5,000種以上知られているポリフェノールの中で優れた抗酸化作用を持つのがアントシアニン。
安くて大量のアントシアニンを含有する紫イモはアントシアニン摂取に最良の選択肢です.
体作りと健康に欠かせない肉類、米、小麦、ジャガイモ摂食時の安全性と機能を高めます。
(写真上)ベトナムの紫イモ(ニャチャン生鮮市場) 輸入品か国産かは不明
長かった米国との戦いを支えた紫イモ.ベトナム人に紫イモは日常的.
1.スーパー健康食材の紫サツマイモ(薩摩芋)(Ipomoea Batatas )
赤紫ポリフェノールはこれまでも幾つかの野菜を紹介してきましたが、可食部分のほとんどに
濃度の高いイモ・アントシアニンが含まれるジャガイモ、サツマイモ.
最もコストパフォーマンスの良い赤紫野菜として知られています.
英語のポテト、スウィートポテトに習い、ジャガイモ、サツマイモと日本でも
イモ類扱いですがサツマイモ(Ipomoea Batatas)はヒルガオ科
対してジャガイモ(Solanum tuberosum L.)はナス科 ナス属の植物.
各種アントシアニンの構成も異なります.
赤紫イモ・アントシアニンは主として色素ポリフェノールのシアニジンアシルグルコシドと
ペオニジンアシルグルコシドで構成.
2012年ごろより大腸がん、高血圧、肥満に著効があると、幾つもの研究論文が
発表されています.
2.サツマイモ(薩摩芋)(Ipomoea Batatas )はヒルガオ科
ジャガイモに較べれば紫系のサツマイモは全国に出回って愛用者が少なくありません.
加工食品にはムラサキイモ色素、着色料(アントシアニン)、アントシアニン色素、
野菜色素などと表示されています。
紫イモ(生)は1gあたり8.16mgのアントシアニンが含まれているといわれています.
紫サツマイモ、紫ジャガイモには濃厚なイモ・アントシアニンが含有されますが、調理は蒸すか
スープ、揚げ物にすること.煮てはイモ・アントシアニンが水溶性のために簡単に消失します.
(写真上左)寒天で羊羹を作るには寒天の比率を高めるのが良いと思います.
紫イモが多すぎるとお芋の味が強くなりすぎます.
(写真上右)バターを加えてペースト.パンとの相性が良くお薦め.
サツマイモには紫色素の品種が色々ありますが加工品の愛用者が多いようです.
揚げ物や砂糖やバターなどで加工しないと味が単調すぎるのかもしれません.
日本ではアイスクリームや揚げ菓子が多いですが、アジア諸国や欧米では日常的な
食生活に採り入れています。
3.ジャガイモ(Solanum tuberosum L.)はナス科 ナス属
ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ナス(Solanum melongena Linn)、
トマト(Solanum lycopersicum)はナス科(Solanaceae).
1属1種のトウガラシ属(Capsicu:Capsicum frutescen、Capsicum annuum)も
ナス科です.
イモ・アントシアニンの抗高血圧、抗肥満効果が知られている米国では
様々な赤紫ジャガイモが売られています.
(写真はヒューストンTXで取材.他の記事と重複します)
米国(写真はヒューストンTX)にはこのような盛り付けが多く、
日本の食文化と比較すれば美的要素に欠けますが栄養素、カロリー満点.
見た目、味をとことん追求した日本の伝統料理は健康面からは切捨てる、
削る部分が多いのが難点。
野菜、穀物の有用なポリフェノールはとことんのあく抜きで失われます。
70%もグルテンを捨てる大吟醸酒がそれを象徴しています。
旨味は確かに甘さ、辛さ。美しく、美味しい和食ですが、
栄養、カロリーが極端に少ないため、肉食で脂質摂食過多な欧米人向け。
写真上下はアンデスレッドと通称されている赤皮ジャガイモ.栽培者の多い品種です.
上の写真右はジャガイモの花.
アンデスレッドはカロチンが豊富ですが中身はそれほど赤くありません.
日本の赤紫ジャガイモには「キタムラサキ」や「インカパープル」、
北海道農業研究センターが2006年に開発した「シャドークイーン」が知られていますが
サツマイモほど全国に出回ってはいません.
写真が重複していますがジャガイモの解説が下記にあります.
ジャガイモ(Solanum tuberosum L.)はナス科 ナス属の植物
アジア人のパワーの源泉ともなっているナス.様々な色と形があります.
ジャガイモとナスには高血糖を防ぐポリフェノールの1種クロロゲン酸が豊富.
野菜の中でもナス属はダイエット野菜の中心的存在。
ナスやナス科(Solanaceae)のトウガラシは疫学的に肥満、動脈硬化を
防ぐことが知られています.
https://nogibota.com/archives/1130
食材研究家:しらす・さぶろう
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