「ブドウ・レスべラトロールは体内で代謝されると化学反応を起こし、
硫化レスベラトロールになることによってガン退治により有用になる」という8年間の実験に基づいた研究が発表されました。
かってはブドウ・レスべラトロールは体内代謝が早く効果が無くなると
否定した研究者もいましたが、それを否定するばかりか、発表された研究によれば
効用はこれまで知られていたデータをはるかに上回ることが確認されています。。
この研究は英国中部のレスター大学癌研究と分子医薬品
the University of Leicester’s Department of Cancer Studies and Molecular Medicinの研究者らが
サイエンス・トランスレート・メディシン誌(Science Translational Medicine)に掲載したものです。
「Red wine chemical remains effective against cancer after the body converts it:
赤ワインの化学物質(ブドウ・レスベラトロール)は体内化学反応でガン退治の有効物質に変換」
この研究ではブドウ・レスベラトロールは硫化レスべラトロール(resveratrol sulfate)や
グルクロン酸抱合代謝産物(glucuronide metabolites)に代謝された後も細胞内に取り込まれており、
ブドウ・レスベラトロールの細胞内濃度はこれまで考えられていた以上にはるかに大きくなっていました。
中心人物のカレン・ブラウン教授(Professor Karen Brown)は
「我々が最初に発見したのが、ブドウ・レスべラトロールは硫化レスべラトロールに変化することにより
動物の細胞内にとりこまれた後ブドウ・レスべラトロールに再生されることです。
これはブドウレスベラトロールが多種の疾病に大きく貢献する主要物質であることの立証にほかなりません。
我々はネズミの血漿中や他の様々な組織に、この遊離レスべを多数見出すことができました。
硫化レスベラトロールより再生されたブドウ・レスベラトロールは癌細胞内のある抑止成分を
癌細胞に取り込ませ、がん細胞の分化を抑止、成長鈍化に作用します。
ブドウ・レスベラトロールが様々なガンのバラエティーや心臓病より身を守り長寿達成に
貢献することにたくさんの信頼すべきエビデンスが研究室の実験にはあります。」
この研究は寄付で賄われている英国癌研究協会、英国健康省傘下の国立健康研究所 (NIHR)、
レスター癌医薬実験センター(ECMC)、米国国立がん研究所など英米の研究機関に
サポートされ8年間つづけられました。
*Cancer Research UK
*National Institute for Health Research (NIHR)
*Experimental Cancer Medicine Centre in Leicester(ECMC)
*US National Cancer Institute
(参考)
乳がんの危険因子に酸化酵素の一つCYP1B1があります。
CYP1B1はエストロゲンを代謝する内在性基質を持つといわれ、
エストロゲンが関係する癌発現に、特に深く関わります。
CYP1B1はチトクロームP450(cytochrome P450scc)の分子種で細胞内滑面小胞体の
構造部分に結合。
この因子は、乳がんのみならず、悪性腫瘍、ガンの誘導物質としてマークされています。
レスベラトロールはこの因子に出会うとガン遺伝子の発現を抑制する
ピセアタンノール(Piceatannol)に代謝されCYP1B1を阻害するといわれます。
Red Wine Ingredient Resveratrol Stops Breast Cancer Growth
レスター大学 (University of Leicester) は英国レスター市に立地する国立大学。
小規模ながら研究重点思考で英国では最も優れた大学の一つとして、ケンブリッジ大学、
オクスフォード大学に次ぐ人気校といわれる。