湘南地方中心部に位置する湘南学園幼稚園(藤沢市鵠沼)では毎年、「がたぺちゃたランド」と称する
児童のアート展示会を開催している。
個性と豊かな感性を育む教育方針は幼稚園から一貫しており、園児の展示会とは思えないレベルの高さ。
脈々と根付いている「湘南文化」の種は此処に蒔かれていると実感できる。
先に湘南学園OBと高校生のアートをご紹介したが、温暖な気候とおおらかな海に囲まれて育つ
「湘南インプレッショニズム」の若芽は先輩たちに劣らない。
特に今年(2010年11月28日)のフェスティバルの充実は素晴らしかった。
アートに関心がある方ならば1時間以上鑑賞しても見飽きない。
展示会の成功は湘南文化の遺伝子を引き継ぐ指導者達の能力に負う部分が大きい。
見事な全体構成。個々のディスプレイや導線装飾のアイディア。
園児の能力をフルに引き出す作品の装丁。
周到な準備と情熱が無ければここまで出来ない。その努力に敬意を表したい。
湘南高校に学び、江ノ島をプレイグラウンドとしていたノーベル賞の根岸博士曰く(いわく)。
「どんな分野でも、優れた指導者がマンツーマンで指導することが重要」
「優れた才能は、幼年期より自然科学に親しみ、豊かで鋭い感性を磨くことによって花開く」
湘南学園の独創性尊重、豊かな感性を引き出し、個性を磨くことに注力する教育方針は、
各分野で活躍する人材を育てることを確信できる。
(写真上)エントランスロビー.4歳児の墨(すみ)による自画像.絵も個性溢れるが指導者が構成する
ディスプレイが素晴らしい.
(写真上)トンネル水槽.最年長の5歳児が作った水族館の目玉.
江ノ島水族館、金沢八景シーパラダイスに親しんでいる園児たちの発案.
(写真上)イメージとなった金沢八景のトンネル水槽
写真下は様々な魚介類を粘土、紙で製作.下右は「エイ」
(写真上)最年少の3才児が絵の具にまみれて描いた巨大なキャンバス.色彩バランスが素晴らしいが、
作品を導線にディスプレイする指導者のアイディアがアートを盛り上げている
(写真上)園庭で飼育しているチャボと鳥骨鶏(うこっけい).感性溢れる写生からは生き物への
愛情が伝わってくる.
(写真上)4才児作品の粘土造形(自分の顔).表現が明るく、満足感が表現されていて面白い。
(指導者だろうが)装丁の色彩感覚が素晴らしい.
(写真上)3才児の造形作品が椅子の上に置いてある.
この造形からのインスピレーションを5才児が椅子の上にディスプレイされている絵にする.
具象、抽象が入り乱れ、表現力が豊かに育っている.
(写真上右)3才児の造形作品
(写真上右)5才児が書いた絵.
祭りは幼児、子供に強い印象を与えている
(写真上)5才児が提案した「祭り」.アラカルトが祭りの「伝統」を良く捉えている.
お御輿(みこし)は当然かもしれないが人力車を結びつけた感性が面白い
写真は無いが射的(しゃてき)もありました。
(写真上)祭りにチョコバナ[左)と焼き鳥は欠かせない.紙や粘土で製作
(写真上)年長の5歳児が作った水に浮かぶ具象の造形。外来の幼児対象に金魚掬いをさせていた.
(写真下)個性溢れる作品を引き立たせるディスプレイや装丁に指導者のセンスを感じる.