日本では野菜や果物の零細農業から脱皮し
工業化された集約農業を目指して、美味しく、生産歩留りと見栄えが良い野菜を作る
動きが強くなっています。
品種改良、水耕栽培、ハウス栽培などが急速に進んでいますが
野菜摂食の最大目的である栄養素やポリフェノールの含有量については
ほとんどのケースで明細を記したファクトシートがありません。
一部の先進的な米国の研究所で最近の野菜類の栄養素を分析したところ、
伝統的な野菜が豊富だった50年前に較べ3割から5割の栄養素減少が明らかになりましたが
50年前のデータが不足しており、その全貌が明らかになるのはまだまだ時間が
かかりそうです。
世界的な潮流ともなっているコストダウンと利益至上主義。
農業先進国に抵抗する動きがあるのは小さな救いでしょう。
フランスは遺伝子組み換え農産物を否定している農業大国でもあります。
フランスのマリー・セシルさんが露地栽培有機農場の最新事情を写真で紹介してくれました。
写真下左は価格表.下右は園内の栽培位置.
(マリー・セシルさんの取材報告:2015年11月)
ナント市内から車で20分強と少々遠いけれど、130ヘクタールの敷地内には野菜や果物の他、
ニワトリやガチョウの飼育もしていて、鶏肉やフォアグラも販売しています。
私達が収穫したのは、長ねぎ、白菜、ズッキーニ、ナス、いんげん、えんどう豆、にんじん、
ピーマン、サラダ菜、トマト、ブロッコリー、りんご(10kg)、いちご、ラズベリーなどなど。
いちごやラズベリーを含めた野菜が28ユーロほど、キロ0.85セントのりんごが
17kgほどあって約15ユーロ、全部で43ユーロくらいでした。
いずれにしても自分達で収穫する分、スーパーで買うより安いです。
(食の安全性がさらに注目されてきた)時代の流れか、最近こういう収穫させてもらえる
農場が各地で増えている気がします。
全長100センチ以上のリーキ.日持ちの良い根付き(泥ネギ)
栄養成分豊富なブロッコリー、カリフラワーがシーズン.
イタリア系のロマネスク種(Broccolo Romanesco:写真上左)もありました.
セロリの収穫は手間取ります.1株のスペースが広いので周辺は穴だらけ.
虫食いキャベツは有機の証.
ハーブ園、花卉も収穫の対象.
キイチゴ属 (Rubus) のラズベリー(raspberry)がシーズンでした.
こちらの呼び名ではフランボワーズ(framboise)
写真上は地鳥のガチョウ.
11月も終わりが近づいた訪問.
黒板には「年末には我々の家禽(にわとり、ガチョウ、鴨、七面鳥など)を使用して
(エシャロット)スープをいかが」.
という意味なのかエシャロットの前に家禽の価格表
売店で収穫の計量と支払.自家製パンやフォアグラなどの加工品も.
採りたての路地栽培野菜や果物は格別の味!
たっぷり自然豊かな晩秋の農園を楽しみました.日本流ならばご家族でどうぞの「観光農園」