長寿社会の勝ち組となるには(その4 ):費用不要な極寒、酷暑の健康法
2層のショッピングモール.図面はチェックしていませんが1周で230メートルくらい.
認知症進行のマーカーともなる鬱(うつ)、不眠、便秘、肩こりは
運動不足が原因となり、様々な生活習慣病が悪化します。
ウォーキングは高血圧、高コレステロール、糖尿、心筋梗塞を防ぎます。
犬の散歩。子供や孫と公園や広場に行く。
駐車場は目的地から遠い場所を選ぶ。
仕事場や買い物でエレベーターをできるだけ使用しない。
ウィンドウショッピングをする。
身近にウォーキングのアイディアはたくさんありますが巻末の
メルセデス・カルネソン助教授による具体的提案を参照してください。
1. 米国財政の緊急ターゲットは医療関係費予算の低減
米国でも医療関係費の肥大化は年間約32兆円の日本と同じ。
人口比と同様で予算は日本の約2.5倍。
低所得層人口が多いですから、GDP当たりの支出比は日本よりはるかに
多いことが判ります。
医療関係費削減は財政改善の最大ターゲット。
生活習慣病は予防ができるだけに、肥満急増の国民に日常生活と食生活の
改善を求めています。
米国の疾病対策センター(CDC)は世界中へ健康情報の発信をしていますが、
北半球温帯地方が極寒に覆われているこの時期に、健康ならば誰でもが
持続可能な軽運動のアイディアを推進しています。
2. モール・ウォーキング
モール・ウォーキングは近在のインドアー・モール(クローズドモール)内を
運動目的に使おうということです。
モール内は酷暑、極寒の天候に影響されません。
温度変化が危険な高血圧の方も安心。
空調、照明、トイレット、休憩ベンチ、警備システム、医療救急機器が完備。
バリアーフリーで交通手段も簡便。
(写真はCDC広報より)
写真はCDCの主旨に賛同したモールの設備.主要住宅地より送迎バスまであります。
集会所(ミーティングポイント)、更衣所、ロッカーまで
完備しているところもあるそうです(未確認)。
日本などでも見られますが、用もなくコンビニやモールに
たむろするネズミ(ラット)と呼ばれるグループに占拠されないよう個人情報を
登録制にすることを前提にしています.
CDCはこれを「モール・ウォーキング」と名付けていますが、
昨年から大々的に国民に呼びかけ、運営者の協力を求めています。
細菌兵器、化学兵器の研究をしている「こわもて組織」だけに
協力モールは少しずつ増えています。
狭く過密人口の日本でそのような機運がどこまで運営者に受け入れられるかは
疑問ですが、とりあえず買い物を前提に、そのついでのウォーキング.
2-3キロは歩きましょう。
大抵のモールは通路幅が広く、通常の週日ならば早歩きのすれ違いに不自由はありません.
大型モールならば1周で230メートル以上あります.
回遊通路以外の行き止まり通路も100メートルくらいの場所があり
端から端まで往復すれば新たな名店を発見する驚きもあります。
上層、下層への移動は階段を使用しましょう.
写真下はオープンモールの導線.左が1F. 右が2F.
このモールは片道120㍍から250㍍くらいあります.
3. ランニングよりウォーキング
身障、高齢により無理ならば、ランニングは不要。
カリフォルニアのローレンス・バークレー国立研究所生活科学部門による6年間の研究によれば
同程度エネルギー消費の場合に約33,000人のランナーと
約15,000人のウォーカーを比較したところ、
高血圧、高コレステロール、糖尿、心筋梗塞を防ぐ効果は同じでした。
*Lawrence Berkeley National Laboratory, Life Science Division in Berkley, Calif.
