世界の医療先進国でワクチン接種済み証明書発行が流行り、
新型ウィルス感染検査結果、抗体検査結果による陰性証明書までが200年前の通行手形同様の役割を果たす。
異常ともいえる流行ですが、現状は疑念を持つより受け入れる人々が半数以上。
医療機器の精度は様々です。
研究所が使用する精度の高い機器は非常に高価で使いこなすのも容易ではありません。
市井で毎日実施されているPCR検査は様々な機器が使用されており、国により精度、オペレーション信頼度にばらつきがありますから、完璧な検査結果が得られているわけではありません。
通販などでは100%近く不正確といわれるキットまで販売されていますから、検査を妄信するトレンドは見直す必要があるでしょう。
2022年1月3日に米国で開始された医療機器偽造裁判は国民が
医療機器や医療検査を100%信じることに警告を与えています。
大統領や国民の誰もが知る著名人が推奨する医療機器なら多くの人々が、無条件に信じるのは当然かもしれませんが、ご紹介するセラノス社のケースではそれでも詐欺的な犯罪の存在が可能だということが証明されました。
事件の発端はカリフォルニア州シリコーン・バレーのパロアルトで
2003年に創業された医療機器製造ベンチャー企業「セラノス社:Theranos」。
スタンフォード大学を19歳で中退したエリザベス・ホームス氏(Elizabeth Holmes)が創業者でCEO。
一時はCEOにボーイフレンドのRamesh Sunny Balwani氏が就任(1965パキスタン生まれ、母親は日本名Keiko Fujimoto)。エリザベス氏同様に被告となっています。
エリザベス・ホームス氏は血液数滴で糖尿病、がん(癌)、エイズなどの存在が検出できる革命的な機器を発明という触れ込みでベンチャーキャピタルや投資者から約7,000億円の資金を調達。
ところが絶頂期の直後の2015年から2016年にかけて有力経済紙ウォールストリート・ジャーナルが「この機器は不正確(inaccurate)で内密に他社の血液検査機器でテストした結果を
使用している」と糾弾。
その後、機器の性能に疑問を持った研究者や投資家、株式取引所(SEC)などから8種の罪状で告発されましたセラノス社は2018年9月4日に倒産。
新型コロナ禍で開廷は延期されていましたが、今年2022年1月3日に主題の通信詐欺(wire fraud)、誇大広告など、とりあえず4つの罪状で裁かれることになりました。
スタンフォード大学を19歳で中退したエリザべス・ホームズ氏(Elizabeth Holmes)が
創業したのは2003年。
当初資金は在学資金が賄えない生徒の援助をする非営利団体から目的を偽り調達したといわれます。
美女でもあったからか、元国務大臣のキッシンジャー氏(Henry Kissinger)元防衛大臣のマチス氏(James Mattis)など著名人が役員に名を連ね、バイデン大統領や、メディア王のマードック氏までが多額の投資をして絶賛していました。