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健康と食品の解説

日本人に多い消化器系ガンと下戸遺伝子の相関

日本人に多い消化器系ガンと下戸遺伝子の相関: 飲酒で臓器を傷める日本民族の遺伝的特質

欧米人の正式なディナーは夕刻からカクテルが始まり、20時くらいからディナーが数時間
それからダンスが24時過ぎまで続くことが多く、3時、4時に帰宅するのは若者ばかりではありません。
ヨーロッパの多彩な酒文化に較べると日本の酒文化は実にシンプル。
日本人が遺伝的にお酒を飲めない下戸遺伝子体質だからです。
超グローバル化した現代においても、なお「酒とバラの日々」のような西洋のパーティー文化に
馴染めない最大の理由の一つが日本民族の遺伝的体質。
かって、ノーベル賞の日本人受賞者たちがストックホルムでの国王主催晩餐会でディナー後
早々にホテルへ引き上げたことが話題となりましたが、酒豪遺伝子の欧米人とは
アルコール処理能力が全く異なる下戸遺伝子の日本人。
国際社会から孤立しないためにも西洋文化に馴染むことは重要ですが、
お酒を飲めない遺伝子は様々な消化器系ガン発症など負の部分が多々あります。
無理に飲むのは感心しません。

 

美味しい肴にはワインや日本酒が欠かせません.消化器系ガンにかかりやすい酵素が
GA型(文中に解説)だろうとお酒抜きの食事はありえないでしょう.
個々の分解能力に合った適量ならば問題ありませんが、過飲はダメージのみ

 

露地栽培の野菜がますます少なくなりましたが、性格の強い香りを持つ葉野菜、強烈な色素の野菜、
特異な香りの根菜が癌予防につながります.発展途上国にはうらやましいほど豊富にあります

 

1.お酒の解毒とは:アルコール脱水素酵素とアセトアルデヒト分解酵素

 

お酒好きの日本人は交際する仲間を便宜的に三つに分類します。
「飲める・飲める」「飲める・飲めない」「飲めない・飲めない」の三種ですが、
「飲める・飲める」は酒豪といわれるクラス。
酒豪は関西圏出身者に少なく、九州南部、東北出身者に多いといわれますが
日本民族ではごく少数派。
「飲める・飲めない」は最大多数派。青年期には酔いが早かったものが飲酒習慣が
永くなるにつれ、そこそこに飲めるようになるクラス。飲酒被害を受けるのも多数派。
飲めない・飲めない」は飲酒でアレルギー反応に近い症状を呈するクラス。
このクラスはアルコールから遠ざかりますから直接的危険は少なくなりますが、
その体質は消化器系ガンの発生率が高いといわれますから要注意。

二日酔い、悪酔いの元といわれるアセトアルデヒト(acetaldehyde)は、
お酒のアルコールがアルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase:ADH)により
分解されて出来る有害物質。
これをさらに肝臓で分解し、無毒化するのが
アセトアルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase:ALDH)ですが、
厄介なことに、日本人の半分以上が正常に働かない変異した酵素を持っており、
解毒能力を欠く原因となっています。

米国政府の国民保健を啓蒙するキャンペーン.
癌と心臓血管病の予防をターゲットにした食生活が求められています.

2.「飲める・飲めない」酵素:GA型:消化器系ガンにかかりやすい酵素

日本人の半分近くは解毒酵素(ALDH)の構造が変異して、
飲める遺伝子グアニン(G)と飲めない遺伝子アデニン(A)が
GA型(ヘテロ対)となっています。
このGA型の人たちがお酒の害を受けやすいグループ。
なぜならば、GA型(「飲める・飲めない」)は若いうちから飲酒の習慣を持てば、
かなりの酒量に耐えうるようになるからです。
ところが、信頼すべき研究によればGA型は、白人に多い「飲める・飲める」の
GG型(ホモ対)に較べてアルコールの代謝能力は16分の1しかありません。

GA型は、お酒が飲めるGG型に較べてアルコール型ガン発生率が倍近いといわれます。
アルコール型ガンは通称。食道、咽喉、膵臓、大腸、肝臓など消化器系等のガンのことです。
食道がんに絞れば、その発生率は数十倍ともいわれます。
また女性では乳がんの発生率が高いという研究もあります。

3.「飲めない・飲めない」酵素:AA型

日本人には「飲めない・飲めない」遺伝子のAA型が5%以上います。
飲酒可能人口に限れば4-5人に一人ともいわれます。
このようなグループはお酒がまったく飲めませんからその害が及ばないと考えがちですが、
そのように単純でもありません。
お酒を飲める人に較べ、飲めない人は食道、膵臓、大腸のガンや
肝臓疾患に罹りやすいことが疫学的にわかっています。
この型の人にはアルコールをアセトアルデヒトに分解する能力まで劣る人が多く、
アルコール型ガンの危険性が高いといわれます。

4.アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の変異とは

日本人が属するモンゴロイド(Mongoloid)のお酒が飲めない遺伝子は
民族を識別するマーカーともなっています。
モンゴロイドとは一口には括れないほど多彩な民族。
範囲もアメリカ大陸からヨーロッパ近くまで分布し、混血も進んでいます。
モンゴロイドを特徴付けるのが「下戸遺伝子」とも通称される
アセトアルデヒド脱水素酵素
(aldehyde dehydrogenase:ALDH:acetaldehyde dehydrogenase)の
突然変異.
お酒に弱い人は517個のALDHの487番目のアミノ酸を決める塩基配列が
グアニン(G)からアデニン(A)に変異しています。
これは「飲める・飲める」のGG型が全てといわれるコーカソイド(Caucasoid)や
アフリカのネグロイドなどには見られない特徴。
コーカソイドは多様で、ユーラシア大陸を中心に分布しますが、いわゆる白人。
外見は白人でもGG型でない人はモンゴロイドとの混血ということが判ります。

お酒に強いGG型が健康とも限りません。
コーカソイドなどは多量の飲酒で脳を麻痺させて酔いを楽しんでいるうちに
アルコール依存症になりがちです。

日本人の食生活には旬のフルーツと強い香り、色素の路地野菜類が最も欠けています.
お酒を飲む方はポリフェノールの十分な摂取が必須.
フルーツと野菜は旬が大事.品種改良が少ない原始的な素材、栽培法が最も健康的です.

ブロッコリなどの花野菜やニンニク、トウガラシ、オニオン類は
癌の発現を制御できる優れた食材.

初版:2009年05月29日
改訂版:2015年9月

 

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