サウスカロライナ大学のラッセル・ペイト博士によればこの結果は「驚くに当たらない」
全米心臓協会が推奨する一日30分の運動。
1週間に最低でも150分のウォーキングか自宅外での活動。
その半分75分間のやや激しい運動(テニスなど)に効果があることは
すでに明らかになっているからです。
*Russell Pate, Ph.D., a professor of exercise science in the Arnold School of Public Health at the University of South Carolina
4. 健康運動に技術習得やお金をかける必要はありません
80%のアメリカ人は体操やウォーキングなど軽い運動(エクササイズ)が生活習慣になっていません。
14%はエクササイズが嫌いだそうです。
勤勉な国民性の日本に較べればはるかに怠惰な層が多いのでしょう。
ラッセル・ペイト博士によればとにかく活動を始めること。
当初は5分、10分のほんの少しでもかまいません。
テニス、ゴルフ、スキー、水泳、卓球など、身近でも高価な道具や技術の必要な
スポーツは長続きしません。
スポーツ技術の向上が苦手で運動不足になっているからです。
5. ウォーキング開始は今からでも遅くありません
バランスボール、室内自転車など運動器具にお金をかける必要もありません。
スポーツクラブに加入する必要もありません。
無料で体を動かす健康法は幾らでもあります。
運動靴だけを用意してください。
歩幅は個人差が大きいですから「何歩歩くか?」はナンセンス.
速足で何分歩くか?の運動時間が重要です。
10キロが目標とか、1万歩目標などが話題となりますが、
疲労を感じるほど歩くのは逆効果と心得てください。
6. 軽い運動を習慣づけるのは難しくありません
シカゴのノースウェスターン大学予防医学部のメルセデス・カルネソン助教授の提案は
ペイト博士同様に5分、10分の短時間でもまずスタートすること。
自分に合った運動を実行すること。
疲れたら休み休みでも構いません。
毎日の習慣になるようにします
早起きが苦手な人は朝の運動にこだわることはありません。現在の生活スタイルに合わせて
組み込みます。
嫌々でも、しばらく無理に続ければ自然に日常的動作(ルーティン)になります
鬱(うつ)、不眠、便秘、肩こりが目に見えて改善しますから、喜びとともに、より前進した
運動習慣が身につき、当面の目標値である1回30分、1週間150分が
自然と達成できるようになります。
*Mercedes Carnethon, Ph.D., associate professor of preventive medicine
at Northwestern University’s Feinberg School of Medicine
7. メルセデス・カルネソン助教授の具体的提案
a. 朝起きたら体操をする。ラジオ体操、太極拳、美容健康体操法(calisthenics)など
系統だったものが良いでしょう。
b. 勤め人は帰宅の交通機関を一駅早く降りて歩く。
c. 食後の散歩を習慣づける。
d. ハイキング、ウォーキング、ダンス、街歩きなど軽運動の目的を共有できる
同好の士を募るか、同好グループに加入する。
e. 同じ目的の友達と待ち合わせをして交遊、会話、お茶をしながら続ける。
有料のクラブなどでなく、家庭や集会所でダンスできるグループがあるならばなお良し。
当初はフィットネスクラブも不要。軽運動に飽き足らなくなってからでなければ
続きませんし費用の無駄。
f.テレビの体操や運動の番組を見ながら、無料でいくらでも出来ます。
g. 家では自分のことは自分で。家人を使わないこと。
h. 近場の所要に車を使わないこと。
i. テレビ、ビデオなどにリモコンを使用しないこと
j. 電話は立って話すこと
k. ウォーキングのコースに坂道をいれること。
l. 坂や階段があったら有用な薬と思うこと
m. ケーキの時間はを避けて食後は歩くこと
n. 芝刈りは歩きながら手押し道具を選択すること。騎乗型は避けましょう。
(芝刈りは日本の実情ではあまり関係ありませんが)
8.モールとモール・ウォーキングの始まり
モール(Mall)は太平洋世界大戦後に主として婦人向けに全天候型が作られ、当初は
アウトドアーのオープンモールはありませんでした。
モールは婦人たちの社交場となり、日本流「井戸端会議」「お茶」をする場所として
愛用したそうです。
当時から様々なエンターテインメントが企画されましたが、モールウォーキングも
目玉プログラムの一つでした。
モールウォーキングはスピードや肉体的アドバンテージ、服装を比較することが無い
イベントでしたから、弱者がたくさん参加し、観衆は温かい目で
参加者を応援していたそうです。
CDCがこのプランを全国的に打ち出した時に、その歴史を知る人たちが協力的で、各地で
ウォーカーを盛り上げています。