そして小麦や米までも輸入し始めているのです。おそらく食糧需給ひっ迫を見越した習政権による食糧戦略の転換があったと見て良さそうです。 中国の農業政策と言えば、毛沢東時代の大飢饉を招いた失政や、高度成長時代の農業増産成果など、振幅の大きなブレが想起されます。噂の域を出ませんが、毛沢東政権による「コメや麦を食い荒らす...