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世界の健康と食の安全ニュース

ジビエ料理の実体とE型肝炎の危険性: 生焼け豚肉にも細心の注意が必要

2015年2月3日前後に名古屋の百貨店で味噌カツの豚肉が
生のまま、恵方巻きの具となり販売されました.
大騒ぎになったのは豚生肉は牛肉とは異なってE型肝炎の危険性が非常に
高い食材だからです.
サシミ文化が根付いている日本では牛、馬、鹿、イノシシの生肉食は当たり前.
レバーなどの内臓まで生食する人がいます.
牛、馬の刺身は割烹や居酒屋で供することがありますが、避けた方が無難。
本来は食べる方の自己責任のはずですが、供した飲食店のPL責任が
問われる判例がありますから、料飲店は慎重に扱うのが賢明です。
肉食人種の欧米人は寄生虫、ウィルス、細菌(0-157など)の危険性を
熟知していますから生肉はめったに食べません.
肝炎ウィルスも5種類までは分類されるようになりましたが、その他にも同様な
症状を呈する近似種が色々あります。
*北欧主体のステーキ・タルタルは例外中の例外.
最近はメニューから外すレストランが多くなりました.

 

日本では冬季の渡り鳥が数少ない「獲れたてジビエ」を食するチャンス.
渡り鳥は「鳥インフルエンザ・ウィルス」の運び屋.
死んだ鳥は絶対に触れてはいけません.

 

1. ジビエ料理とは

ジビエ料理(gibier)とは狩猟により獲た、鹿、ウサギ、野鳥などの料理を指しますが、
欧米での実体では飼育された素材を使用することが多く、より素材が少ない
日本では輸入の冷凍飼育鳥獣がほとんどです。
秋から冬にかけて、日本でも一部のフランス料理店ではジビエが売り物メニューになり、
グルメが殺到するといわれます。
2003年の初版でジビエをとりあげた当時に較べ、ファンはより増えていますが、
食素材や感染症の危険知識についてはあまり普及していません。
欧米人は肉類に充分な加熱をします。
狩猟民族に較べ日本は島国の農漁業国だけに肉類の危険知識が足りないようです。

 

2. ジビエ料理で死亡者が

厚生労働省は2003年8月1日に、野生動物の摂食に対する危険を通達しました。
2003年3月に鳥取県で発生した2名のE型肝炎患者が、
いずれも同じ野生イノシシ(wild boar)の肝臓を生食後に発症し、
1名(70才)は劇症肝炎で死亡、他の方も重症肝炎になったからです
(その後の経過は不明)。
兵庫県ではシカ肉を生で食べた4名の方が6-7週間後にE型肝炎を発症し
加西市立加西病院に入院したといわれています。
この事例は日本の学者によって英誌THE LANCETに掲載されました。
厚生労働省によれば、いずれの事例も猪、鹿の狩猟収穫物を、生肉で摂食し、
レバー刺しまで堪能したようです。
相当なグルメではないかと想像していますが、寄生虫や感染症の危険は
知らなかったようです。
刺身の文化を持つ日本人は生肉を好みますが、馬刺しを含めて非常に危険な選択。
E型肝炎(HEV)は人畜共通感染症と疑われている唯一の型。
ピコルナウイルス科のA型肝炎と同様の一過性肝炎で
キャリア(保菌者)になることはありませんが、
第三期の妊婦が感染すると重篤な劇症肝炎になり、20%を超える致死率になると
の研究報告があります。

 

3. ジビエ料理の素材

ジビエ料理では天然の狩猟物が最高の素材と成ります。
狩猟のできる広大な規模の領地を持つ、ヨーロッパの王侯貴族が楽しんできた高級料理。
その醍醐味を、日本で味わおうとして被害に遭ったグルメの気持ちは理解できます。
狩猟が一般的でない日本のレストランでは素材調達が難しいのが実情ですが、
鮮度の良い、即死させた獲物は臭みも無く、非常に美味しいものです。
日本では野生大型動物食材の輸入は検疫所が禁止しており、日本の料理店で食する
ジビエ料理の大半は、飼育素材の輸入冷凍物といっても良いでしょう。
相当量のスパイスで処理しないと、すでにかなりの臭みが出ている素材が多いのは
そのため。
これは山奥で冷凍物や、捕獲後時間の経過した魚の料理を食するようなものです。

 

