アジア、欧米を席巻するネッスル(Nestle)のインスタント・ラーメンは
先駆者の日本ラーメン、台湾ラーメンと並び世界の三大ブランドの一つ。
そのブランドは傘下のマギー(Maggi)が発売するMaggi Instant Noodles with Tastemaker。
いろいろな種類があります。そのうち9種類がインドの食の安全を仕切る
FSSAI:The Food Safety and Standards Authority of Indiaに発売停止を求められて
いたことが2015年6月3日に報道され、インド各州で騒ぎが広まっています。
「Nine variants of Maggi noodles ‘unsafe & hazardous’」
指摘されているのは3項目。
- 表示外成分の鉛(Lead)が安全基準(2.5ppm)以上の
17.5ppm含有されていること。 - MSGと称されるグルタミン酸ナトリウム(Monosodium Glutamate)が
含有されているにかかわらず「No added MSG:MSG添加なし」と不当表示されていること
(The Food Safety and Standards Authority of India :6月3日)。
MSGは調味料(アミノ酸)と表示される化学合成の食品添加物。
日本では「味の素」「旭味」で知られ、台湾製などいろいろあります。
化学合成されたMSGは食品から自然に摂取されるアミノ酸とは異なります。
有害性議論はさまざま。
うまみ成分として大小の食品メーカーが加工食品に使用しますから、
毎日の摂取量が不自然に多くなり、それが体に与える影響が危惧されています。
どれだけなら安全かはいまだに不明。
監督官庁も基準を定めることができません。
急性症状が表れニューヨークで話題となった中華料理店症候群のように中枢神経に
与える影響や、緑内障など視神経、網膜障害のおそれが議論されていますが、
安全性を云々するには最低でも、あと半世紀はかかるでしょう。 - 安全性確認が未承認のまま新製品を発売したこと。
当該製品は「Maggi Oats Masala Noodles with Tastemaker」
「Maggi ‘Oats Masala Noodles’ launched without approval」
6月5日の報道によれば世界的巨大食品企業ネッスルとインド食品安全局(FSSAI)との
かなり激しいやり取りがうかがわれます。
FSSAIは下記のように「消費者にとって安全ではない、危険な食品」という表現を
していますが、これはかなり過激な言葉。
巨大企業のおごりが原因か、監督官庁の横暴か、背景はわかりませんが
近年では珍しい騒動。
New Delhi, June 5 (IANS)
「India’s food safety watchdog on Friday ordered all the nine Maggi noodle variants
to be “withdrawn and recalled” by Nestle and stop its further production and
exports as some samples were found to be
“unsafe and hazardous” for human consumption.」
ネッスルでは金曜日の聴聞に応じ、かつリコールしているようですが、
「消費者の動揺が収まるまではリコールするが、安全性には自信があり、いずれカムバックする」
と明言.
指摘された添加物を除去するのかしないのかは不明.
ただし添加物を除去しなければ発売と輸出の禁止になると思われます
(写真はメーカーの宣伝用)