昨年(2016年)の主要健康情報を並べてみると、特に珍しいものが無く
ここ数年は同様な情報が右肩上がりに増えています。
情報の半数は医療、食品関連企業の消費者を忘れた金権体質が背景。
短期的な毒性が無ければ安全とばかり、副作用や将来の健康障害を無視して
利益を最優先。
偽装、詐称事件が続出する飲食産業界、食品製造、販売業界の変わらぬ体質。
摘発、警告が続けられていますが、先進国に較べれば
偽称、詐称をあえて誤認と呼ぶ、行政当局の歯がゆい寛容さが目立ちます。
2017年も消費者が賢く行動しない限りこのトレンドが続きます。
1.大隅良典博士にノーベル生理学医学賞
研究が細胞内蛋白質リサイクル機能の糸口であることを認識し、
これからが時間のかかる解明研究の重要さを説いている博士。
基礎医学研究者の資金不足を憂い、ノーベル賞賞金で基金を作る博士。
本来の学者が持つ志の高さに、多くの人が感銘を受けたことでしょう。
2.ロシア・アスリートのドーピング疑惑
2011年から2015年までで延べ1,000人以上のトップアスリートが関与。
2014年にドイツがロシア政府の関与を指摘。
2016年国際反ドーピング機構(WADA)により国ぐるみ関与が認定され
リオ・リンピックへの参加を拒否されました。
2018年の平昌冬季オリンピックにも影響しそうです。
3.豊洲新市場予定地のベンゼン、水銀汚染
https://腎疾患と老化を促進するAGE(終末糖化産物)と異性化糖
https://く知恵(1) 加湿器PHMG騒動:DEET忌避剤:「ロドデノール事件」
4.ジカ熱が米合衆国、中米、南米大陸で大ブレイク
https://蚊ばかりでないジカ熱の媒介:濃厚接触によるヒトヒト感染疑惑も
南米での大ブレイクでオリンピック開催地のリオデジャネイロが危険地として
大騒ぎとなりました。
妊婦が感染した場合に小頭児(microcephaly)出産が恐れられていますが
一般的には症状が軽いケースが多いために中米、ブラジルの感染者数詳細は不明。
一説には数十万人とも言われます。
米合衆国ではニューヨーク、フロリダ、カリフォルニア、テキサスを中心に
2016年12月で34,000人を超える感染者。蚊による直接的なケース以上に
感染者とのセックスにより蔓延しているそうです。
5.DeNa、リクルートHDなどがコピペ健康情報や偽情報を拡散
医薬品まがいのサプリメントで健康被害
でたらめな健康情報拡散はDeNaのWELQばかりではなく、キュレーションサイトといわれる
ヤフーやサイバーエージェントなど各社の情報源の粗雑さが浮き彫りになり
閉鎖が相次ぎました。
この問題はマスメディアを盲信し、偽装列島に寛容な国民性につけこまれた好例。
DeNaなどの健康情報は広告収入が目的。
他のサイトの情報をコピペするばかりでなく、健康産業企業のニュースレリース、
御用学者、医者の解説などを誇大に採り上げ、盲信する読者を操っていましたから悪質。
xxx社のサプリは業界一の大容量、医薬品と同等レベルだから体感度が高い、などなど
長期的な安全性を無視した情報操作が多く、かねてから医療関係者が危惧していました。
ノギボタニカルも自社情報のコピーが相次いだ被害者。
記事変造過程で間違った内容となり、伝えられたことが多々ありました。
https://長寿社会の勝ち組となるには(その1): 健康オタクが癌になり、認知症を防げないなぜ: サプリメントの危険性は薬用ハーブと過剰な摂食量
6.富裕層以外に縁がない癌(がん)特効新薬オプシーボ
新薬のオプシーボは皮膚がん、肺がんの特効薬とされたモノクロナール抗体治療薬。
価格が年間3,500万円。
近いうちに1,500億円以上の売り上げが予想されるため、2017年に半額とするよう
指導されましたが、健保が適用されたとしても庶民には縁が薄い新薬。
米国、英国は日本の価格の20%から50%ですから企業姿勢の相違が明白。
(*健保適用でも1割負担の高齢者は体重が70キロ以上となると
3週間で10万円以上負担になります)
オプシーボ開発の糸口は1992年から1999年に京都大学の本庶 佑博士(ほんじょ・たすく)らの
研究グル―プがPD-1(Programmed cell death 1) モノクローナル抗体の
機能を解明したこと。
がん治療はモノクロナール抗体療法では困難といわれている現状を打破するかもしれない
新薬開発につなげました。