4. グルメが殺到する天然素材のジビエ料理

食用の魚には、天然、準天然、養殖があり、日本人グルメは天然魚の活き締めや、
生簀料理を求めて、鮮度にこだわります。
同様に、狩猟民族が主体の欧米では、グルメ達に天然素材や鮮度のこだわりがあり、
季節になれば、新鮮素材の探求情報が飛び交います。
本場においても、狩猟による天然の新鮮素材は量的に限られ、
レストランでは飼育物、準飼育物が大部分。
魚の活き締め、神経抜きのごとく、ジビエ料理で珍重されるのは、殺傷部分に
注意して即死させ、内臓が飛び散ったり、半殺し状態で食肉部分が痛まないよう
配慮した獲物。
新鮮で収穫後の保存状態の良いものは臭みが無く、臭いは素材独特の良い香りのみで
あるのは魚と同様ですが、このような良質素材の食経験がある日本人は非常に限られます。

 

5. 冷凍輸入品が多いジビエ料理の素材

冷凍材料はニュージーランド産、カナダ産の飼育された鹿類(venison:しか肉)を除くと、
ほとんどがフランスから輸入されたEU産素材です(2004年現在)。

  • コル・ヴェール(col-vert)(青首鴨)、
  • リエーブル(lievre)(野うさぎ)、
  • マルカッサン(marcassin)(イノシシの赤子)、
  • ペルドリ(perdrix)(野生ウズラ)
  • ペルドロー(perdreau)(perdrixの雛)成長段階でいくつかの呼び名がある。
  • ベカス(becasse)(山シギ)
  • ベカシーヌ(becassine)(田シギ)
  • サルセル(sarcelle)(小さな鴨)
  • ラゴペード・デコッス(lagopede d’ecosse)(雷鳥)
  • フェザン(Faisan)(雉)
  • パロン(Palombe)(野鳩)

 

6. ジビエ料理の生食は危険

日本人グルメが魚の感覚で生食にこだわるのは理解できますが、
現在の自然環境は昔とは異なります。 ジビエ料理は、それなりの知識を持って楽しむことをお奨めいたします。
レストランによっては国産鹿のたたきやタルタルステーキがメニューに なっていることがあるようですが、
ジビエ料理は衛生管理の行き届いた 料理店で摂食し、生食は避けて、良く火が通った料理が無難。
また肉を柔らかくするために、多針のジャカード(Jacquards)で叩いて 処理した素材は危険。
細菌やウィルスが熱の届かない内部に侵入するおそれがあります。

 

7. 監督が行き届かないジビエ料理の素材

国際的に食品の安全に対する行政の関心は高いのですが、これは農畜産物や 水産物の話です。
狩猟捕獲物まで目は届きません。行政管理の行き届かない 猪、鹿、ウサギ、雉、野鴨、鳩類などの
微生物汚染状態や罹病状態は 未知の部分がたくさんあります。 化学物質(肥料、害虫駆除剤、除草剤など)が
公園、ゴルフ場、園芸、林業などで、 広く使用されていますから、自然界で餌を調達する
昆虫や鳥獣に影響が 出ることは十分予想できます。エイズやサーズなど、予想もしなかった耐性菌や
変異ウィルスが出現する時代。 ウェストナイルウィルスを渡り鳥が媒介することも最近の認識。
鹿のプリオン病や猪の寄生虫など、人畜共通感染症が、 これほど話題になってきたことは過去にありません。

 

8. 豚肉のE型肝炎

 

やや古くなった話ですが北海道のスーパーで市販されていた豚レバーの一部から
E型肝炎ウイルスが検出され、人への感染の可能性が示唆されました。
豚肉とE型肝炎ウイルスに関し東芝病院の三代俊治氏による研究報告が
英誌(Journal of General Virology)に 掲載されたため、厚生労働省は
食肉として流通する豚に関しても、
生食すればE型肝炎感染の危険がありうることを通告しています。
自治医大の岡本宏明教授らが行った
全国調査(約2500頭分から採取された血清を分析)によれば、
出荷時期に達したブタの90%にE型肝炎の感染歴があるとのこと。
教授らによれば、免疫物質(抗体)の検出率が成長するにつれて増加し、
出荷時には大半が消えてしまうことから、豚は宿主の役割を果たしている 可能性が高いと
いわれます。
研究によれば養豚業者などの豚への接触程度では感染の確率は低いようです。

 

