第三十四話:「新年を展望する」
平成27年は、干支でいうと「乙未(きのとひつじ)」となりますが、一般的には十二支の方で〝羊年“をさすので、そのヒツジに関する話題から稿を起こすことにします。「未」という字は、枝がまだまだ伸びきっていない状態の木の形を示したもので、未来、未熟、未明などの言葉から「み」が本来の読みです。一方「羊」の字は、動物のヒツジを正面から見たときの、角と上半身を表した形から来たもので、後ろ足までの全体を表し、成熟したヒツジの美形を表したのが「美」という字だと言われております。そのため、めでたく良い意味を持つ言葉;祥・義・善・翔等に用いられて来ました。その意味でも、旧年のような「羊頭を懸けて狗肉(犬の肉)を売る」悪徳業者が世界から消えてなくなり、「羊に虎の皮を着せた」政治家や似非評論家が世間の表舞台から居なくなって、一説に平和の象徴ともされてきた「羊」本来の完全美の姿を表徴した文字「美」を具現する新年であって欲しいものです。 ところで、昨今世界の注目を浴びているのが東西の一神教に対峙する古代の多神教であり、中でも西洋的な“God”が最初に存在するという言葉の文化を持つギリシャ・ローマの多神教よりも、我が...