夏は肌が気になる季節。
薄着と強い紫外線により皮膚へのダメージが最も大きいシーズンですから
対策が必要ですが、ケアのつもりで逆効果になることが
珍しくありません。
化粧に重要なのは皮膚を傷めないクリーム、殺菌石鹸、ローションなどを使用することです。
正統派化粧品での肌の手入れでは物足りず、新たな化粧品探しに苦労している人が
選ぶのがブラックマーケットの化粧品。
1.水銀入り違法化粧品の蔓延
ここ数年の米国ではブラックマーケットと知りつつ、わき道をあえて選ぶ人が増え、
深刻な健康トラブルが多発しているそうです。
美白、アンチエージングを謳う水銀(mercury)入り化粧品。
数年前に日本でも中国製水銀入り美白化粧品が問題となりニュースが飛び交いましたが
米国食品医薬品局(FDA:the U.S. Food and Drug Administration)も2012年に
その危険性を警告しています。
FDAはその後も調査を続けていますが、幾多のトラブルを分析して判明したことは
非常に深刻な状況が増えている実態でした。
水銀(メチル水銀)は大型魚類など水産物経由での体内蓄積量が多いために、
違法化粧品経由が加わると危険水準がさらに高まります。
ここ数年FDAは数多くの水銀含有商品を摘発し水銀の体内蓄積量増加や中毒症状を確認。
輸入を禁止するに足る多くの証拠を確認しています。
しかし行政による水際での阻止だけでは限界があります。
消費者は使わない、販売者は売らないことが最重要。
FDAは2016年7月下旬に再度警告を発しました。
FDAが再警告する水銀(mercury)入り美肌化粧品
2.FDAメディカル・アドヴァイザーのシモーヌさんが警告
(Arthur Simone, M.D., a senior medical advisor )
水銀入り化粧品の害毒は家庭内で気体となって拡散し、本人ばかりでなく
家族にも影響を与えます
汚染したタオル等に触れた乳児、幼児、妊娠中の婦人などは特に危険。
ベビーは敏感です。脳や神経系統に悪影響を与えます。
新生児を扱う看護婦や母親は特に注意すべき。
母乳が水銀に冒される危険性もあります。
水銀化粧品を使用している人がいれば家族、友人、恋人などが顔や頬を
触れ合うことでも汚染が拡がります。
15年間にわたり、水産物の金属汚染を追求するノギボタニカル。
水銀の毒性と環境汚染に関する詳しい解説が下記にあります.
3.連邦医薬食品安全局(FDA)の警告内容抜粋
*水銀を含む違法なアンチエージング、美白を謳うクリーム、殺菌石鹸、ローションは
主として取り締まりを避けてネット販売されています。(日本も同様です)
*取り締まりの厳しい米国製は少なく、発展途上国などで製造され、
米国に輸入されているようです。
日本も例外ではありません。
*成分表示( ingredients)が無いものは論外ですが、下記の表示は水銀入りを表します。
“mercury” は水銀そのものですが
「 “mercurous chloride,” “calomel,” “mercuric,” “mercurio,” 」も同様に水銀入り。
*もし成分表示ラベルに何も書かれてなかったらどんな化粧品、ドラッグでも
合衆国では違法。
*ラベルに英語が記載されていないものは止めましょう。これは違法商品の証です。
*違法商品は美白(skin lightening)、アンチエージング(anti-aging)に効果を
持ち、シミ、変色(spots, blemishes)、そばかす (freckles)、ニキビ(acne )、
皺(しわ:wrinkles)治療に適すると称しています。
密造者の本来のターゲットは問題意識の薄いアジア、アフリカ、中東、
ラテンアメリカ地域民。
危険性、毒性に無知な若い人のニキビ治療目的が最も多いようです。
*FDA は、水銀使用は特殊ケースを除き禁止しています
まれに保存剤として代替品がどうしてもないときに認可しますが例外です
水銀使用商品は没収の対象となり、犯罪となるケースもあります。
中には化粧品と称して未承認ドラッグまで違法に販売されているそうです。
*違法化粧品を使用していると判ったら直ちに汚染された顔や手を
完璧に洗ってください。
化粧品は捨てないで漏れのない容器かプラスティック袋で密封して
身近な環境汚染対策局や保健所に届けてください。
水銀は自然消失する物質ではありません。