9. E型肝炎の感染源と流行地域

E型肝炎ウイルスは豚やジビエ料理だけが感染源ではありません。
E型肝炎ウイルスやA型肝炎ウイルスの感染経路は、ウイルスに汚染された食物、
水の摂取、調理人からによる経口感染が多いため、 E型肝炎流行地域(ミャンマー、 インド、 パキスタン、
ボルネオ、 ネパール、 中国、ロシア、 コスタリカ、 メキシコ、 アルジェリア、 コートジボワール、
ソマリア、 およびスーダン)では飲料水、生野菜、果実、魚介類の摂取、外食に 格別の注意をする必要があります。
E型肝炎ウィルスは秋に集中して発生することが知られていますが、 印度、ミャンマー、中国などでは、
雨季の家屋浸水、河川氾濫によって 数万人が感染した事例があります。
道路冠水なども含めて、水が氾濫した後はE型肝炎感染の危険があります。
また、豚、猪、鹿以外にも、鶏など鳥類に宿主の疑いがあるという研究があります。
いずれにせよ野生動物にはE型肝炎以外にも人畜共通感染症の病原性微生物、 寄生虫類等を
保有している可能性が高いため、生食は避けるべきです。
E型肝炎ウィルスは、摂氏63度で30分間か、同等以上の熱処理によって 防ぐことができます。

 

10. 5種類が報告されている肝炎ウィルスの血清

① A型肝炎:hepatitis A virus (HAV):ピコルナウイルス科
発展途上国に多く見られます。
古くから黄疸、塹壕病(ざんごう)などと呼ばれ、 以前はほとんどの人に感染暦があるといわれました。
感染後は免疫ができるため2度と感染しないようです。
経口感染ですから、 食品の生食に注意すれば防ぐことが出来ます。

生牡蠣はA型肝炎、ノロウィルスの最も危険な感染源として知られますが
「殻つき」が安全なわけではありません.
古くから宮城県産は海域が清浄.
紫外線照射減菌をしており、生食用に殻つきで出荷される牡蠣は
安全なはずですが、ウィルス感染は調理人からがほとんどですから例外となりません.
「殻つき」をむき身にする時にウィルスが付着するからです.

最も安全なのはスーパー、魚屋さんで
「むき身の生食用パック詰め」を購入することです(100gのパック:写真下右)。
だだし粒は不揃い。壊れた粒も入っていて「一山幾ら」という販売法。
紫外線照射により旨味はやや減少.調理する場合は加熱用を選択すべきでしょう.
価格がキロ3,000円前後と高く、殻つきと変わりませんから割高感があるかもしれません。

 

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② B型肝炎:hepatitis B virus (HBV):ヘパドナウイルス科
B型肝炎は血液・体液を介して感染する
血清肝炎の代表的な型。
HIVエイズと共に輸血による大量患者の発生で知られ、1990年ごろまでは、
輸血をした多くの人がB型肝炎に感染しました。
C型と並び、生涯にわたり慢性肝炎となり、
肝硬変、肝癌になる恐ろしい肝炎です。
③ C型肝炎:hepatitis C virus (HCV):フラビウイルス科
C型、D型肝炎は最近まで非A非B型と呼ばれていた血清肝炎。
C型肝炎の分類は比較的新しく1974年にニューヨーク血液センターが報告したのが
最初といわれます。
④ D型肝炎:hepatitis D virus (HDV):サテライトウイルス科
D型肝炎はデルタ肝炎ウイルスといわれた
血清肝炎で、B型の感染状態にある宿主に のみ感染します。
⑤ E型肝炎:hepatitis E virus (HEV):ヘペウイルス(Hepeviridas)
臨床的にE型肝炎は経口感染するA型肝炎に酷似しています。
潜伏期間は15-60日位。
黄疸を伴って発症しますが、 無黄疸、無症状(不顕性感染)の場合もあるようです。
E型肝炎は1989年に遺伝子が初めてクローン化され、HEV遺伝子検出が 可能になりました。
典型的な症状は腹痛、食欲不振、濃色尿、発熱、 肝腫大、黄疸、不快感、吐き気および嘔吐などである。
ウイルスはゲノム塩基配列の類似性から暫定的に4型(IからIVまでのタイプ)に 分けられています。
日本にはIIIおよびIV型ウイルスが従来から土着しており、 約5%のヒトが抗体を持っているとの
報告があります。

 

世界の生鮮市場を訪ねると日本人の肉食生活のスケールが極端に小さく、かつ洗練され過ぎているのを
思い知らされます.
日本では検疫が国任せ.肉の生食の怖さを知ることなく、無防備になっています。

初版:2003年8月24日
改訂版:2007年9月5日
改訂版:2015年2月6日

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