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癌(がん)と発癌物質のニュースと解説

肝硬変の元凶はヘモクロマトーシス(鉄過剰症)

長寿社会の勝ち組となるには(その35):

国連傘下の世界保健機構(WHO)と実務を代行(?)する米国厚生省のCDCは「世界肝炎の日」に
肝炎撲滅のキャンペーンを世界に発信します。
CDC:Centers for Disease Control and Prevention(アメリカ疾病管理予防センター)

「鉄剤注射は肝腎を害し寿命を縮める」 Q&A : ナッシュ(NASH)、腎臓疾患、糖尿病の原因にも

 

1. 世界肝炎の日(World Hepatitis Day :WHD)

2019年7月28日は世界肝炎の日(World Hepatitis Day :WHD)
世界では約3億人が感染しているといわれる各種の肝炎(Hepatitis)。
世界肝炎の日はその撲滅をテーマにした国連のキャンペーンです。
スローガンは「Missing Millions」。
毎年肝炎で亡くなる世界の約100万人に因んでいます。
今年のキャンペーンでは特に非ウィルス性肝炎をとりあげています。
「On World Hepatitis Day, 28 July, we call on people from across the world
to take action and raise awareness to find the “missing millions」

 

2. 非ウィルス性肝炎は見えざる敵

ほとんどの人が進行に気づかない非ウィルス性肝炎は
見えざる敵が肝臓を静かに蝕み、時を経て気付いた時は手遅れが
多い人類の強敵。
非ウィルス性肝炎はアルコール性肝炎(alcoholic steatohepatitis:ASH:アッシュ)が
知られていますが、あまり知られていないのが
ヘモクロマトーシス(hemochromatosis:鉄過剰症)を原因とする非アルコール性肝炎。
一般的にはアッシュに対してナッシュ(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)と呼ばれています。
ナッシュはインシュリン抵抗性肝臓鉄過剰蓄積(IR-HIO)
(insulin resistance-associated hepatic iron overload)とも呼ばれます。

3. 遺伝性と突発性のヘモクロマトーシス(hemochromatosis)

ヘモクロマトーシス(hemochromatosis)は肝臓、心臓、膵臓など
全身の臓器に鉄が過剰沈着し、機能障害を生じる疾病。
肝炎に進む鉄過剰症(iron overload)には遺伝性(hereditary hemochromatosis)と
突発性(idiopathic hemochromatosis)がありますが
米国で特に問題となるのは北ヨーロッパをルーツとする*白人の
コ―カシアン(Caucasians)に多い遺伝性の鉄分臓器沈着。
遺伝子の劣勢遺伝(6番染色体の遺伝子)を持つほとんどの人はそれに気づかないそうです。
* コ―カシアン:
コーカサス地方由来の命名といわれ、諸説が多々ありますが
ヨーロッパをルーツとした身体能力の優れたゲルマンなど白人種の代名詞となっています。

もちろん、生活習慣次第では他民族も例外とはなりません
鉄過剰症は肝炎の原因となるばかりでなく、肝硬変、肝臓がん、糖尿病、
皮膚の青銅着色、心臓病、脳疾患、関節疾患、生殖器疾患、
性腺機能低下(ED)の原因ともなる見えざる侵入者ですが、
その全貌が明らかになったのは比較的最近です。

4. 特に注意したい鉄過剰症が原因となる疾病(CDC)

今回のキャンペーンでは鉄過剰症による
特に注意すべき疾病として下記を採り上げています。
*肝硬変(Cirrhosis:スィロウスィス) (liver damage),
*肝臓がん(Hepatocellular carcinoma) (liver cancer)
*心臓血管病(Heart problems)
*関節障害(Arthritis
*糖尿病(Diabetes
*性腺機能低下(ED)

5. 鉄過剰症の初期症状(CDC)

これらが疑われる初期兆候には下記症状がありますが、長く続くならば
精密検査の必要があります。
*だるさ、疲労感(Feeling of tiredness or weakness)
*体重減少(Weight loss)
*関節痛(Joint pain)
*皮膚への青銅着色(Bronze or grey skin color)
*腹部痛、食後の腹部痛(Abdominal pain)
*性欲減退(Loss of sex drive)

6. 関節痛と性欲減退に安易な対応は危険

関節痛と性欲減退は鉄過剰症も疑う必要があります。
鉄過剰症に気付かず、関節痛を鎮痛剤で対処しても
原因が鉄過剰では効くはずがありませんから服用量が腎臓、肝臓を傷める
危険水準まで増えている方が多いそうです。

性欲減退は加齢が原因とばかり、素人判断でマカや朝鮮ニンジン、ウコンなどの
アルカリ性植物成分過剰摂取や、亜鉛(ジンク)の過剰摂取、バイアグラなど
医薬品を摂取することはとても危険です。
鉄過剰が原因ならばいずれも効果ありませんから、これも過剰摂取による
悪のスパイラルに巻き込まれます。
過剰摂取は、さらにEDを悪化させ、腎肝不全や前立腺がんになる方が非常に多いのが
最近のトレンドです。
人体の諸器官はネットワークで繋がっていますから発症した部位だけの
対症療法ではほとんどのケースが百害あって一利なし。
EDや性能力の衰えには様々な理由があります。

7. 米国厚生省が推奨する鉄過剰症発見後の対処法(CDC)

*1年に1回は鉄分含有量テスト(annual blood tests)を実施
*かなりの進行が疑われたら肝硬変(cirrhosis)の程度を検査するために
肝生検(Liver biopsy)を実施すること
*鉄過剰症は鉄除去治療(しゃけつ:瀉血や、鉄分キレ―ション:Iron chelation therapy)が有効です。
*アルコール飲料を控える。
*ビタミンCサプリメントは直ちに摂食中止する。
*食中毒、インフルエンザなどの感染症は症状を悪化させます。生魚は厳禁だそうです。
*献血もお薦め。

歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。 シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と一線を引く点では同じです。

 

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