新薬は米国のメダレックス社(現ブリストル・マイヤーズスクイブ:BMS)と共同開発。
2014年7月に小野薬品がこのコンセプトを使用した点滴注射薬のオプジーボを発表。
https://偽装列島を健康に生き抜く知恵(1) 加湿器PHMG騒動:DEET忌避剤:「ロドデノール事件」
https://なぜ日本人には癌死が多い?:淡泊な食事と予防に無関心
7.大規模な鳥インフルエンザがアジアで再燃
昨年(2016年)後半からのウィルスタイプN7N9はかなり規模が
大きいようで、日本でも感染が静かに拡がりつつあり、複数の感染地で
数十万羽規模の殺処分をしています。
いつもながら中国が発生源、韓国に広まったといわれます。
中国、ベトナムの鶏はワクチンを施している業者が
多いといわれますから食用には要注意。
秘密に処分された死鶏が流通する恐れがあり、人体への影響は不明ですが
アジア旅行は鶏食を避けたほうが良いと思います。
12月後半になり中国では河南省で2,000万羽を殺傷処理
これは中国で飼育されている鶏の12%にもあたるといわれます。
https://青海湖から始まる鳥インフルエンザ 鳥インフルエンザ大流行には新型インフルエンザ発生の危険性が
8.有名人に拡がる覚せい剤汚染と筋肉増強、増量剤
シンガーソングライターの飛鳥やプロ野球のスター選手(清原)が
違法薬物にどっぷり浸かっていたのは衝撃的でしたが、
元有名女優(高樹)も石垣島で大麻ざんまい。
「うたのお兄さん」で知られる男優(高知)も摘発され
スポーツや芸能界の汚染が続いています。
芸能界では美川憲一、田代、赤坂などが過去に複数回逮捕されていますが
再犯率が65%近くといわれるのが覚せい剤と麻薬。
簡単には駆除できそうにありません。
プロスポーツ選手が職業上にやむを得ず使用する合成アミノ酸など
筋肉増強策を真似る若者の急増も問題。
習慣性、依存性の危険があり、本来の体内生成能力を漸減させていきます。
ドーピング検査の無いアマスポーツ選手が清原選手も使用していた違法な
中枢神経興奮剤で運動能力を高めようとするトレンドも専門家は危惧しています。
脳神経と肝臓を冒す薬物や体内生成能力を激減させる筋肉増強、増量タンパク質。
このようなサプリメント依存症を少なくとも若者や学生からは
無くしたいものです。
9.若年精神異常者犯罪と認知症の急増
2016年は若者による殺伐とした凶悪犯罪が報道を賑わした1年でした。
神奈川県相模原市津久井では24人の殺傷。19人が死亡。
ナイフ一つでの大量殺傷は狂気としか言いようがありません。
精神病理解明が進むとともに若年より抗精神病薬投与が
年間300日以上の投与が続けられ副作用が問題視されています。
16歳前後では27%が連続投与されているといわれます。
くも膜出血など脳卒中、心臓障害、癌(がん)で死亡する
50から60代の急増。
急性の脳卒中、心臓疾患のために自動車運転中に意識を失い事故を
引き起こすケースや、高齢者の操縦ミスで多数の死者が
発生する事故が多発したのも2016年に特徴的でした。
アクセルとブレーキの踏み間違い事故では12月に81歳の老人に実刑判決
60才代から急増している認知症や徘徊老人の急増は不適切な食生活も原因の
一つとされています。
外食、インスタント食品のウェイトが高まり、発がん性、脳神経障害が疑われる添加物、
動脈硬化に直結する植物性食用油などの食生活が30年から50年続き
各世代にこれまでにない健康障害が顕在化するようになりました。
10.10年ぶり大流行のノロウィルス、インフルエンザ
ノロウィルス蔓延は9月ごろから始まり、11月中旬より急増。
この頃すでに週間報告は昨年の3倍の受診感染者が60万人超。
インフルエンザは年末年始ごろより、各型に免疫のない若者中心に
10年ぶりに週間報告で受診感染者80万人を超える大流行。
双方ともに勢いが衰えません。
ノロウィルスは変異ウィルスが拡大の要素となっているようです。
(インフルエンザやノロウィルス発症者は全国3,000カ所の定点より
報告された発症者数を県単位で前年と比較)
ノロウィルスの直近報道では定点当たり20人を超え、これは史上2番目です。
牡蠣や魚類の生食は避けましょう。
特に調理人の手を経る生ものは要注意。
下記コラムの第4項、第5項に「牡蠣とノロウィルス」の報告があります。
河川氾濫により発症が促進される中皮腫、E型肝炎、レジオネラ症